見出し画像

喜びを差し引かないこと。不安からではなく、楽しみから行動しよう

先月のバレンタインデー。
中2の娘は、学校中の先生、そしてクラスメイトやアフタースクールの先生、各方面の友達やらで合計60個くらいのチョコレートを準備した。大きな紙袋3つ分。驚きの量だ。

そして、一人ひとりに短いメッセージ。名前とその人の好きなところや日ごろの感謝。「今度習い事も見に来てよね」「家にいつでもお茶しに来てね」等、ちゃっかり小さな要求も付け加えたりするのが彼女らしい。最後の方は「もう腕が疲れた~!!」と言いながら、誰に頼まれたわけでもなく60人分のメッセージを浮かれた様子で書いていた。

結局バレンタインから5日間かけて、ようやく60人ほぼみんなにチョコレートを配れたと満足そうに空の紙袋をいつもの場所にしまった。
翌日に先生からメッセージをもらった。
娘からの「お友だちや先生に会えるから、毎日学校が楽しいです。いつも勉強を教えてくれてありがとう」と手書きのメッセージが嬉しかったです。とあった。
それを彼女に伝えたら「そうなんだね」と少し驚いた表情をしていた。

彼女にとって、バレンタインデーにチョコレートや手紙を渡すという行為は「相手に喜んでもらえるか」「相手にどう思われるか」が前提ではなく、
「日頃からの「ありがとう」や「あなたのこんなところが大好き」を相手に伝えられる嬉しい日」なんだなと思った。だから彼女は、相手がどう思うかはさほど気にしていないし、喜んでもらえたらラッキーくらいの感じなんだろう。

「こんなの渡して大丈夫かな?」「迷惑にならないかな?」「喜んでもらえるかな?」「周りはどう思うかな?」など大人になるにつれ、行動を起こす前から先のことを考えすぎて不安になったり、周囲の目が気になったり、実体のない恐れが先に立ち最初の一歩が重くなることが増えていく様に思う。

やる理由や意義にこだわり過ぎず「自分がそうしたいから」シンプルに、本心から湧き上がる行動と言うのはエネルギーの差し引きがなく、すごくパワーがあるものだなと彼女を見て改めて思った。

自分の喜びからはじめること。
自分の喜びに素直であること。それを小さくしたりせず堂々と表現すること。
それによって、その人本来の自発的なエネルギーが発露されるのだと思う。
そこに付随する努力や頑張りは苦ではなく、可能性だ。
その積み重ねが自分を形作り、人生を豊かに歩いていく力となる。これは私たち大人も同じだと思う。

今の自分が喜べないと思うことはやらなくていい。
喜べないことに対して素直でいることも同じくらい大切だ。それは時に勇気や強さが必要だろうし、痛みを伴うかもしれない。それは「自分を生きる」ために必要な力となる。私たちは、たぶんやりたくないことをやっているほど人生は長くない。

起きてもいない不安や実体のない恐れによって、得られる喜びを差し引かないこと。
自分自身が喜びで満たされているからこそ、人とも喜びで繋がることが出来るのだと思う。


この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?