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#日本刀

即売会前の心構えなど

即売会前の心構えなど

心構え、なんて大層なこと言える立場でもないのですが自戒を込めて…。

今年もこの季節になりました。
いよいよ明日から霜剣堂さんの即売会。
毎回様々な名刀が並ぶのでとても楽しみです。
今回は左文字の短刀が表紙のようです。姿からして品格がありますし、在銘かつ帽子あたりも左文字の特徴がよく出ているように見える典型作でこれまた凄そうな短刀です。

ところで皆さんは今欲しい刀はありますか?
私は今はどうして

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「刀剣美術」の誌上鑑定がQRで楽に?!

「刀剣美術」の誌上鑑定がQRで楽に?!

「刀剣美術」という日刀保(日本美術刀剣保存協会)の会員になった人だけが貰える冊子があり、そこには毎月1題「この作者はだれでしょう」という形で問題が出されています。
実物の刀を見ずに誌面でやる刀の鑑定なので誌上鑑定。
今まで応募がハガキという事もあり面倒でやっていなかったのですが、なんと令和6年4月号の刀剣美術より、QRを読み込んで回答が出来るようになったようです!!

QRを読み込むと、会員番号や

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名刀は海外へ。大名刀はまだ国内に。

名刀は海外へ。大名刀はまだ国内に。

円安の影響もあり刀が海外で高く売れているようですね。
とはいっても全ての刀が海外で高く売れているわけではなさそうで、完全に2極化しているようです。
例えば清麿や虎徹、村正、正宗という有名工は高いそうです。
五ヶ伝で言えば相州伝は人気だとか。
金筋や砂流し、地景など目に見えて派手さがあり分かりやすいからかもしれません。
一方で日本人が好き?な粟田口などはそこまでの人気ではないと聞きます。
地鉄の奥ゆ

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展示会での個人蔵の出品について

展示会での個人蔵の出品について

次回の刀剣博物館の展示「五ヶ伝と五カ国の日本刀」の展示目録が発表されました。

宇和島伊達侯爵家伝来の在銘国永や、名物鍋島藤四郎(吉光)、在銘の正恒や年紀入りの新藤五国光、名物大島行光、芦屋正宗や蜂須賀正宗、太鼓鐘貞宗、重美の廣光などなど個人蔵の名品も多く並ぶようです。

以前開催された「珠玉の名品展」も個人蔵中心の名品(特重)が並び素晴らしかったですが、前回の「正宗十哲」展もあれだけの名品がよく

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断捨離と預金減

断捨離と預金減

今日は刀装具を2つ下取りに出せました。
2つ出して1つ手に入れたので所持数マイナス1。
預金もマイナス。
引き出しの中に桐箱1つ分の空間が生まれました。
手持ちの刀装具が1つ減る、量が減る事になぜか嬉しさがこみ上げてきます。
これは断捨離出来た事への達成感に近いかもしれません。

買う時は「これしかない!欲しい!」と即買いしてしまったものも暫く鑑賞している内にあまり感動が得られなくなり、次第に鑑賞

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刃区数センチ上にありがちな凹み

刃区数センチ上にありがちな凹み

刃区から数センチ上が部分的に凹んだように見える刀を時々見る気がします。
以前購入した歴戦の刀と呼んでいるこの刀もこれに該当。
大げさに書くと、以下の赤線の様に刃区の少し上だけが一段下がっているように見えるのです。

研ぎ減りが進んだ刀であれば下の図の②の様に(絵は大げさですが)一度凹んだ部分はそのままの幅で伸びていくような姿が何となく素人考えでは自然に思えるのですが、結構①のように部分的に凹んだ刀

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漫画「燃えよ剣」で歳三がノサダの刀を手に入れるシーンがはめ込まれているようにしか見えない件

漫画「燃えよ剣」で歳三がノサダの刀を手に入れるシーンがはめ込まれているようにしか見えない件

2021年に公開された映画「燃えよ剣」
なんとその漫画も出ていたようで。
個人的に好きな映画の一つなのでその漫画版という事でこれは全巻読もうと決めました。

その一部が今日公式アカウントからXで投稿されており、内容はなんと土方歳三が二代兼定(ノサダ)を手に入れるシーンでした。
(尚、現実では歳三の刀はノサダではなく十一代兼定の為、司馬遼太郎原作の「燃えよ剣」はフィクションと思われます)

このシー

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糸巻太刀拵のささやかな発見

糸巻太刀拵のささやかな発見

現在目貫は単体で楽しむアイテムとしても地位を確立していますが、本来は柄に付いて実用を兼ねていました。

しかし拵などが展示されていても鐔や下緒、縁頭などの金具には目がいっても目貫は柄糸の下に埋め込まれているからか個人的にあまり記憶にない事が多い…。
という事で過去の展示会写真から拵の柄部分を眺めていたのですが、糸巻太刀拵には必ず家紋の目貫が付いている事に気が付きました。
龍や獅子、植物などの目貫は

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「日本刀を後世に残す事が大事」は一見ごもっともだが、難しい

「日本刀を後世に残す事が大事」は一見ごもっともだが、難しい

「日本刀を後世に残す事が大事」

ごもっともな意見で実際「綺麗な言葉」でもあるので唱えれば多くの人から同意を得られる事でしょう。故にこれを唱える人も多いです。私含め。
しかし同じことを唱えている人でも背景を見てみると、視野が小さいか大きいかという違いがある事にも気がつきます。

それぞれどういうことかというと、まず視野が小さい方は、ひとまず自分の手元で管理している刀を後世に引き継ぐのが大事と考えて

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刀ブログやっていて良かった事 3選

刀ブログやっていて良かった事 3選

このブログもあと7日位で1400日連続更新になります。
1400日と書くと自分でも良く分からないのですが、3年9ヵ月位です。
よくまぁ自分でもここまで毎日更新出来たなと感慨深くなります^^;

この趣味の刀ブログでは、主に刀や刀装具にまつわる購入や鑑賞、展示会のレポ、自身の蒐集物の観察など自身の体験をベースにした内容の他、製作している刀展示ケースの事などついて日々気ままに書いています。
当ブログを

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刀装具の入札鑑定や紙上鑑定があってもよさそうな

刀装具の入札鑑定や紙上鑑定があってもよさそうな

ふと思ったのですが刀の入札鑑定は全国各地で開催されていますが、「刀装具の入札鑑定」、もしくは「紙上鑑定」ってないですよね。

鐔だと見える部分に銘があったり、目貫で裏に短冊銘が入っていたりするので入札鑑定となると使える刀装具がある程度選ばれてしまうというデメリットもありそうですが。
紙上鑑定であれば銘を隠せるので出来ない事もなさそうです。
ただ細部までは見れないので特徴やヒントなどを文章ベースで書

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入札鑑定で本と睨めっこについて

入札鑑定で本と睨めっこについて

昔まだ支部に沢山人がいたころ、私自身も入札鑑定というものを始めたばかりの頃の話。
当時の支部では入札鑑定において持参した刀剣本を見ながら解答を書く人が多く少しの違和感を覚えたのを記憶している。
前半こそ刀の鑑賞で人が並ぶが、30分もすれば刀の前から殆ど誰もいなくなり、鑑賞している人は私含め2~3名程。
他の方は並んだ刀をあまり見ずに黙々と本と睨めっこをしている。

当時なぜ刀が目の前にあるのに大部

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身銭を切るという事について

身銭を切るという事について

以下の写真で刃文はどれでしょうか?

と聞かれたら、正確には分からない、という答えになるかと思います。
白く刃文のように見えている部分は研師の方による刃取りであり、実際の刃文は光に当てたときに浮き出るからです。

これは鑑賞の初歩的な知識としてご存じの方が大半かと思います。

しかし厄介なのが「繕い刃」と呼ばれるものでして…。
分かりやすく言えば刃文が意図的に描かれており、光にかざした時にも本当の

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刀を買った後にする「マイ習慣」

刀を買った後にする「マイ習慣」

皆さんは刀を買って家に持ち帰ってきた後「○○をする」という習慣は何かありますか?
例えば刀を買った後は必ず神社でお祓いを受ける、という人がいました。

私はそこまではしませんが、刀を買った後は線香を1本炊き、一度打ち粉で刀身についた油をとり鑑賞した後、再度油を塗りまた取り除きます。
その後ケースに飾っています。

古い刀は人を斬っているかもしれませんし、短刀であれば切腹などにも使われているかもしれ

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