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ワールドカフェとの出会い。当時、人生二毛作目の4歳。

2008年に黒船と言われたiPhoneが上陸して、当時、ケータイ(ガラケー)の商品企画をしていた僕は徐々に断崖絶壁に追い込まれてきていました。生活者の価値観が変わりつつあり、2010年初春に仮説として辿り着いた「SHARE」(共有・共生・共感・共創)。

しかし、『SHARE』(日本語版:2010年12月18日発売)が発売される前のことであり、インターネットを調べてもほとんど情報がない中、自らが飛び込んで経験するしかなく、最初に飛び込んだ共創の場が「ワールドカフェ」でした。2010年5月の出来事。

当時、僕が勤務していたNECカシオモバイルコミュニケーションズで一番おせっかいだった先輩に「NECのグループ会社に面白い人がいるから紹介したい」と言われ、連れて行かれのがNECマグナスコミュニケーションズ(当時)の田口真司さんが主催するFuture Innovation Cafeでした。


Future Innovation Cafeというワールドカフェの場

Future Innovation Cafeは、ワールドカフェ形式によるワークショップ。その時のテーマは「モバイルワイヤレス通信の今後」。参加者が複数のテーブルに分かれて模造紙を囲みながら対話する。ブレーンストーミング同様に他者の発言を否定しないなどのグランドルールがありながらも、ブレーンストーミングとは違う。ブレーンストーミングはアイデアを出すことに集中するのに対して、ワールドカフェでは自分と相手に向き合うことに集中する。テーマに基いた問いがラウンドごとに提示され、大人たちが問いに集中して対話しながら本質に近づく作業を繰り返す。これまで商品企画という職業柄、ワークショップでは「良いアイデアを出して、ビジネスに結びつける」という鎧を装着していた僕だったのですが、ワールドカフェを通じて鎧を脱ぐことができました。僕だけでなく、他の参加者も鎧を脱いで対話を真剣に楽しんでいました。何かを決める会議などの討論(ディスカッション)とは違い、何かを決める訳ではないにも関わらず本質に近づく対話(ダイアログ)。そして、最終的にはテーマの「モバイルワイヤレス通信の今後」に関する考えを各グループが発表。アイデア(What)ではなく、本質と言える価値(Value)が導出されていて驚きました。

価値観が変わりつつある中、調査(リサーチ)では現在の価値観による結果しか導けないので有効性は劣る。ブレーンストーミングも同様で現在の価値観によるアイデアしか出てこない。参加者同士が対等な立場で自分の思いを伝え、かつ、相手の思いを受け止め合いながら価値創造するワールドカフェという手法に「SHARE」の断片を実感すると共に、ワールドカフェという形式にマーケティングツールとしての可能性も感じ、その後、僕はワールドカフェにどっぷりとハマることになりました。

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(参考)
ワールドカフェ初体験の夜に主催者の田口真司さんに送ったツイート。


ワールドカフェを通じての学び

対話は自分と相手に向き合う作業。すべての価値創造の原点。



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