慧綴_Kate

小説、エッセイ、イラスト、ハンドメイド等々気ままにやっています。 よろしくお願いします…

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小説、エッセイ、イラスト、ハンドメイド等々気ままにやっています。 よろしくお願いします。 メルカリ→https://jp.mercari.com/user/profile/476240649?utm_source=android&utm_medium=share

マガジン

  • 復讐の夢想曲

    一次創作の小説です。 戦争、暴力、宗教などの要素を含みます。少々過激な描写を含みます。 人物団体歴史は全て架空であり、特定の人物団体、国、歴史には一切関係ありません。

最近の記事

道端の金魚

昔からあるお店の軒先には、生き物がいることが多いと思う。カニ、カエル、金魚……四季折々に自然と彩られる彼らの住まいを見るのが好きだった。 特に金魚。大きな蓮の葉や、風で運ばれてきた花びらの向こうから、少し顔を覗かせるのがとても可愛らしい。 春は色とりどりの花びら、夏は深緑の葉、秋は暖色の落ち葉、冬は薄い氷に雪化粧。 春の、新学期が始まる不安とわくわくの中で覗いた水槽は、いつもより素敵に見えた。 そんな思い出を形にした一品です。

    • 夜の海をひとすくい

      季節の変わり目で体調悪いし、人間関係もピリピリして、なんだか上手く行かない。 月明かりのない夜、強風に吹かれながら、冷たい鉄柵に寄りかかってビールをあおる。 ああ、いっそこのまま遠くに飛ばして欲しい。それか、この真っ暗な海のずっと深くに沈んで行きたい。 「凄く悩んでそうだね!」 突然聞こえた子供の声に、ギョッとして横を見る。こんな時間に出歩いてるには不自然な、異様に白っぽい子供が見上げていた。普段なら気味が悪いと思うだろうが、全てがどうでもいい今はこんな子供もどうでもいい。

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        最近のハンドメイド。レジン沼がっ深いっ!!!

        • なぜ創るのか

          小さい頃から空想が好きだった。 最初は、アニメや絵本、ゲームに影響され、既存の物語の中に自分が入り込む空想が多かった。次第に、オリジナルの世界に全く違う人格が生まれ、作者と作品という関係になっていった。 しかし、周りの人はそれを良しとしなかった。特に大人は、空想ばかりにふけりありもしない世界を語る私を気味悪く思い、現実の勉強やピアノなどの「意義があるもの」に目を向けさせようと必死だった。同年代の子どもたちは、私を不思議ちゃんとして扱い、からかったりいじめたり無視したりと……ま

        道端の金魚

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        • 復讐の夢想曲
          1本

        記事

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          マイブームはあみぐるみ(約1ヶ月の記録)

          マイブームはあみぐるみ(約1ヶ月の記録)

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          夢の森のヌシ

          美しい森に立っていた。 素足は柔らかい草と苔に包まれ、頭上からは鮮やかな葉から漏れた光が降り注いでいる。昔、画材店で見た300色セットの色鉛筆のように、緻密な色差で構成された美しい景色だ。きっと、現実には存在しえないだろう。 惚れ惚れと見渡しながら、ゆっくり歩く。 人の顔ほどもある蝶が、名画のような羽を羽ばたかせて飛んでいく。宝石のような青い翼を持った鳥が、長い尾羽根を風になびかせる。 ふと、鈴の音がした気がして足を止めた。 深みのあるピンク色の花が咲いた低木。その向こうから

          夢の森のヌシ

          記憶を取り出したい

          小さい時から自分の見たものを、画像や映像として取り出せたら良いのにと思っている。私は平成中期の生まれで、物心がついた時には既にデジタルカメラがあったし、ガラケーも普及していた。しかし、ほんの一瞬の心が揺れ動いた瞬間をデバイスに収めるのは至難の業だ。スマホが普及し、性能も上がり、瞬時にカメラを起動できるようになってもそれは変わらない。 鳥が羽ばたいた瞬間、木の葉が舞い上がった瞬間、犬がドジをした瞬間、猫の舌が出たままになっている瞬間…そんな一瞬を他の人に見せることが出来ない。美

          記憶を取り出したい

          +14

          ハンドメイドって楽しいなって呟き。3ヶ月ぐらいで載せられるものだけ。メルカリで販売中のもあります。

          ハンドメイドって楽しいなって呟き。3ヶ月ぐらいで載せられるものだけ。メルカリで販売中のもあります。

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          No.001

          冷たい風が吹く夜、少年が業火を見つめ、拳を握りしめた。 「絶対に復讐してやる。」 澄んだ翡翠の瞳は憎しみを宿し、鮮やかな金髪は炎を反射して赤く染まった。 世界の歯車が、大きく動き出す。 教師が黒板に文字を連ねていく。 「20年前、当時の首相であったハイドンが失脚。その理由は何かな?」 子どもたちが競うように手を挙げると、教師はひときわ元気のいい男子を指名した。 「唯一神ウィータ様を貶したからです!」 自信満々の解答に、教師も微笑んで頷く。 「その通りだ。ウィータ神を信仰して

          もし宇宙が食べ物だったら

          もし宇宙が食べ物なら、どんな味がするのだろうか。 え?宇宙を食べるなんてとんだ悪食だって? もちろんただの仮説だ。くだらない妄想だ。しかし、そういう非現実的な妄想を真面目に考えるのも娯楽だと私は思う。持っている知識を総動員して思考するのは案外楽しいのだ。それが間違っているとしても。 さて、宇宙をざっくり分けると、5%が我々が普段認識し関わりを持っている物質(バリオン)、68%が正体不明の物質(ダークエネルギー)、27%が感知することが出来ない物質(ダークマター)と言われてい

          もし宇宙が食べ物だったら

          犬たちと小さな焼き芋

          ※実話を元にしたフィクションです。 ろくでなしの母親を持った。 わがままで、無責任で、それでいて寂しがりで、世界の全てが自身を愛していないと気が済まない人だった。 実父は名前も知らない。同級生らしい。 それでも、それなりに幸せに育った。母が結婚して実家を出るまでは。 最初は、母も努力していたと思う。温かい夕飯とお風呂があって、ちゃんとした布団があった。養父となった男も、そこそこに優しかったと思う。少なからず愛されていた。 しかし、半年もすると綻びが出てきた。 母は、ずっと

          犬たちと小さな焼き芋

          うちの猫と夜

          うちの猫は寝相が悪い。大型猫の部類に入るほど大きい図体を、水平方向に360度回転させながら寝る。当たり前のように蹴られて、私は端に寄る。しかし、体の一部をくっつけていたい甘えん坊は、寄った分だけ詰めてくる。結局、ベッドの半分に鮨詰めで寝るのだ。 うちの猫は枕が好き。長い脚を器用に収納して、私の枕を占領する。寝ていてもお構いなしだ。しかし、極上の毛ともちもちのお腹に頭が包まれる感覚は、そんなに悪くない。むしろ、商売にできるのではないかと思うほど天国である。最高だ。 うちの猫

          うちの猫と夜

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          人はこれを闇鍋と言う。

          人はこれを闇鍋と言う。

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          スノードロップの涙

          愛する夫が他の女に目移りした。 あんな、穢らわしい女のどこが良いと言うの?どうして、私よりあの女の事を優先するの?愛してるって言ってくれたじゃない。私のことが世界で一番好きって言ってくれたじゃない。あれは嘘だったの?悔しい。憎い。悍ましい。どうしたら彼の気持ちを取り戻せるの… 夫は今日も女の所に行ったようだ。 「なんで真っ直ぐ帰ってきてくれないの!私じゃダメなの!?」 「そんなんじゃないよ。あの子には俺が必要なんだ。」 淡々と言う夫にカッとなる。 「嘘つき!嘘つき嘘つき嘘つ

          スノードロップの涙

          俺の幸せってやつ

          俺は、一目惚れをした。 海と山に挟まれた、小さな村の小さな商店。店先で穏やかな笑みを浮かべる女性を見た瞬間、ピンときたのだ。 この人と暮らしたい。 何気ない顔をして、彼女の店に入る。 「あら、見ない顔ですね。」 少し驚いた顔をしてから、にっこり微笑んで話しかけてきた。優しさの中にも芯がある声に、俺はますます虜になった。 しかし、ろくに女性と関わってこなかったせいか、取っ掛かりが掴めない。 しばらく居座っていたが、なんだか気恥ずかしくなって逃げるように立ち去ってしまった。

          俺の幸せってやつ