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○○を大切にすれば、ひらめきが生まれる⁉

 中学生の頃、同級生が数学の応用問題を
いとも簡単にひらめいて解いている様子を見て、思わず

「なぜ、そんな発想ができるの?」

と質問したことがあります。
同級生は困ったように

「なんとくなく」

と回答し、自分でもひらめく原因を言語化できないようでした。
そのとき(あ~やっぱり、ひらめくには才能が必要なんだ)と
諦念したことを覚えています。

私のような思いを抱いてしまう人たちは世の中にたくさんいると
思いますが、実をいうと、その【ひらめき】
あることを大切にすれば、生まれてくることがわかっています。

【ひらめき】を生むためには…


【ひらめき】を生むためには、

「睡眠」を大切にし、「睡眠」を十分にとることです。

誰もが必ず行う睡眠によって、発想力や【ひらめき】が鍛えられ、
向上できる可能性があるということです。
しかも、

「えっ!? 寝るだけで、ひらめきが生まれるの? ラッキー!」

と感じるように、睡眠時の無意識状態で本人の負担がなく
【ひらめき】が鍛えられるのであれば、こんなお得な方法はありません。

しかし、同時に

「毎日寝ていますけど、ひらめきが生まれる感覚なんてないんですが…」

という疑問も同時に抱いてしまうと思います。
そこでまず、睡眠時の脳の働きを簡単に説明します。

浅い眠り と 深い眠り

よく知られていると思いますが、睡眠には大きく分けて、

浅い眠り(レム睡眠)

    と

深い眠り(ノンレム睡眠)

の2種類があり、私たちが寝ている間、それを交互に繰り返しています。

その働きもそれぞれ別で、次のような活動を行っています。

〔浅い眠りのとき(レム睡眠)〕
脳の海馬という部位が活発に働き、
インプットされている脳内の情報を次のように精査しています。

・学習した知識を整理する、パターン化する
・知識の理解を深める
・丸暗記した知識を活用できる知識へと変換する
知識同士を関連する

また、このレム睡眠時によく夢を見ており、
これは記憶を再生しているといわれています。
繰り返し記憶を再生することによって無意識に復習が行われ、
上記の精査を何度も繰り返すことになります。
この働きによって
思考が深まり、【ひらめき】が生まれやすい状態になるということです。

さらに、この浅い眠りのとき、以前にnoteで紹介したシータ波という脳波が生じ、記憶を促進することもわかっています。

次に深い眠り(ノンレム睡眠)の働きについてですが、
実をいうと深い眠りの中にも大きく分けて2つ段階、
浅めの深い眠り①深めの深い眠り②があります。
(ややこしい日本語ですみません…)

〔浅めの深い眠り①のとき〕
運動、体の動きに関する学習をします。
この段階の睡眠をとることでスポーツなどの上達が見込めます。

〔深めの深い眠り②のとき〕
デルタ波という脳波が生じ、覚えたことを長期記憶に保存します。
睡眠時の初期段階でこの一番深い眠りに向かいます。
長期記憶に保存するには、ここでまでの眠りの深度が必要になります。

簡単に言うと、
浅い眠りで【ひらめき】が生まれ、
深い眠りで記憶が促進しているという感じです。

 学習したことが一定時間インターバルをとることにより、理解が深まり
そのパフォーマンスが向上することを
『レミニセンス現象』
というんですが、そのレミニセンス現象を最も期待できるのが睡眠です。
眠るだけで自動的に脳が勉強して【ひらめき】を生んでくれるのだから、
かなり便利な機能だと言えます。

落とし穴に注意!

 ただし、一切勉強が必要ないということを言っているのではありません

全く勉強しない状態で寝たとしても、脳には学習内容の情報が「0」なので
ひらめきが生まれる可能性は皆無です。

起きている間の努力が寝ている間も無意識に引き継がれることによって
【ひらめき】が生まれると認識することが大切です。

 逆に、どんなに考えてもひらめかない場合でも、
睡眠をしっかりとっている限り、
私たちの脳が自動的に演算し続けているので、
努力は決して無駄になることはありません。

努力に対して脳は健気に全力で応えようとしてくれます。
私たちの努力を脳は裏切らないということです。

 また、ひらめきを生むためには浅い眠りが重要なので、
深い眠りは必要ないのではないかと考えがちですが、
長期記憶に保存されている知識量が多ければ多いほど
【ひらめき】のヒントやきっかけも多くなるので、
深い眠りの働きが、浅い眠り時の知識の整理を促進し、
より【ひらめき】が生まれやすい状態にしていると考えましょう。

 ましてや、
睡眠をとらない徹夜をしてテストに臨むという行為はおすすめできません。

確かに徹夜で勉強すれば、テストで一定の結果を出すかもしれませんが、
一時の効果しかありません。
一気に覚えると脳内の情報量が多くなりすぎて
整理がうまくいかず、記憶同士が打ち消し合い、
一気に忘れてしまうという現象が起こってしまいます。

 私は高校時代、よくラジオのオールナイトニッポンを聞きながら、
徹夜で勉強してテストを受けていました。
ある程度結果が出ていたので満足していましたが、
大学受験に向けて本格的に勉強しようと思ったとき、
テストのときの学習内容を一切覚えておらず、
結局、一から勉強をやりなおさなければなりませんでした。

【ひらめき】を生むための睡眠活用法

 では、【ひらめき】を生むための睡眠活用法を具体的に考えてみます。
まず基本は

寝る前の1、2時間しっかり勉強して、
勉強したら他に何も脳に情報を入れず、すぐに眠ることです。

せっかく勉強したのに、寝る前に漫画などを読んでしまうと
漫画の情報も含めて脳が整理することになるので、
勉強の効果を100%睡眠に引き継がせるには、

勉強したらすぐに寝る

が一番効果的です。

 また、もし疲れてしまってどうしても勉強ができない場合は、
布団に入って目をつむりながら

今日習った授業の内容を思い出す
解けなかった問題を考える

だけでも少しは効果を期待できるので、

寝る前の勉強をルーティン化することが大切です。

そして、その勉強方法は2つです。

【ひらめき】のヒントを増やすための基礎知識を長期記憶に保存する勉強法
 覚えたい漢字や英単語などを就寝前に反復練習で覚えてから寝る
                         〔深い眠りの活用〕

難問を解くための【ひらめき】を生みたい場合にする勉強法
寝る前に考えて、考えて、考えて抜く。
ひらめかなかったら、あきらめて就寝し、脳の睡眠機能に委ねる。
ひらめくまでひたすら繰り返し、自分の脳を信じる。
                         〔浅い眠りの活用〕

起きている間の努力をうまく睡眠につなげていくことが
【ひらめき】を生む脳を育てる秘訣です。

私の活用法

 私は毎年2月~3月ごろ、
公表されている各都道府県の公立高校入試問題を
できる限り解いていますが、
毎日解いていると飽きてくるのか、
思考がフリーズして全く解き方がひらめかなくなる問題が数問出てきます。そんなときはさっさと別の仕事をして、
一旦間をあけて、寝る前にもう1度その問題に取り組みます。
特に調子が悪いと同じ考えがループするだけになりますが、

ある程度考えたらあきらめて寝て、後は睡眠中の脳に託します

すると翌日、あんなに何も思い浮かばなかった脳が別人のように冴え、
数秒でひらめくという経験を何度もしました。
翌日にひらめかないような場合は、数日、間隔をあけたりもしましたが、
必ず脳は期待に応えてくれています。

睡眠による【ひらめき】の効果を知ったことによって
睡眠時に脳が働いてくれるという安心感が生まれるとともに、
ひらめかないことへの抵抗感も薄れ、
余裕をもって仕事に取り組めるようになりました。

まとめ

・勉強したら、すぐに寝る
・考え抜いてひらめかなかったら、とりあえず寝る

以上が【ひらめき】を生むためのポイントです。

睡眠の効果は絶大なので、
人生の3分の1を眠って過ごすのですから、有効に活用したいものです。

「果報は寝て待て」ではなく
「【ひらめき】は寝て待て」ですね。

※参考 ベネディクト・キャリー著 「脳が認める勉強法」

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