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11 「発想」と「企画」の違い VOL.01
文頭でお断りしておきます。10,000文字ぐらいの読み物です。売れる企画の技術習得は武道の黒帯取得のような話。本気で「売れる企画を立てたい」「売れる商品を作りたい」と思っていない人が、軽い気持ちで読んで、冗談半分でやって、事故をしたり、怪我をしたりしないように有料マガジンにしてあります。内容も本気でやらないと身につかない「売れる企画の技術習得内容」なので、軽くありません。
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前回 10話 「アイデア」と「コンセプト」VOL.03 ○ Section-25 より
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● Chapter-03「発想」と「企画」の違い
Section-26「企画法」と「企画力」は別のもの
「アイデア」「アイデアマン」といった言葉が全国的な大ブームになったのが「1965年ごろ」です。およそ今から50年前。そのころから「アイデア」「アイデアマン」という言葉が「完全な日本語」として一般的に使われるようになりました。
この言葉には「発想法を学ぶと、良いアイデアがドンドン浮かんでくるようになる」といった暗示的なイメージがあったためか、ビジネスマンたちを中心に、とても好かれる言葉になり、日常的に困った時にポンとでてくる言葉になってしまいました。
しかし、1980年ごろになると、発想に関するレポートや書籍というものは消え「企画」というものがクローズアップされるようになりました。これは「経済の成長が止まったこと」を意味しています。つまり、何を作っても売れる時代が終わった。
そして「経済的な熟成期」がスタートして「良いもの」「よっぽどユーザーが欲しい物」「少しの違いだけれど、精神的付加価値をしっかりとPRしたもの」といったものばかりが売れ、そうではないものは、さっぱり売れない時代になってしまいました。
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1970年代に、大ブームとなったのが「川喜田二郎 教授」が書かれた「発想法」という著書。この本の内容は「情報の分類整理の手法」が書き込まれてあり、実のところ大戦略の「コンセプト設定」にも非常に役立つ手法だったりもします。
ただ「発想」「アイデア」という言葉が神話となっていた時代だったので「情報整理法」といったタイトルではなく「発想法」という名前で出版されてしまった。この手法は企画をする人なら、絶対に知っておいた方が良い手法だと推奨しておきます。
1970年代は、ちょっとしたアイデアを加えて作れば作っただけ売れていた、営業マンなど、まるで必要がなかった時代が終わり、1980年頃になると「ちょっとしたアイデア」だけでは、さっぱり売れなくなってしまったことを象徴しているわけです。
世の中は、昔から振り子が左右に大きく振れるように、一気に右にいったり、逆に一気に左に言ったりする現象を繰り返しています。この時代は「アイデア一辺倒」だった時代が急に終わり「企画一辺倒」の時代に、急激にシフトしてしまいました。
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そもそも論で言えば、アイデア一辺倒になるのも不自然な動きですし、企画一辺倒になるのも不自然なのです。携帯電話のガラパゴス携帯が一辺倒だった時代が急に終わったかと思うと、急にスマホ一辺倒になってしまう。日本はいつもこうなのです。
BlogのMixi一辺倒だったのが、Ameblo一辺倒になり、facebook一辺倒になったかと思ったら、次は、InstagramとTwitter一辺倒になった。時代遅れになったものは、アッという間にどこにいったのかさえ、わからない状態に、すぐになってしまいます。
さて、1980年代に入ると「企画」というものが大ブームとなりました。書店に行けば「企画の立て方」「企画書の書き方」という本ばかりが乱立していました。企画の立て方の本を見ると、やっぱり「企画書の書き方」が紹介されていたのです。
こういうフォーマットに思いつく情報を書き込んでいけば「企画」が成り立ちます。企画は誰にでもカンタンにできますといった内容の本ばかり。しかしながら、企画書の書き方の入門本を読んだだけで売れる企画ができる人はさっぱり登場しませんでした。
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では、私たちのような企画を仕事でやっている部署の人間に役に立たなかったのか?というと、そうではありません。社外の企画、たとえば、広告代理店の「いちこう」さんから依頼があったような他社の企画の企画書を仕上げるには大いに役立ちました。
社内は、現場で企画、現場で根回し、本部長や店長に内諾を得たあと【企画概要書】と書かれた、お決まりの「単なる上司のハンコもらい用紙」に7〜8行の概要を書いて「上司たちのハンコ集め」をしていましたので社内の仕事には、まるで必要なかったのです。
今、書店に行くと「プレゼンの仕方」「PowerPointの作り方」「PowerPointで企画書を作ろう」といった本が、ゴッソリと並んでいます。これは40年前の「企画書の書き方ブーム」の再来といっても良いだろうと思います。単に紙と鉛筆がパソコンという道具に変わっただけ。
当時のアナログで描く企画書から、デジタルデータをPCで作るという風に「道具が進化しただけ」で、内容的には、本質は変わっていないと断言できます。もしかすると、今のものの方が「小技」の羅列状態になっていて、本質論は逆に減っていると言って良いのかもしれません。
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