インプットログvol.5【天地創造デザイン部】
こんばんは、語部の郁です。
インプットログVol.2
今回は『天地創造デザイン部』アニメ版。
今回もログ程度にはなりますが
面白かったと思ったものの感想を
残しておきたいなって思います。
※批評ではなく、あくまで好み・感想です。
誰かを批判するためではありませんので
不用意な意見の切り取りなどはご遠慮ください。
【あらすじ】
『神様は日夜天地創造の作業に
勤しんでいたが、
ある日生物のデザインを
下請けに外注するように。
神様から生き物の創造を任された
下請け会社:天地創造社。
各種デザイナーによって制作された
おなじみの生き物たちの誕生秘話とは?
生き物の誕生には、デザイナーとエンジニア
そして神様の依頼と納期の
バランスを何とかしながら苦悩する日々…。
さぁ、本日も神様の天啓は降りるのか。』
こんな感じでしょうか。
単行本も購入していたので
すんなり楽しく見ていました。
【きっかけ】
作品自体に触れるきっかけは、
書店をふらついていた時に
タイトルが目に入って
ジャケ買いしたことがきっかけです。
漫画は基本単行本派で
数巻まとめて買うこともしばしば。
当時は2.3巻まで出ていた記憶。
そのまま全部買って読みました。
その後単行本は読んでいたものの
アニメ化していたことを知らず、
先日amazon primeのダウンロード
可能リストで発見。
アニメ化してたのも嬉しかったですが、
コメディの中に学べる内容がある
素晴らしい作品なので楽しみでした。
【舞台設定】
舞台は天界。
そこは神様とその眷属たちが住む世界。
おそらく今回の主人公たちである
デザイン部の皆さんも
会社が存在している世界と思われます。
そのため、神様からの依頼を
伝えてくれる連絡役は
天使も下田くんと上田さんが
やり取りしてくれています。
物語が進むと横田くんが
地獄のテーマパークに転職。
天使が転職できるという
職業選択の自由が与えられていました。
とても現代的。
いいな~って思っちゃいました(笑)
地獄が天界から派生した
テーマパーク設定なのも
ハートフルで見やすいです。
これから地獄の発展に挑む、
という設定なのもあり
発展途上な7日間のイメージなのかな
と楽しんでおりました。
創世記のイメージで作られているのが
よくわかり、キリスト教になじみがあると
少し面白い話の展開です。
ガラパゴスが実験場になっている
という設定が、非常に愉快です。
現実世界のガラパゴスは、
独自の進化を遂げた生物たちが
多種多様に残っています。
そこを天界から見たときに
”実験場”としているのが
”天界目線”で描かれていて好きです。
全てが天界基準で
神様が創造中の世界を
デザイン部によって
作られていきます。
【神様との関係】
クライアントっていうルビが
そもそも好きです。
全てを読み取れる文字の雰囲気に
哀愁すら感じます。
クライアントとの関係は
企業と個人で大きく異なることでしょう。
私が個人の方のご依頼の方が多いものの
事務所所属の方も対応します。
私の場合、事務所の方だから
個人の方だからという差は
今のところありません。
有難いことにレコーディング案件では
作曲者(依頼主)からリファレンスや
参考音源、またデモの通りに
生演奏してほしいなど様々あります。
しかし、作風やテイストのやり取り、
細かいニュアンスの授受は
何回やっても勉強ばかりです。
私が精進せねば…。
ましてやデザイナーさんとなると
独自性と要望、革新性の
全てを包含するデザインを
生み出したいのではと推察します。
特にデザインとなると
どんな情報よりも印象が決まります。
印象、雰囲気、視認性、面白さなどなど。
アルバムデザインをお願いした際に
最高のデザインが上がってきたと同時に
デザインって仕事は素晴らしく
難しい仕事だと感じました。
実際作中で何度も
・天啓が下りない、
・リテイク
・当初の依頼から紆余曲折する
等、悩んでいるシーンがありました。
どの職業でもそうかと思いますが
依頼主とのやり取りを
スムーズにやることも
とても大事なこと。
仕事をするからには
自分の中でもいい仕事にしたい。
そんな気持ちもアニメから
ひしひしと感じます。
【骨粗しょう症リスク】
この作品を見たときに
もっと生物を真面目に
勉強しておけばよかったと
心底思いました。
それは骨粗しょう症リスクが
高まる描写についてです。
個人的に好きなのは
何度も描かれる馬の新作描写です。
デザイナー土屋さん渾身の代表作で
新作を何度も生み出そうとします。
ペガサスのラフをたくさん作る際
実験途中に倒れてしまいます。
原因のほとんどが
骨粗しょう症か熱中症です。
Ca・タンパク質を含めた栄養を常に取ること、
加えて体温調節は恒温動物の場合
生活環境も含めていつも考慮に
入ってしかるべき。
反対に変温動物の場合、
食糧不足に強いものの
環境変化には弱いことを
考慮する必要があるようです。
当たり前の話ではありますが
進化の過程で条件をクリアした
生物たちだけが今まで
生き残ってきたわけです。
これに関してはヒト種も同じです。
ヒトも現在は1種のみですが、
進化の過程で別種が滅びてしまった
過程はあまりにも有名ですね。
ネアンデルタール人は
ヨーロッパ周辺の洞窟で生活の痕跡が
残っており、そののち淘汰されて
しまった名残もあります。
もちろん絶滅理由には
骨粗しょう症や熱中症とは
限りませんが、ある意味
リアルな描写だと思いました。
生物の基礎知識を教えつつ
自らに置き換える余地を
与えてもらったので
とても楽しかったです。
【ヒトは欠陥だらけ】
生物学上、ヒトの体構造は
欠陥だらけという話は
よく聞く話です。
サルから進化の折に二足歩行とし
腰に圧倒的な負担がかかるため
腰痛から逃れられない構造
椎間板ヘルニア起こしやすいそうです。
気道と食道の弁構造は
四足時、咽頭よりも食道の方が
低い位置にあったため
呼吸を妨げることがなかったようです。
しかし二足歩行で起き上がったため
気道と食道の弁が同じとなり、
食べ物を飲み込むとき息が吸えず
窒息死を起こしやすい構造だそうです。
その割に
■足首の骨は余剰があり
■膝の人体は強度が足りず
■自分で作ったビタミンB12は
吸収できない
こんなことになっているらしいです。
進化の過程として
上手く生き延びて子孫を残せた
遺伝子が進化の礎となるため
合理的にいくとは限らない。
それがあまりにも面白いです。
【狂気と通常運転】
個人的に愉快なキャラがいました。
デザイナーの木村さんです。
ストーリー後半で彼は
生み出した生物をよく食べます。
仲間たちからは引かれていますが
捕食率を確認するうえで
食べることもあるとの
会話がありましたね。
ごはんとして命をいただく際に
ドライに聞こえるかもしれませんが
味に有利性あるのも
重要な指標です。
味覚に関して言えば、
美味しい=毒でない
というメッセージです。
むしろ美味しいということは
防御力を上げない限り
狙われるということですね。
作中では美味しいのはよいが
繁殖とのバランスが悪ければ
絶滅してしまうため
チェックをしていました。
作中は名の通り神視点での制作なので
人間と同様には言えませんが
生息地域が同じ生物たちのバランスを
よく考慮したうえでの配置とも言えます。
生物側からいえば、
繁殖と捕食のバランスをとらないと
子孫は残せないのが目に見えている
ということでもあります。
なんとも恐ろしい現実です。
人間がもし知能を獲得せず
今の文明を起こせていない場合
この争いに巻き込まれていた
ということですね。
その場合、
人間は機能欠陥にも程があるので
とっくに絶滅していたでしょう。
今後の進化や文明の衰退があれば
どんな可能性も残されていると
言えてしまいますが…。
そう思うと進化の過程は
謎だらけです。
【最後に】
生物をまともにわからない私でも
すんなり楽しく学べる原作と
記憶していただけに
とても楽しく拝見しました。
個人的に天国と地獄が
出てくるもののシリアスな
敵対構造にならず進んだことが
気軽に進められた原因かも。
今回は土屋さん役を井上和彦さんが
つとめてらっしゃって
愛らしくも頼もしいキャラと
お声がぴったりでした。
私が最近見た中では久しぶりの
キャラソンEDでした。
デザイン部らしさが楽曲に昇華されていて
聞き心地が良かったです。
今回もいいアニメ化でした。
ありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?