かつて敗れていったツンデレ系サブヒロイン

感傷マゾ。瞬間を永遠に。私には、ただモニターの外から祈り続けることしかできない。 …

かつて敗れていったツンデレ系サブヒロイン

感傷マゾ。瞬間を永遠に。私には、ただモニターの外から祈り続けることしかできない。 感傷マゾvol.01〜07等の同人誌販売 https://wak.booth.pm

記事一覧

『電脳荒廃-StandAlone Ruins-』巻頭言

※本文は、現在制作中の同人誌『電脳荒廃-StandAlone Ruins-』の巻頭言を掲載したものです。今回は私と日本生類創研広報部さん (Twitter ID @JOICLE_info)との合同編集とな…

『君たちはどう生きるか』の感想。

 会社を途中で抜けて、『君たちはどう生きるか』を観て、そのまま用事を二つこなして夏祭りまで行って疲れているので、つらつらと書く。  想像していた通りだが、アニ…

Twitter個人史(2007年〜2023年)

 7月からTwitterで閲覧制限がかかるようになり、他のSNSへの移民も増えた。それに関連して、音楽ライターの伏見瞬さんがTwitterに関する個人史の記事を書いており、面白か…

感傷マゾvol.07より 『VR座談会』

※この記事は、「第三十四回文学フリマ東京」(2022年5月29日(日))にて頒布した『感傷マゾvol.07 仮想感傷と未来特集号』収録の「VR座談会」を転載したものです。本座…

感傷マゾvol.07『仮想感傷と未来特集号』まえがき

※本記事は感傷マゾvol.07『仮想感傷と未来特集号』のまえがきの転載です。  生まれた時にOculus QuestやHTC VIVEのような市販のVR機器が一般的ではなく、オフラインの…

『マトリックス・レザレクションズ』の感想

『マトリックス・レザレクションズ』を観てきたけど、『マトリックス』一作目の次に面白かったです。  前作『マトリックス・レボリューションズ』で死亡した主人公のネオ…

リミナルスペース座談会

※この記事は、「第三十四回文学フリマ東京」(2022年5月29日(日))にて頒布予定の『感傷マゾvol.07 仮想感傷と未来特集号』に掲載予定の「架空のノスタルジー座談会」…

R.I.P.冬月コウゾウ

シン・エヴァで最も好きになったキャラは、冬月だった。シンジでもレイでもアスカでも、ミサトやリツコでもなく、冬月だった。 正直、シン・エヴァまではそこまで冬月に感…

三秋縋インタビュー『終末について』

※この記事は、感傷マゾ専門同人誌『感傷マゾvol.05 終末と感傷特集号』(https://wak.booth.pm/items/2551855)に掲載されたものです。今回は「終末」に特化した内容で、…

学生時代に書いた『ドラえもん のび太と鉄人兵団』の感想を発掘した

TLに藤子・F・不二雄のSF短編漫画の話題が流れてきて、そういえば学生時代に鉄人兵団の感想をmixiに書いたなと思い出したので、noteに残しときます。 14年前の文章なので今…

ノスタルジーに浸れる時代が無いなら、どうすればいいんだろう。

(思考のメモ書きなので、まとまった記事ではないです) 1980年代生まれの自分にとって、ノスタルジーに浸れる時代はあったのだろうかと、時々考える。 バブルが崩壊した199…

『天気の子』と「正しくない」選択の話

『天気の子』の帆高の選択の正しくなさの話は、観客視点で見ていると「少女一人と東京のどちらを取るのか?」という選択になるけど、帆高は観客ではない登場人物だから、少…

『天気の子』と、「狂った」天気について

 記事というよりぼやきに近いから結論はないけど、twitterに投稿するには長いのでnoteに書きます。  新海誠監督の最新作の『天気の子』を観て2日経って、最も刺さったこ…

死にたくなる夏画像botが、たまに「Media not displayd」になるエモさについて

 Twitterに、死にたくなる夏画像bot(https://twitter.com/natu_gazou)という、架空の夏の思い出に浸れる画像を投稿し続けるbotがあります。たまに、このbotが「Media …

『ブレードランナー2049』の偽物の痛みと本物の救済

※この文章は、アニメ批評同人誌・アニメクリティーク『 vol.7.0 声と身体/ 松尾衡×機動戦士ガンダム サンダーボルト』に、『ブレードランナー2049』があまりにも突き刺…

『君の名は。』における糸とは何か?

※この文章は、アニメ批評同人誌・アニメクリティーク『 vol.5.5 新海誠/君の名は。特集号』に寄稿した、アニメ映画『君の名は。』の感想です。 http://nag-nay.hatenablo

『電脳荒廃-StandAlone Ruins-』巻頭言

※本文は、現在制作中の同人誌『電脳荒廃-StandAlone Ruins-』の巻頭言を掲載したものです。今回は私と日本生類創研広報部さん (Twitter ID @JOICLE_info)との合同編集となります。
おそらく2024年春までには、同人誌イベントかboothで頒布開始できると思いますので、皆様よろしくお願いします。

 私はこの世界に取り残されている。
 毎日のように来襲していた"敵"

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『君たちはどう生きるか』の感想。

『君たちはどう生きるか』の感想。

 会社を途中で抜けて、『君たちはどう生きるか』を観て、そのまま用事を二つこなして夏祭りまで行って疲れているので、つらつらと書く。

 想像していた通りだが、アニメーションとしては面白くなかった。『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』もそうだったが、『千と千尋の神隠し』の大成功以降、宮崎駿はストーリーにあまり興味がなくなったように思える。
 話の流れが不自然でも、迸るイメージが素晴らしければ確かに

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Twitter個人史(2007年〜2023年)

 7月からTwitterで閲覧制限がかかるようになり、他のSNSへの移民も増えた。それに関連して、音楽ライターの伏見瞬さんがTwitterに関する個人史の記事を書いており、面白かったので自分も書いてみようと思った。

https://iwasonlyjoking.hatenablog.com/entry/2023/07/04/233132

 私がTwitterに登録したのは2007年5月だから、

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感傷マゾvol.07より 『VR座談会』

感傷マゾvol.07より 『VR座談会』

※この記事は、「第三十四回文学フリマ東京」(2022年5月29日(日))にて頒布した『感傷マゾvol.07 仮想感傷と未来特集号』収録の「VR座談会」を転載したものです。本座談会は2021年10月に収録を行いました。

「私たちが生まれつき家庭用ゲーム機のコントローラーと共にあったように、生まれつきVR機器と共にある未来の世代が仮想現実の中で行う感傷」を「仮想感傷」と呼ぶならば、それはどのような行

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感傷マゾvol.07『仮想感傷と未来特集号』まえがき

※本記事は感傷マゾvol.07『仮想感傷と未来特集号』のまえがきの転載です。

 生まれた時にOculus QuestやHTC VIVEのような市販のVR機器が一般的ではなく、オフラインの現実の中で幼少期を過ごしてきた人が、現在では大多数だと思います。VR以前のメディアでは、オフラインの現実ではない「ここではないどこか」を探ろうとしても、本や映画、漫画やアニメなどのフィクションによって、自分ではな

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『マトリックス・レザレクションズ』の感想

『マトリックス・レザレクションズ』を観てきたけど、『マトリックス』一作目の次に面白かったです。

 前作『マトリックス・レボリューションズ』で死亡した主人公のネオが機械によって蘇生させられて、ネオとしての記憶を自作のゲームのストーリーと思わされて、世界的なゲームデザイナーのトーマス・A・アンダーソンとしてマトリックス上で生活させられている…という始まりが面白い。

「もしも、『マトリックス』一作目

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リミナルスペース座談会

リミナルスペース座談会

※この記事は、「第三十四回文学フリマ東京」(2022年5月29日(日))にて頒布予定の『感傷マゾvol.07 仮想感傷と未来特集号』に掲載予定の「架空のノスタルジー座談会」の中から、「リミナルスペース」に関する部分を抜き出したものです。

 Twitterのリミナルスペースbot(@SpaceLiminalBot)が投稿した画像を見ると、「一時的に立ち寄る無人の場所」から懐かしさと不気味さが共存し

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R.I.P.冬月コウゾウ

シン・エヴァで最も好きになったキャラは、冬月だった。シンジでもレイでもアスカでも、ミサトやリツコでもなく、冬月だった。
正直、シン・エヴァまではそこまで冬月に感情移入していたわけじゃないので、自分でも意外だった。

もちろんシン・エヴァだけでなく、エヴァンゲリオンというシリーズの中で、最初は冬月先生が好意を持っていた相手はユイだろうし、ゲンドウを嫌っていたと思う。けれども、あれだけ長年ゲンドウの隣

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三秋縋インタビュー『終末について』

三秋縋インタビュー『終末について』

※この記事は、感傷マゾ専門同人誌『感傷マゾvol.05 終末と感傷特集号』(https://wak.booth.pm/items/2551855)に掲載されたものです。今回は「終末」に特化した内容で、小説家・三秋縋氏にお話を伺いました。

三秋縋(@everb1ue)
1990年生まれ、岩手県出身の作家。
ウェブ上で『げんふうけい』名義の小説を発表し、人気を博している。

聞き手:かつて敗れていっ

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学生時代に書いた『ドラえもん のび太と鉄人兵団』の感想を発掘した

TLに藤子・F・不二雄のSF短編漫画の話題が流れてきて、そういえば学生時代に鉄人兵団の感想をmixiに書いたなと思い出したので、noteに残しときます。
14年前の文章なので今と文体が違う箇所もあるけど、ご愛嬌ということで。というか、読み返して思ったけど、当時から女の子に罵倒されたがっているのは変わらないんだな…。

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ノスタルジーに浸れる時代が無いなら、どうすればいいんだろう。

(思考のメモ書きなので、まとまった記事ではないです)

1980年代生まれの自分にとって、ノスタルジーに浸れる時代はあったのだろうかと、時々考える。
バブルが崩壊した1990年代?リーマンショックが起きた2000年代?最早、経済的衰退と国際的地位低下が誤魔化せなくなってきた2010年代?
物心ついてから今まで、いつだって楽しい時代はなかった。失われた◯◯年という不景気の象徴的フレーズは、自分の人生

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『天気の子』と「正しくない」選択の話

『天気の子』の帆高の選択の正しくなさの話は、観客視点で見ていると「少女一人と東京のどちらを取るのか?」という選択になるけど、帆高は観客ではない登場人物だから、少女一人の重みは観客と全く異なると思うんですよね。
つまり、前提が異なるのに、観客視点のトロッコ問題を用いて、帆高の選択を正しい正しくないと観客が判断できるのかという点が気になっています。抽象的な「少女」ではなく、「自分が愛する恋人や家族と、

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『天気の子』と、「狂った」天気について

 記事というよりぼやきに近いから結論はないけど、twitterに投稿するには長いのでnoteに書きます。

 新海誠監督の最新作の『天気の子』を観て2日経って、最も刺さったことは異常気象の取り扱い方かもしれないです。
 普段、私は概念の夏とか感傷マゾとかについて言及して悦んでいるけど、女の子との思い出はともかく、少なくとも私が子どもの頃(1990年前後)の夏休みの天気は、概念の夏のイメージとそんな

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死にたくなる夏画像botが、たまに「Media not displayd」になるエモさについて



 Twitterに、死にたくなる夏画像bot(https://twitter.com/natu_gazou)という、架空の夏の思い出に浸れる画像を投稿し続けるbotがあります。たまに、このbotが「Media not displayed」になる画像を投稿することがあるんですが、僕はその瞬間をすごく好きなんですね。もしかすると、普通に日本の田舎の夏の写真を投稿するよりも、好きかもしれない。
 で

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『ブレードランナー2049』の偽物の痛みと本物の救済

※この文章は、アニメ批評同人誌・アニメクリティーク『 vol.7.0 声と身体/ 松尾衡×機動戦士ガンダム サンダーボルト』に、『ブレードランナー2049』があまりにも突き刺さった筆者が、アニメクリティークの編集・nagさんに頼み込んで寄稿したものです(nagさん、その節はありがとうございました…ガンダムじゃないのに、無茶ぶりしてしまって…)
http://nag-nay.hatenablog.c

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『君の名は。』における糸とは何か?

※この文章は、アニメ批評同人誌・アニメクリティーク『 vol.5.5 新海誠/君の名は。特集号』に寄稿した、アニメ映画『君の名は。』の感想です。
http://nag-nay.hatenablog.com/entry/2016/08/27/173112

かつて敗れていったツンデレ系サブヒロイン(@wak)

【1】はじめに 『君の名は。』では、糸を編むことで形作られる組紐や尾を長く引く彗星など、

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