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5月18日 読書会報告

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

2024年5月18日の午後に開催した「東京読書倶楽部」読書会の報告です!

この日は新規の方が5名、リピーターが4名の合計10名で神保町散策×読書会。大所帯で今村翔吾さんのシェア型本屋「ほんまる」を訪れる。

図らずも哲学的な話題が多くなった読書会。以前読んだ「かもめのジョナサン」に通じる話もあって、ひとり勝手に震えている主催者なり。

紹介して頂いた本

読書会終了後に撮影

グレイソン・ペリー「男らしさの終焉」フィルムアート社

女性の権利(フェミニズム)などが台頭してはいるが、一方で「男だから」「長男だから」など、男とはこうあるべきだというある種の強制されたイメージ(英国紳士など)や姿がある。

それゆえに、男性にも『傷ついていい権利』や『弱さを認める権利』『間違いを認める権利』などがあって、「男らしさ」というものは徐々に終焉を迎えるべきなのではないかと。イラストもポップで読みやすい。

鈴木成宗「発酵野郎ー世界一のビールを野生酵母でつくる」新潮社

東北大農学部出身の鈴木成宗さん。家業のモチ屋の傍ら、新規事業として野生酵母を使ったビールを作り、「伊勢角屋麦酒」を売り出すまでの過程を記す。

そもそも酵母自体まだ解明できてないことばかりらしく、研究開発のトライアンドエラーを経て、ビジネスを立ち上げるまでの物語は興味深かった。

すがちゃん最高No.1「中1、一人暮らし、意外とバレない」ワニブックス

(読書会では皆無だったが)皆さんご存知のお笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」のすがちゃん最高No.1が幼少期を振り返る自立エッセイ。

早くに母を亡くし、破天荒な父と暮らしていたが、中学生になってから突如一人暮らしを迫られたすがちゃん。同級生にバレたくないと考えていたが、意外とバレず。

紹介者曰く、初めてテレビでネタを観た時はめちゃくちゃ面白くなかったらしいが、エッセイを読んでから「こいつはこいつで一生懸命なんだと」思ったそうで。せめて名前だけでも覚えて帰っていただければと。

高野秀行「アヘン王国潜入記」集英社

「誰も行ったことがない地で、誰もやったことがないことをする」がポリシーの秘境冒険家。ミャンマーのゴールデン・トライアングルと呼ばれる麻薬(アヘン)を栽培する農村に7ヶ月滞在する潜入記。

麻薬というとあまりいいイメージのない代物を栽培する人達は、いったいどんな人なのか、どんな気持ちでアヘンを栽培しているのだろうか。

上杉隆「ジャーナリズム崩壊」幻冬舎

表現の自由を掲げている日本だが、なぜどこの報道も似通っているのか。それには、日本記者クラブの存在や記者同士の談合といった、報道規制を促す問題があるのだと。

そもそも、新聞社がテレビ局や出版を取り扱っている事自体、諸外国からしたら珍しいことらしい。新聞と出版はお互いに牽制すべき組織であるべきではなかろうか。

ロバート・ルイス スティーヴンスン「ジーキル博士とハイド氏」光文社

善人のジーキル博士と悪役のハイド氏。人間は常に欲望に負けないよう規律を重んじて生きている。だが悪への憧れが強くなると、人間の弱い心につけ込まれてしまう。欲望をどう食い止めるかが問題である。

作品としてはアルフレッド・ヒッチコックの「サイコ」を彷彿とさせたし、オチは「猿の惑星」第1作目を観たときのような衝撃を受けたという。

オイゲン・ヘリゲル「弓と禅」KADOKAWA

ドイツ人哲学者のオイゲン・ヘリゲル氏。日本滞在中に弓道の師範に弟子入りして、弓を射ることと禅の考え方に通じるものを見出していく。

何事も初心者は一つ一つの動作を考えてしまいがちだが、まずは「考えることをやめる」ことが基礎であり極地だと言う。熟練していくほど、徐々に「私」という存在が消えるというのだと。

永井均の「西田幾多郎」(西田哲学)においても、私が意図してという解釈には限界があるがゆえに、自然ではないという。私が存在するのではなく、場所自体が私なのだと。

カルロス・カスタネダ「ドン・ファンの教え」太田出版

メキシコのインディアン系の呪術師に弟子入りすべく、はるばるこの地までやってきたカルロス。最初に指示されたのは「自分が最も心地よいとされる場所を探せ」とのこと。時間はどれだけ掛かっても構わないと。

大事なのはフィールドを感じること。人間誰しも責任や役割を持っているが、それはその人特有のでもあり、その場の空気や雰囲気が作り出すものでもあるのだという。これも、場所が私を作り上げる話に通じる。

学生時代、ユング心理学を教えていた教授が推めていた作品。今になって書店で見かけ、紐解いたのだという。

川上未映子「わたくし率 イン 歯ー、または世界」講談社

歯科助士に転職した主人公の女性、恋人の青木と結婚したことにして、まだ見ぬ我が子に対して日記を綴る。ただ正直、あらすじは重要ではなくて、著者自身の思想というか、考え方が強くうかがえる作品。

例えば、人は一体身体のどこで考えるか?女性曰く「私は奥歯で考える」のだという。そういう「私」にフォーカスした世界観と詩の文体、突如として引き戻される現実が相混る。

5・6月の読書会スケジュール

5月25日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会 → 満員御礼!!!

6月1日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE!
6月15日(土) 10:00~12:00
朝活×読書会
6月22日(土) 14:00~17:00
散策×読書会
6月29日(土) 19:00~22:00
飲み有り読書会 BOOK&BOOZE!

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