IDGs Summit 2022参加レポート(6/7)(Acting編)
5つのフレームの5つ目Acting。
過去記事ご参考
記事まとめ
Actingの定義
Acting 行動すること-変化を推し進めること
行動に必要な資質「勇気」「創造力」「楽観」「粘り強さ」
Actingの項目の中には、ビル・トルバートさんの行動探求(Action Inquiry)のエッセンスも入れていただきたいところ。
成人発達理論をベースに7つの発達段階がある事を提示。別の動作としがちな行動と探求(内省)を同時に進めるのが、行動探求。
行動しながら内省を深め、内省で得たものを行動に即座に反映できるようになることを目指したもので、IDGsに御誂え向きな気がします。
行動探求のエッセンスが記載のある記事があったのでご参考まで。
サミットレポートActing
15.40 – 16.35 Theme: ACTING
Aftab Omer, Ph.D., Brandeis University
Panel:
Pernilla Wikman, VP Head of Global Business Telia Company
Christina Niemelä Ström, Head of Sustainability, IKEA Supply
Camilla Wallander, Moderator and CEO, Berghs School of Communication
Michiel Bakker, Vice President, Global Workplace Programs, Google
Otto Scharmer, Senior Lecturer, MIT Sloan School of Management
IDG Field-kit preview:
Jakob Trollbäck, Founder, The New Division and Trollbäck + Company
Kristian Stålne, Research Lead, Inner Development Goals
Caroline Stiernstedt Sahlborn, Moderator and Partner, The Inner Foundation
こちらのセッションも詩の紹介からスタート。
IDGsを推進する企業のパネル
TeliaのPernilla Wikmanさん
IKEAのChristina Niemelä Ström さん
Teliaは、スウェーデンの携帯や固定電話を扱う電気通信事業者。
Teliaの事例。まず始めた。自分たちのパーパスにもマッチしていた。
IKEAでは、協業パートナーと昨年からIDGsの取り組みを始めた。
好奇心を持っている人が使い始めて組織側でキャッチアップしていく。
どちらの企業も好奇心を大事にしているようでした。
ここで、思うのは企業風土の違いです。社員が好奇心を持つことを推奨し、課題だと思ったり、ぜひ取り入れるべきと思ったことを試すことができる企業風土、それを支える組織があるということ。
最後のセッションで心理的安全性のエイミー・エドモンドソンさんが登壇しましたが、まさに心理的安全性が高い風土の企業をスウェーデンの文化の中で醸成してきたのだと感じました。
大事だと思うことはの問いに、「好奇心」「それを支える企業文化」「自身も含めた複雑性の理解」
足りないものはの問いには、第一にリフレクションとそのための時間、そしてコミュニケーションとのこと。
行動重視。組織を巻き込んで個人的に行っていくことが大事。Just do it.
個人的に個々の育成を進めて、会社の変革につなげてきた。組織的なシステムもそれを支えていくとのこと。
会社のビジョンとIDGsが不可分な関係になりつつあるように感じました。
エゴからエコシステムへOtto Scharmer博士
U理論の著者であり、Presencing Instituteの共同創設者のオットー・シャーマー博士。
U理論ではPresenceとSensingを組み合わせた造語Presencingは、特別な言葉として使われているように感じます。「前に」+「センシング」することでで現れようとしている未来から導いて行動することを説きます。
U理論のUのプロセス。ダウンローディング→観る Seeing→感じ取る Sensing→プレゼンシング→結晶化する Crystallizing→具現化 Prototyping→実体化 Co-creation 。
このUのプロセスで、Thinkingの思考法を用いることで問題を俯瞰し、Beingで自身の内面と繋がって、Relatingで外界とのあり方を認識し、Collaboratingで協働的な現れようとしている未来を探索のプレゼンシングを行い、結晶化する。
Actingで具現化し、実体化していく。
私的な理解はそのようなイメージです。
さて、講演の内容です。
過去5年で世の中の分断が進んでいることに触れ、システムとしてなぜ望んでない結果が生み出されているのか問いかけなければいけない集合的課題に直面していることから話が切り出されました。
思考様式を変革しなければ、システムを変革することはできない。
システムを感覚として、感じ取るということが肝心。将来を感じ取り、感じ取った将来に向かって進める。
介入の成功は、介入者の心のあり様に左右される。
自分自身もシステムの一部であることを感じ取り、自分自身に対してワークすることが唯一できること。介入者である自身の内面を見ること。他者の目を借りて自分を見ることもできる。
実際は、逆のことが起きている。不在化が進み、自己破滅のエゴなシステムに向かっている。
心をオープンにして、他者と協働で他者を通して自分を見ることを、グループとして実践する。その最も大切な点は、つながり、関係の変容。
一緒に行動していくことが最も大事との言葉。
参考図書:U理論[第二版] C・オットー・シャーマー
また、午前中のPresencing Instituteのセッションをチラ見しましたが、オットー・シャーマーさんのファシリテートで3人の方の事例紹介を行っていました。事例紹介ごとに内省の時間を設けて、心に浮かんだ言葉をチャットに投稿してもらって、拾い読みするというのをやっていましたが、進め方の参考になりそうでした。
IDG Field-kit preview
IDGsのフレームの紹介。デザイナーにより出来上がったIDGsの5つのフレーム、23のスキルのリーフレットと作成中のフィールドキットの紹介。
5つのフレームを形状でデザインしてありました。各フレームの色や形状を思いを込めてしっかりデザインしているのには感心させられました。
心理的に豊かなに成長する方法を個人、組織、専門家を対象に調査し、フィールドキットにまとめようとしているとのことでした。
9月までにフィールドキットとして提供したいとの話が出ていたので、そのタイミングでの公開かもしれません。
このパートの最後のワーク
配られたポストイットに来週の金曜日17時までに実施することとメールアドレスを各自で記載し、空中に投げるというもの。拾った人は、次の金曜日に記載主のメールアドレスに確認メールを送付するというもの。
最後まで参加者とのインタラクティブなやりとりが続きました。
以上 Actingパートのレポートでした。オットー・シャーマー博士のUのプロセスは、IDGs実践時のプロセス手順書といった趣でした。
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