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『令和6年の採用環境と 人材難を乗り越える方法』大隅半島の企業様に向けたセミナーで登壇しました

採用・離職防止のパーソナルトレーナーのカンヤケケンイチロウです。
機会をいただき、鹿屋市をはじめとした大隅半島で事業を進められている企業様向けのセミナーに基調講演とパネルトーカーとしてオンライン登壇させていただきました。

鹿児島には何度か伺ったことはあるのですが、大隅半島は未踏の地で。せっかくご縁をいただいたので近いうちに訪れるリストに入れて、次回は必ず伺いたいなと思いました。

日時:2024年3月27日(水) 18時00分~20時00分
場所:オンラインミーティング
主催:株式会社ワークデザインラボおおすみ
共催:リクルーティング・パートナーズ株式会社
(「令和5年度九州経済産業局における地域中小企業・小規模事業者の人材確保支援事業」受託事業者)

案内用のリーフレットより

基調講演は40分。内容は「令和6年の採用環境のリアル」と「この先採用活動を行う際の進め方」の二本立て。やや駆け足になりながらも大切な話ですのでしっかりお伝えしました。

第二部のトークセッションは80分。
リクルーティング・パートナーズ株式会社代表取締役 坂元賢一氏
株式会社エンファクトリー ライフデザイン事業部 島崎由真氏
モデレーターの
株式会社ワークデザインラボおおすみ 代表取締役 岡本雄喜氏
株式会社ワークデザインラボおおすみ 取締役 伊藤俊徳氏
を交えながら、大隅半島での採用力向上に向けたトークセッションを行いました。あっというまの120分で、しゃべりながらも、地方企業の人材調達の在り方に関して考える時間になりました。

お話ししたポイントは以下です


今の日本の職場の状況

ティーアップ部分でもあるこのパートでは、今の日本の採用環境、この先どうなるのか?に関してをさらっとお伝えしました。正直、いろんなところで聞かれていて「わかっとんねん・・・」と思われたかもしれませんが、特に九州は熊本のTSMCでの採用バブルで均衡が崩壊。2024年1月29日時点のハローワークの求人データをもとに計算したところ、熊本県菊池郡菊陽町のパート時給の平均は1211円となり、最高時給は5000円となっています。

有効求人倍率も、実は都心より地方の方が高いという状況をお伝えし、高校を卒業して若者が県外流出している現実などもお伝えしました。

厚生労働省「一般職業紹介状況」を加工したデータ ツナグ働き方研究所労働レポートより

また高卒採用の難易度が去年よりひどくなっており、120人の就職希望者に2,800社からオファーが来ているそうで、去年が2,000社だったのでとんでもない増加数で、学校も対応に困っていると埼玉で耳にした話をお伝えしました。

人材採用の考え方の変化

採用=補充、採用手法はハローワーク、求人にお金をかけたことがない。地方都市にありがちな採用を投資と考えないので予算を割かない風潮がここにもありました。WORKS研究所の未来予測2040年を紹介し、アトツギ不在や人手不足を起因とした倒産が増えている現状もお伝えしました。

なかなか急には変わらないところですが、私がご支援していた、伊豆の建設会社、山形のコンクリート圧送会社、静岡の建設会社、川崎のワッシャー工場、などなど、地方企業にありがちな現状をお伝えしたうえで、彼らも含め日本中の中小企業が採用を経営課題と考えて、予算や人的資源を投入する「投資としての採用」にフェーズが変わったことを認識いただきました。

帝国データバンク資料より引用

採用活動の原理原則の話

求人の応募はどんな求人サービスでも共通で「求職者に情報をとどける力(Delivery)「応募ボタンを押させる力(Action)」の掛け算から導かれます。ここで大切なことは、マトである「採用ターゲット(求める人物像)」を明確にすること。これが決まらないと全てがずれてきます。

2024年 @WaGaGoToプランニング

また、採用難と言いながらそれは転職活動に積極的な10%しかいない「転職顕在層」を狙うからであり、その倍の1,000慢人存在するという「転職潜在層」へのアプローチを行うことをアドバイスしました。

採用活動のループ 集客の進め方

採用戦略立案から始まり、求人募集を出し、応募を受け付け、面接から入社手続きへと進み、結果検証を終わらせて次の採用に生かす。この一連の流れを、図とポイントで説明しました。

2024年 @WaGaGoToプランニング

採用戦略では以前にご紹介したHR Forcasterの紹介、最適な求人手法の選定では人材採用をファンネルにおいた考えかたからターゲットごとの最適な打ち手選びのコツの説明、アクションを起こすために必要な項目に関して、ターゲットごとのポイントを説明しました。

2024年 @WaGaGoToプランニング

そして第二部ではテーマに基づくパネルトークを行いました。パネルトークのテーマは以下の3つ。時間いっぱいまで盛り上がりました.

パネルディスカッションテーマ
・採用は、”コスト” or ”投資”?
・大隅半島の中小企業は今後何をすべきか?
・大隅半島全体の採用力向上には何が必要か?

第二部テーマより

そもそもハローワークでしか求人活動を行ったことがない企業が多い中、設備投資と同義で人材採用や育成にお金をかける発想になるのか?
大隅半島、鹿屋市といった地域へ人を呼び寄せるにはどんな工夫が必要か?
採用活動を始めるとして、何から始めればいいのか?
そもそも、採用に障壁が大きい地方都市において、企業単体で取り組めるのか、行政が動いた事例はないのか
などなどに関して、坂元さん、島崎さん、モデレーターでかつこの地で事業を営んでらっしゃる岡本さんと4人でいろんな角度から「どうしたらいい」を話し合いました。

地元やその会社の事を深く知らない外部の人間に採用のアドバイスを依頼することは、なかなか「あ、うん」とはいかずジレンマを感じるところがあるものの、反面、何も知らないからその会社の良さに気付けるところもあり。
「うちの会社なんて、たいしたことないよ・・・」という企業さんの宝探しを行うのが、いわゆる「よそもの」を活用するメリットでもあり。

坂元さんからはご自身のリクルート時代、営業が来ないようなローカル地域でUIターンB-ingを営業されていた時の提案や行政を巻き込んだお話しをされ、わたしは採用やテクノロジーの知見を持った「よそもの」と、地元を知り尽くした「地元の企業」とが絡み合って化学変化を起こしていくことがいいのではないか?とお伝えし、個人的にもご縁があり、15年ほど前にははたらいくで採用活動をほんの少しお手伝いさせていただいた隠岐島海士町の事例などをご紹介しました。

あらためて、都市部と比較して地方での採用活動のむつかしさ、事業運営を行う上での「ヒト」の重要性、「行政」の関わり、みんなで何とかしていく「コミュニティ」の大切さを感じ、ライフワークとしても取り組み続けていきたいと決意を新たにしました。


普段からこういった「講演」や「採用のパーソナルトレーニング」を行っています。このコラムを読んで、ちょっと話を聞いてみたい、と思われた方がいらしたらお気軽にご相談ください。お役に立てましたら幸いです。

https://www.wagagoto.com/

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