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川崎モラル第2弾「参加する街、川崎」(後編)。当時、人生二毛作目の9歳。

神奈川県川崎市の武蔵小杉で企画運営する「こすぎの大学」。こすぎの大学をはじめて1年が経過した頃から活動範囲が武蔵小杉だけでなく、川崎市全体にも広がりはじめました。そして、制度(ルール)でなく、倫理(モラル)による街づくりを目指して活動し始めた「川崎モラル」。

(※)2015年8月にハフィントンポストに寄稿した記事を編集して再掲しています

川崎モラル

僕が住まう街、神奈川県川崎市。

「川崎モデル」という言葉をご存知でしょうか?

川崎モデルとは、バブル崩壊後に苦境に陥った中小企業に対して行政が伴走者となり産業を活性化させた取り組みで、現在、全国各地から注目を集めています。

産業の次は市民の「モラル」による街づくりで未来の日本を牽引していきたいと考え、仲間と一緒に「川崎モラル」というイベントを立ち上げました。ポイ捨てや路上喫煙対策等をテーマにした2015年4月の第1弾「美しい街、川崎」に続き、政治をテーマにした第2弾「参加する街、川崎」を2015年7月に開催しました。

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川崎モラル第2弾「参加する街、川崎」

前編では、チーム川崎モラルのメンバーであり、前川崎市議会議員の吉田史子さんによる川崎市の選挙の実態等のプレゼンテーション内容をご紹介しました。

後編は、「若者と政治をつなぐ」をコンセプトにして活動している特定非営利活動法人YouthCreate代表 原田謙介さんのモデレータによる3名の川崎市議会議員、日本共産党 佐野よしあきさん、無所属 重冨たつやさん、自民党 山崎なおふみさん(※五十音順)(※2015年当時)とのパネルディスカッションから紹介します。

政治家と聞くと、なんか自分とは遠い存在の天上人だったり、国会中継で寝ている姿を通じてネガティブなイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか?また、選挙の時にポスターと路上演説で接する機会はあっても「顔」と「名前」を知るくらいで、政策や人柄を知っている方は少ないのではないでしょうか?

そのようなイメージを抱く市民と、政治・政治家をつなぐのがYouthCreate 原田謙介さん。全国各地で政治家と若者をつなぐ「Voters Bar」というイベントを開催されており、川崎モラル第2弾「参加する街、川崎」は「Voters Bar in 川崎」として開催。

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パネルディスカッションでは、原田謙介さんからいきなり「政治家を目指した理由は?」との問いかけ。

「元々は大工を目指していたのですが、1995年の阪神淡路大震災でボランティア活動をした際、地元のおばあさんからの"ありがとう"という言葉が忘れられず、この言葉がきっかけになり政治の世界に入りました」(佐野議員)、「飛行機の整備士を目指していたのですが、本田宗一郎さんの誰かのために役立つことをするという姿勢に感銘を受け、より多くの方々に役立つ仕事と考えた結果が政治家でした」(重冨議員)、「外資系の企業に入社して現在の倍以上の収入を得ていたものの満足が得られない日々が続き、一念発起し、やりがいのある政治家を目指しました」(山崎議員)。

最初から政治家を目指していた訳でなく、きっかけというかストーリーがあるんですね。うん、うん。

原田さんからの問いかけが続きます。「国会議員でなく、市議会議員を選択した理由は?」

3人共に「距離感」という言葉が出てきました。議員は天上人でなく、あくまでも市民の一人であり、市民の代表として議会に参加している。なので、市民の顔が浮かぶ、市民を感じられる距離感を大切にしたくて、そうすると市議会議員という選択肢しか考えられなかったとのこと。なるほどー。

パネルディスカッションの後は、3名の市議会議員も参加者と一緒になってワークショップ。そして、最後には、参加者一人ひとりが「私たちの街に参加するための宣言」を発表。

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「批評の、その先に。」「その人の個を知る」「川崎を歩く、感じる、識る、出会う、楽しむ、味わう、喜ぶ」「地域で対話の場をつくる」「こどもと街を知る!」「"お隣さん"から"友達"に」「世間話をする」「知りたい!!を行動に」「街を好きになる」「街の人と話す場をつくる!!」「背スジ伸ばす。」「知られる力」「動き続ける」「月1以上7区のイベントにそれぞれ行く!」「バトンをつなぐ」「紙芝居で笑いの輪をひろげるぞー!」「違うコミュニティに飛び込んでみる!問題意識を行動に移す!」「あいさつをする。(声かけ)」「つながるための場をつくる!!」「川崎のおもしろさを伝えます」「街の気楽なつながりをつくる」「細く長く活動を続ける」「ペイフォワード、今日の出会いを次に渡そう!」「川崎市議会の傍聴パブリックビューイング開催!!」「また次回」「次こそは全参加」

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パネルディスカッションで「距離感を大切にしたい」という言葉が共通で発せられましたが、この言葉に今回のイベントは集約される気がしています。目の前にいたのは議員という肩書をもつ僕らと同じ市民であって、議員という別の生物(!?)ではないということ。政治や政治家と市民の間に壁や距離はなく、そこにあったのは心のバリアなのかもしれません。川崎市が「心のバリアフリー」を掲げるピープルデザイン研究所とまちづくりに関する包括協定を締結しましたが、あらゆる場面で「心のバリアフリー」が広がれば、よりよい街になっていくと、ちょっとした確信めいたものを感じた川崎モラル第2弾「参加する街、川崎」でした。

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川崎モラル第2弾「参加する街、川崎」(後編)を通じての学び

議員は議員という肩書をもっているが、僕らと同じ市民でもあり、全く別の存在ではない。


(補足)
今回のnoteはハフィントンポストに寄稿した記事を一部編集して掲載しました。


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岡本克彦(オカポン)
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