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百貨店業界へ思うこと

▼今日配信があってYouTubeで拝見したWWDさんの記事のPR動画


WWDさんの記事やTwitterは昨私は昨年からではあるが、興味深い記者や作家の方のお話が多くて感心させられている。

私がまだ昨年は現役の百貨店員だった頃から、いくつもの百貨店が経営に苦戦していて…それに警鐘を促す記事も多かったが、冒頭ではそんな百貨店業界の前期までの業績をグラフ化して表してくれていた。

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このグラフを見て、記者のコメントから抜粋するに

・消費税10%前後の落差に差がなく、実質±0だった
・暖冬による消費の落ち込み
・コロナによる年末年始のインバウンドの停止→そこからの大幅下落
(8割減)

以上の三点が今回わかった結果となる。

…正直このくらいの情報と詳細、結果はどの業種が見てもわかることだった。

私が今年の3月末まで…15年間の勤務で最後に受けた2019下期までの現状を具体的に書いていきたい。


私の勤めた店舗は、
百貨店とはいえ、郊外店でとても大手とはいえない規模の店舗である。

だが、神奈川でも唯一の観光地である湘南にあり…近隣には江ノ島や鎌倉などにも簡単にアクセスできる場所にある。
故に過去2、3年はとても多い外国人や観光客の来店があった。
鎌倉は、特に今でもメディアや雑誌の影響力が強く…
春夏秋冬、四季毎にどこかしらがピックしてくれている為、毎回長期連休時は店舗への来客影響も多かった。

▼話を戻すが、そんな店舗に陥ったコロナとゆう最後の爆弾投下

それまでのらりくらりと売上向上への具体的な施策を怠ってきた百貨店業界。
今回のWWD動画でも示しているが、
業績悪化の主な要因に

■都内店(本店)重視の人員や施策
 郊外店は人員も少なく、閉鎖する店舗が多くなんの対策もしていない
■EC化への遅れ
 百貨店ではわずか2%しかなく、主に食品ばかりで単価が低い
■免税売上が高かったことへの打撃
 全体の7%の売上比率がコロナでほぼ0%に

この三点があげられていて
私も多いに頷ける。

特にどれが大きいというわけではなく、三点それぞれが双方の策に対して百貨店業界に悪い影響を与えたんだと言える。
先でも言った様に、私の勤める百貨店は…3年前に1番目の要因を受け、大幅な改装閉店を行った店舗だった。
郊外店でも辛うじて集客力があった店舗は、昨年リニューアルOPをして何を得たのか?

結果的に、何も学ばず、何も得られていない。
(細かくは今回言わないが、もしよかったら有料で書こうと思う)

本当にこの店舗や町、企業として生き残りたければ…もう少し地域や顧客の意見に耳を傾けるべきだ。これは今回の動画で、各百貨店のトップが話すこの先の展望や施策の根元にあるものに似ている。

『オンラインでの顧客の獲得』
『EC化の加速』
『外商や上顧客へのオンラインでの販売強化』
『VRで新たに10代~20代の顧客獲得』

すべての共通に足らなかったもの。
私からしたら
『情報を集め、それにあったPRや宣伝をしてきたのか?』
ということ。

百貨店業界のよくある話って、
よくメディアやこういったインタビュー、プレゼン相手であるBtoBではよく大きなプランや展望は口にするが、蓋をあければ何も始まってなかったり…結局半年、半期、下手したら一年たってもなかなか動かないことが多い。
それは私が15年勤めてきてわかったことだけど、
経営戦略だけではなく…日々の業務体型にもそれが多いこと。

百貨店の唯一の大きな弱みは、今その縦割りや横のつながりの断片的な部分だ。
役職やトップがいくら綺麗ごとを並べても、結局部下や従業員がそのプランに対して納得しているのか…?
十分なプレゼンを彼らに示しているのか?

とても疑問である。
私の勤めた百貨店も、店長の挨拶は半期に一度。朝礼放送でしか聞くことはない。
結果的に何百人もいる企業で、一人一人に顔を合わせろとは私も言わない。
だが…こうも客(人)を扱う業界で、こんなにも身近な人たちに冷たく疎遠な業界って他にないと思う。

風通しが良いなんてとても言えず、売り場…事務所、店舗、組織。
全てに分厚い壁がある。
それはコロナ対策のアクリル板の様に、一見目には見えないのだ。

端からは、こうやって現代社会に合わせた戦力をしていると見せ、
レジ袋も未だ一部エリアのみの有料化にとどめたり、どうも昨今の環境に配慮する市民の声や目線からずれた対応が目立つ。
インバウンドに頼っておきながら、キャッシュレス化も遅く、日本人向けの電子決済にはどうもどこも足並みがイマイチだ。

小売り業界でこんなにも大きな差をつけられた百貨店は、今一度ここ20年を振り返るべきだ。

本当に顧客目線の対策をしてきたか?
話題性、目先の利益だけを求めた戦略しかしてこなかったのではないか?


動画の最後に…私と同じ世代の男性社員のキラキラした今後の展望が素晴らしかった。
オンラインでもオフラインでも、結局扱うのは人で、接客も普段の実店舗と全く変わらない。
逆に彼の言う、仮想空間での新たな自分を着飾り、理想の世界観で遊ぶ若者たちは、もっと現実世界の矛盾や不便さを見ているといえる。
そんな彼らを新たなターゲット層にしようと躍起する同世代は、本当に大事にしてほしい。
彼のような若年にも、目上も向き合える世代こそ、企業のトップや50代以上は知るべきだ。
何も経営陣を一掃しろとは言わない。
もう少しコロナ禍だからこそ、密接に突っ込んで話し合い…その夢を現実として加速させてほしい。

長文、ありがとうございましたm(__)m



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