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読書記録「月世界へ行く」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、ジュール・ヴェルヌの「月世界へ行く」東京創元社 (1964) です!

ジュール・ヴェルヌ「月世界へ行く」東京創元社

・あらすじ
186X年 世界中が科学史上前例のない科学的な取り組みに注目していた。

南北戦争後 バルチモアで設立された砲兵隊の集まり「大砲クラブ」のメンバーを乗せて、月世界に1発の砲弾を送り込むというプロジェクトであった。

砲弾はアルミニウムの弾丸で、直径108インチ、外側の厚さ12インチ、重さは19,250ポンド。ケンブリッジ天文台によると、発射のときに11,051m/sあれば、地球と月の引力の中立点を超えると計算している。

この壮大なプロジェクトに参加するのは、大砲クラブ会長のバービケーン、装甲板鋳造家のニコール、そして陽気な芸術家 ミシェル・アルダンの3名である。

発射は12月1日 午後10時46分40秒。到着予定時刻は12月5日午前0時。約97時間かけて、地球と月が最も近づく満月のタイミングで到着する計算であった。

打ち上げは定刻通り行われ、勇敢なる3人を載せた砲弾は地球の成層圏を超え、月世界に向かって出発する。

操縦席のない砲弾は月へ向かって真っ直ぐ進むだけでよかったのだが、道中思わぬトラブルに見舞われる…。

果たして3名は月に到着する事ができるのか。また、彼らが見た月世界とは。

学生時代から好きな作家の一人であるジュール・ヴェルヌ。先日神保町で発見したのを紐解いた次第。

月面着陸がはじめて成功したのは1969年のアポロ11号である。「月世界へ行く」が刊行されたのが1865年であることから、100年先を見据えた物語であったとも取れる。

もちろん、現在の科学からすれば誤りもあるだろうし、そもそも記載されていることがどこまで事実なのかも分からない(特にヴェルヌの作品では「皆さん御存知の通り…」をよく使う)。

でも、私自身、科学知識を知りたくてヴェルヌの作品を好んで読んでいるわけではない。「海底2万哩」「地底旅行」そして「月世界に行く」が、胸はずませる冒険小説だから好きなのである。

いまだかつて人類の目が達したことのない世界に視線を投げかけることは、どんなに愉快なことか!

同著 160頁より抜粋

私たちにはまだまだ知らない世界が広がっている。現代でさえ、月の裏側には何があるのか、まだまだ判明していないことばかりである。

先日のニュースにて、中国の月周回衛生が、月の裏側の地下深くで直径48kmのグラナイト(花崗岩)を発見したと研究結果が発表されたそうだ。

科学者や宇宙の専門家でさえ、知らないことがまだまだある。そんな疑問を投げかけてくれたからこそ、ヴェルヌの作品は時代を超えて読まれるSFなのではなかろうか。それではまた次回!

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