見出し画像

保育シリーズ|子ども達、だいすき。先生、だいすきの先にあるものは。

私は過去に、保育士は全員が子どもを好きというわけではないことを知って、ショックを受けたことがあります。

よく考えれば保育士も人間です。
全員が子どもを好きであるはずが無いことは分かると思うが、多少なりとも子どもが好きであると思い込んでいました。
そして、全く好きではない人がいることにショックを受けたのである。


私が保育士を目指すきっかけは、親友に「保育園は天国だぞ」と教えられたことから始まりました。

親友は私よりひと足先に保育の学校に通っていて、保育園での実習を経験した後であった。

実習園での楽しい子ども達とのふれ合いや保育士の子どもへの優しい関わる姿を存分に語ってくれました。

大人になってからはあまり子どもとの関わりがなかった私は夢のような仕事だと思いました。

元々子どもは好きでしたから、保育士として働きたいと憧れるようになりました。

そして、憧れるだけでなく、夢で終わらせたくなかったため、保育士を目指すことにしました。

保育の学校に通い、念願の保育士資格を取得し、いざ保育園で働こうと思っても、当時は男性保育士はほとんどいなくて、受け入れてくださる保育園はあまりなかったことを記憶しています。

しかし、縁あって保育園で働けるようになり、大変恵まれていたと思います。

担任を持ち、子ども達と関わる中で、次第に信頼関係が出来ていきました。

子どもが「先生、大好き!」と言ってくれるようになり、私も子ども達が大好きになっていきました。

手紙もたくさんくれました。

まだ文字を習っていない子が親御さんに教えてもらい、一生懸命に「せんせい、だいすき❤️」と書いてくれた手紙は一生の宝物です。

心のこもった手紙はどんなプレゼントよりも嬉しかったです。

私も気持ちに応えるように「せんせいもだいすきだよ。」と返事を書きました。

手紙を渡す時は「手紙ありがとうね。すごい嬉しかったよ。大好きだよ。」と言葉を掛けると子ども達はとても喜んでいました。

そして、また手紙をくれるのです。

そのルーティーンがしばらく続き、子どもが満足すると落ち着く感じでした。

極めつけは、私が病気で保育園を休んで、治ってから出勤した時のことです。

私の顔を見るや否やクラスの子ども達が集まってきて、迎えてくれるのです。

「せんせい、だいじょうぶ?」
「びょうき、なおったの?」
「しんぱいしたんだよ。」
「せんせいがくるのをずっとまっていたんだよ。」
「せんせい、だいすき!」

どの言葉も私を思ってのことでした。

こんな光景ありますか?

私はその時に「ああ、この子達を大切にしたい。自分の命をかけてでも守っていこう。」と決意した程でした。

だいすきのその先にあるものは、


思いやりです。

月並みかもしれませんが、本当にそうなのです。

好きな人のために何かしたい、力になりたいと思うのは、子ども達も保育士も同じです。

保育はそれが如実に実感できる仕事なのです。

こんなに素敵な良い仕事は他にないですよ。

保育から離れた今でも本気でそう思っています。

改めて子ども達に言いたい。

「出会ってくれて、ありがとう。君たちが居てくれるだけで、私は嬉しいよ。今でも大好きだよ。」

「子ども達、どうしているかな?会いたいな。」


最後まで読んでくださり、ありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?