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勉強にはシータ波!!!

 勉強したことは定着しないと役立ちません。そんなことは万人がわかっているけど、なかなか覚えられなくて困っているという人は世の中にたくさんいると思います。そんなときには、この
シ~~タ~~波~~~!!!
を活用しましょう。どうしても、かめは〇波的に書いてしまいたいという衝動に負けてしまいました…

シータ波と復習回数

 シータ波は脳波の1種で、この脳波が出ているときは非常に記憶しやすい状態であることがわかっています。池谷裕二氏の著書によると、

シータ波が出ている海馬では、少ない刺激の回数でLTPが起こります。うまく刺激すると、繰り返す回数を80%~90%減らすことが可能です。

池谷裕二,2011,『受験脳の作り方-脳科学で考える効率的学習法-』,新潮社,87

とあります。少し専門用語があるので、簡単に要約するとシータ波が脳に出ている状態で勉強すれば、少ない復習回数で覚えることができるということです。まさに理想的な脳波だと思いませんか?もし90%も復習回数を減らすことができるのであれば、極端な話、英単語を10回書いて覚えられていた状態が、たった1回書けば覚えられる状態になるということです。

シータ波はいつ出るの?

 では、シータ波という脳波をどうすれば出すことができるのかといいますと、これも池谷裕二氏の著書を引用します。

シータ波は「好奇心」の象徴です。(中略)興味をもって対象に向かうときにシータ波が出るのです。

池谷裕二,2011,『受験脳の作り方-脳科学で考える効率的学習法-』,新潮社,86

 これは多くの方が経験していると思います。たとえば、好きなアーティストの曲は、そんなに何度も聴かなくてもメロディーや歌詞をすぐに覚えてしまうでしょう。それはシータ波が出ているおかげといえます。また、複雑な操作や設定があるゲームにおいて、子どもたちがすぐに順応できるのは、ゲームに対するわくわく感がシータ波を生み出しているからです(私の場合チュートリアルで断念しそうですが…)。逆に、三国志の小説を読んでいて登場人物が多すぎて覚えられないという人は、興味深いストーリーにまだたどり着いてないため、シータ波の出番が遅れているのかもしれません。

 なるほど、シータ波のおかげで、興味あるものはすぐに覚えられるのかと納得できますが、では本題の勉強はというと…
「あかんやないか~い!」
という声が聞こえてきそうです。勉強が好き・興味のある人は、勉強は苦にならないし、しかも、シータ波がバンバン出るので少ない復習回数で覚えられるという至れり尽くせり状態になりますが、「勉強が苦手・嫌いだから、少ない復習回数で覚えたい」と思っている人の場合、勉強に興味を向けることが難しいため、シータ波が出る可能性はほとんどありません。皮肉なことになっていますが、勉強を頑張りたいと思っている人のために、なんとかならないかと考えたいところです。勉強は楽しいものだ、面白いものだと思い込めば、体は反応してくれますが、なかなか難しいでしょう…

シータ波、出します!

 そこで、強制的にシータ波を出す方法を紹介します。それは

・歩くこと
・移動すること

です。現代、科学のおかげで急速に文明が発展していますが、人の脳は原始時代と、さほど変わっていないそうです。生存することが日々の目標であった原始時代、狩猟採集するときに記憶をフル活用しなければなりませんでした。移動しながら食の確保をしつつ、危険な場所や危険動物の居場所を回避するため、案内板もない大自然の状態を必死で記憶する必要がありました。小さなミスがすぐ命に直結するので、ミスしないためにも少ない回数で覚えなければなりません。だから、脳は移動のときに「命を守る」という使命のため、活性化するように設計されています。その脳の機能が現代人の我々にもあり、移動している際には自動的にシータ波が出ることがわかっています。シータ波が出れば、復習回数を抑えることができるので、
「人も歩けばシータ波が出る」
を活用しない手はありません。
 つまり、覚えたいことがあるときに、それを「ぶつぶつ」つぶやきながら歩けば、シータ波が自動的に出るので覚えやすい状態になるということです。しかも、電車、バスの移動でも脳は移動していると勝手に思い込んでシータ波を出すので、通勤通学時に何かを覚えようとすれば記憶に残りやすくなります。バスや電車の中で単語帳を開いている人を見かけますが、この勉強法は理にかなっているんです。私は移動時に本を読むのが好きなんですが、これもシータ波が出てスムーズに脳内に定着しているからなのかもしれません。

授業でシータ波?

 さらに教員だった私は、学校の授業でシータ波を活用できないかと考えました。ただ、さすがに全員歩きながら覚えようとした場合、収拾がつかなくなる可能性があるため難しいと感じました。そこで移動の状態に近い「立ったまま授業を受ける」という方法を2、3年実践しました。客観的に比較したわけではないので私の主観ですが、立ったままの状態で演習問題などに取り組んだ場合のほうが、記憶の定着や思考力の向上がスムーズに行えたように思います。1つ注意点としては、部活などで疲れがひどくて立ったまま居眠りしそうな場合は、大けがする可能性がありますので早急に座らせるようにしてください(いるかどうかわかりませんが…)。このように、シータ波をうまく活用すれば効率的に勉強できると思います。

 最後にシータ波と聞くと、パズーとあの滅びの言葉を思い出してしまうのは私だけでしょうか…これも脳波の影響!?

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