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イノベーション至上主義からモチベーション至上主義へ。現在、人生二毛作目の14歳。

2008年の黒船と言われたiPhone上陸以降、「越境」や「共創」に取り組みはじめた結果、「交流型イノベーター」のモデルの一人として選定されました。2008年のリーマンショックや2011年の311東日本大震災を通じて、従来の価値観を問い直して新しい価値を創り出そうムーブメントが同時多発的に発生したのが2010年代であり、まさにイノベーション至上主義の10年間だったと思います。そして、2020年代は?

New Normal(ニュー・ノーマル)

現在、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)でNew Normal(ニュー・ノーマル)が話題になっていますが、wikipediaでは2008年のリーマンショック後の状態として定義されています。

この言葉は、産業経済は2007年から2008年にかけての世界金融危機後に、近年の平均的な水準に復元するだろうという、経済学者や政策決定者たちの間に共有された信念に警鐘を鳴らす議論の文脈から登場してきた[1]。リーマン・ショックを含む一連の危機の前後で生じた避け難い構造的な変化を経て、「新たな常態・常識」が生じているという認識に立った表現である。
Wikipediaより

2010年代、僕自身は2008年の黒船と言われたiPhoneの上陸でガラケー(ケータイ)事業が断崖絶壁に追い込まれた結果、新しい価値創造に向けて越境や共創に活路を求めて活動していました。ケータイ業界だけでなく、自動車業界も2008年にはテスラ(米)が電気自動車のロードスターを発売して変革の兆しがあり、色々な業界から越境したメンバーが集まったのがFuture Innovation Cafeであり、企業間フューチャーセンターでした。

テクノロジーによる変化だけでなく、2008年のリーマンショック、2011年の311東日本大震災など、2010年代初頭に連続した大きな社会インパクトを通じて従来の価値観を問い直して新しい価値を創り出そうムーブメントが同時多発的に発生したのが2010年代であり、まさにイノベーション至上主義の10年間だったと思います。

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2010年代には、どのような価値観の変化が起きたのか?

2011年にマイケル・ポーター氏がCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)を提唱。営利目的な経済価値だけでなく、社会課題の解決にも取り組み社会価値を共創していくという方向感。2010年代はイノベーションを通じて社会価値を共創していく10年間だったと言えます。

2013年4月にNECが「中期経営計画2015」で「社会価値創造型企業への変革」を発表した際は、当時、僕はNECのグループ会社に在籍していましたが、NECグループが大きく舵を切り直し、それが自分の活動と同じ方向感であることに興奮したことを鮮明に覚えています。1995年入社なので当時在籍18年目でしたが、NECで働くことの喜びというか希望を感じた瞬間でした。

2020年代の価値観の変化

2010年代後半から越境や共創は市民権を得て、多くの企業が新規事業の思考や手法として導入するようになりました。

同時に働き方改革やダイバシティ&インクルージョンの流れを受けて、多くの社員が参画できる環境が整備されるようになりました。2010年代は一部のメンバーによる越境や共創活動だったのが、最近は20代・30代の社員を中心に活発化してきいます。NECであればCONNECTという有志活動、他企業も同様にコミュニティが形成され、さらに企業同士のコミュニティが連携したOne Japanは代表例といえます。

越境や共創の目的も社会環境と共に変わり、今は個人と組織のWell-being(ウェルビーイング)向上による自分らしさの発揮になったと感じます。モチベーション至上主義の時代。

社会インパクトと共に10年ごとに変わる価値観

マイケル・ポーター氏がCSVを提唱する前の2000年代は売上や利益などの経済価値を追求した効率至上主義の時代。2010年代はイノベーション至上主義の時代、2020年代はモチベーション至上主義の時代と言えるのではないでしょうか?

2000年代:効率至上主義 ー 売上や利益などの経済価値を追求
2010年代:イノベーション至上主義 ー 新しい社会価値創造や変革を追求
2020年代:モチベーション至上主義 ー Well-beingや人間らしさを追求

20200723_価値観の変遷

2010年代はリーマンショックや311東日本大震災であらゆる価値観が再定義される中、新しい社会価値を創造しなければらない、企業の体質を変革しなければならないというように「〜しなければならない」(must)という義務感や使命感が強かったように感じます。2010年代の後半からは「自ら楽しみたい」「みんなを笑顔にしたい」というように「〜したい」(will)という気持ちで肩の力を抜いて越境や共創を楽しんでいる気がします。

モチベーション至上主義の流れが、さらにCOVID-19で加速しているとも感じます。緊急事態宣言による在宅勤務やソーシャルディスタンスなどで社会との接点が遮断される中、多くの人がいかにして安全・安心に過ごすか?、人間らしく過ごすか?ということに関心を抱くようになっているのではないでしょうか。

イノベーション至上主義からモチベーション至上主義への変遷を通じて学んだこと

大凡10年周期で起こる社会インパクト。同じに変わる価値観。VUCAの時代と言われる現在。今後も社会インパクトが起こることを前提に未来に向き合いつつ、価値観の変化を受け入れていく必要がある。

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