【小説】 鳥 第1話

第1話

鳥は、優雅に、軽やかに空を飛ぶ。

あんな風に私も飛べたなら。

今日も、鳥を羨んで空を見上げる。



彼と二人暮らしを始めて、朝起きて、隣に好きな人がいる幸せを噛みしめていた。

何気ない時間が幸せだ。
休日は映画を見たり、お散歩をしたりして一緒に過ごした。

私はサスペンスやホラー映画はあまり今まで観なかったけれど、二人暮らしを始めて、彼と一緒に観る様になった。

怖いものは苦手だったけれど、頭から布団をかぶって、少しだけ顔を出して観ていればある程度大丈夫だった。

そんな私の姿を見て、彼は「新しい生き物みたいだね」と笑っていた。

彼の好みにも合わせたから、たまにはラブロマンスも一緒に観た。
彼は「遠慮しておくよ」と言って最初は避けようとしていたけれど、見始めると最後に泣いているのは、いつも彼だった。
彼は優しい。すぐに感情移入してしまうのだろう。
彼は気付いていなかったかも知れないけれど私は、彼が涙している事を知っていた。誤魔化すように涙をこっそりと拭う姿が、彼の大人な雰囲気とギャップがあって可愛かった。

涙を流す彼の綺麗な横顔を、こっそり盗み見るのが好きだった。

お散歩は、二人の趣味だ。彼は、最近カメラも楽しいと言って持ち歩いていた。彼の部屋は物も少なくて、好きなものが分からなかったから、彼の楽しい物が増えて私も嬉しかった。

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