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13 「企画」に必要な「情報」VOL.01

文頭でお断りしておきます。10,000文字ぐらいの読み物です。売れる企画の技術習得は武道の黒帯取得のような話。本気で「売れる企画を立てたい」「売れる商品を作りたい」と思っていない人が、軽い気持ちで読んで、冗談半分でやって、事故をしたり、怪我をしたりしないように有料マガジンにしてあります。内容も本気でやらないと身につかない「売れる企画の技術習得内容」なので、軽くありません。

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前回 12話  「発想」と「企画」の違い VOL.02 
○ Section-29〜Section-32 より

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● Chapter-04「企画」に必要な「情報」

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Section-33「研究開発」と「企画開発」


開発メーカー商品を開発する部署にありがちな話なのですが、研究開発と企画開発という2種類の言葉を混合して、なかなかうまくいかなくなっているケースも多いのです。確かに似た言葉なので誤解・混乱のもとになりやすいのです。

たとえば、私が講師をつとめる「実践マーケティング塾」に「売れる商品開発を教えて欲しい」と研究開発の意識をもった受講生が参加して、不協和音を立てることがあります。そういう人は技術畑の人で、受講内容に戸惑ってしまいやすいのです。

こういう人が勤めている会社は「50年〜100年の歴史を持つ開発型メーカー」で、1960〜1970年ごろに「素晴らしい技術」でヒット商品を作り出してきた実績があり「技術力が高ければ良い商品が作れ、良い商品は売れる」という意識を持っています。

確かに、1960年〜1970年頃は、徹底した技術思考の経営で「良いものを作ってさえいれば売れた」のです。しかい1970年代になると「良いだけでは売れない」という時代に突入したのです。そこで企画開発という言葉が頻繁に使われるようになったのです。

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しかし、独自の技術で独占状態が続き、少しずつ業績が下がり続けながらも、今まで持ちこたえてきた奇跡的に幸運に恵まれた開発メーカーは「新しい市場を独占できる技術を開発できれば、また業績が上がる」という「新技術神話」を信じているのです。

私たちのセミナーでは1970年代から、ドンドン進化し続けている「非技術的で脱技術的」な「心理的価値を高める方法」をレクチャーしています。「研究開発」は技術「企画開発」は「心理的価値を高める方法」。中身がまるで違っているのです。

辞書で、それらの言葉を分解してみましょう。「研究・・・①探索・捜査・探求。②調査。探査。」「開発」・・・①発達。製麹。開発。拡張。産物。」と書いてありました。研究という言葉には、なんとも固苦しいニュアンスが含まれているのです。

研究というものは、大学などで学者といった立場の人たちによって行われることが多く、良い意味でアカデミックな、悪い意味で応用がきかない頭の固いイメージが漂ってしまいます。そういうものを土台にした具体的な何かを実現するのが「研究開発」

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辞書で「企画」という言葉の意味を調べてみると「①計画。設計。工夫。考案。方法。②図表。平面図。設計図。図書。③下絵。ひな形。草案。・・・」という言葉が並んでいました。これが「企画」という言葉の意味です。さらに「開発」という意味を加える。

「企画開発」では、少し意味が分かりづらいので、何を企画開発するのか?をハッキリさせると、例えば「商品企画開発」「店舗企画開発」「販売企画開発」といった具合になります。「どんなものを作れば売れるかに対する工夫・考案」こそ「企画開発」の意味

つまり「研究開発」というのは「売れるかどうか?、それを買う人がいるかどうかは、ちょっと棚の上に置いておいて、とにかく素晴らしい技術を探求していこう」といった感覚で行われるもの。主役は「素晴らしい技術」であって、売れる売れないは蚊帳の外。

逆に、極端に言えば「素晴らしい技術かどうか?は棚の上に置いておいて、とにかく売れる方法を探し出そう」というのが「企画開発」です。主役は「売れること」であって、極端な言い方をすれば「売れるなら、たいした技術じゃなくても良い」わけです。

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