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学べることは当たり前じゃない?!外国ルーツを持つ彼の歩み

子どもの居場所づくりや学び支援をおこなう認定NPO法人カタリバは、"居場所"で出会った子どもたちのエピソードや、スタッフの思いを描いた物語を「ぼくらが出会ったあの子の話」としてフィクションマンガでまとめています。居場所づくりや子ども支援に関心をお持ちの方に、こんな団体があるんだなと知っていただく機会になればうれしいです。

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学べることは当たり前じゃない?!外国ルーツを持つ彼の歩み

"学びにつながるまでに、やることや考えることがたくさんあるんですね"

ハオの出来事を通して、日本で外国ルーツを持つ子どもたちが学びの機会を得るためには、さまざまな壁があることを強く実感した、メンターのふっくんと坂先生。

少しだけストーリーの背景をご説明すると、外国にルーツをもつ子ども・若者の多くは親の選択で来日し、異国での生活を送っています。ハオのような就労ビザを持つ親に呼ばれて来日した子どもたちが持つ「家族滞在」という在留資格では、日本の大学や専門学校に進学するために奨学金を利用したくても申請資格が与えられていないケースが多く、自ら進学資金を準備しているという実情があります。

また「家族滞在」の在留資格を持つ高校生がアルバイトをするためには、「資格外活動許可」という、働くための申請手続きを入国管理局で行う必要があり、平日に複数回入国管理局に出向くなど、いくつかのステップを踏んで初めてアルバイトを始めることができます。

こうした手続きの背景は世間的にはまだ広く認知されておらず、学校を休んで手続きすることを「さぼり」として判断されてしまうことも少なくありません(事前に学校に届出を出せば欠席扱いにならないのですが、外国ルーツを持つ生徒がそうした情報を自分ひとりで獲得することは、難しいケースも多いです)。

現在日本で働く外国人労働者の方は37人に1人、その数は今後も年々増加していくことが予想されています(*1、2)。外国人労働者の確保に力を注ぐ一方で生活面へのサポートは追い付いておらず、子どもや若者の教育にも影響を及ぼしています。

「来日した子どもたちのケアについて、社会全体で考えていきたい」と語った、ふっくん。活動はどんな展開を見せていくのでしょうか?
引き続き、外国ルーツを持つ子どもたちの様子を見守っていただけたらうれしいです。

▼次話「国籍や生い立ちが、未来を閉ざすことがないために。“出会い”が生む、可能性」

▼「ぼくらが出会ったあの子の話」全話を読みたい方はこちら

▼外国ルーツを持つ高校生がアルバイトを始めるまでをまとめた体験記

(*1)厚生労働省「外国人雇用状況」より(令和4年10月末)
(*2)総務省「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約」より

マンガ制作:はしもとあや
監修:認定NPO法人カタリバ

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