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12 「発想」と「企画」の違い VOL.02

文頭でお断りしておきます。10,000文字ぐらいの読み物です。売れる企画の技術習得は武道の黒帯取得のような話。本気で「売れる企画を立てたい」「売れる商品を作りたい」と思っていない人が、軽い気持ちで読んで、冗談半分でやって、事故をしたり、怪我をしたりしないように有料マガジンにしてあります。内容も本気でやらないと身につかない「売れる企画の技術習得内容」なので、軽くありません。

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前回 11話  「発想」と「企画」の違い VOL.01 
○ Section-26〜Section-28 より

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● Chapter-03「発想」と「企画」の違い

Section-29「妄想力」と「発想力」の大きな違い


企画力は、アイデア発想力によく似ているところもあるのですが、本質的な部分で大きく違っているポイントがあります。なにより、この「本質的な部分で大きく違っている少しの違い」が大問題になってくるのです。「発想力=アイデアを出す能力」

発想力、発想力と言っていますが、サラリーマン時代に高く評価されていた企画の話ですが、私が発想して出した「売れたアイデア」なんて、たいしたアイデアではありません。お茶売場で成功している売り方を、ハンカチ売場が売れなくて困っている時に「こうすれば?」と案内した程度のものです。

発想を「自分が思いつく」と思っている人も多いようですが、そうではないのです。「売れている成功事例」を見まくっていると「あっ、この靴の売り方、和食器売場でもで使える」とか「あっ、この宝石の売り方、家具売場でも使える」とか・・・
 
商品特性や陳列の特性がわかってくると「こういう系の商品を売るときは、こういう陳列方法があるのか」といった「売れる陳列方法のストック」が自分の中に貯まっていくのです。それを「困っているんだけど」と言ってきた人に公開しているだけ

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企画が上手くいかないとか、アイデアが出てこないという人たちも多いのですが、そういう人たちは決まって「成功事例のストック数の絶対量」が足りないのです。「発想」は「思いつくこと」ではなく「関連付けて思い出すこと」でしかありません。

ですから「思い出せない」=「思いつかない」=「発想できない」という話でしかなく、結局、売れている売場や、同じようなことをやっているんだけれど、さっぱり売れていない売場を見て、見て、その違いを発見して「意味づけ」して・・・

そうしていくと「こうすれば売れるんだけれど、このポイントを油断して、ちょっとこうしちゃうだけで、急に売れなくなるから、こうする時には、この部分に気をつけてやらないといけないな」といった「アイデアのストック」が貯まっていくのです。

この「先に、ちょっと違うだけで、こんなに売れなくなるのかの意味づけ」は、非常に大事なポイントです。「人の振り見て我が振り直せ」という言葉がありますが、まさに「他人の失敗を自分の反省改善ノウハウ」としてしまっているからです。

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さて「発想力=アイデアを出す能力」であるとすれば「企画力=成功する、いくつものアイデアをまとめる能力」ということになります。結局、アイデアとなる成功事例パターンのストックを多くもって、そのいくつかを組み合わせると企画になる

ここで「アイデア」とか「発想力」という言葉が持つ「もうひとつのイメージ」について説明しておきたいと思います。私の部下になった人にも、そういう特徴があったのですが「発想力」を「空想力・妄想力」と思いこんでしまっていたのです。

ビジネスの企画における「発想力」というのは「連想発想力」でしかありません。「あの売場の売り方で、まるで違うイメージを持たれている、あの商品が売れちゃったりしそうだな」という「連想発想力」こそが「ビジネス・アイデア」なのです。

空想力・妄想力というのは、小説家や漫画家に見られる、ある種の天才的な才能です。こういう能力は、芸術の分野や、小説や漫画といった娯楽の世界では重要視されるものですが、一般的なビジネスにおいては現実性に欠けてしまいやすいのです。

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問題は、多くの人達が、この「空想力」「妄想力」と「連想発想力=ビジネス・アイデアの発想力」を同じようなものと思い込んで「自分には思いつかないから、自分にはアイデアを生み出す才能がない」などと自爆して落ち込んでしまったりすることです。

正直、「売れる企画を立てる」ということについての発想力は「行動力」があって「売れる売場の工夫を見抜くことが楽しい」と思える人ならば、いくらでもできるようになります。アイデアのストックさえ貯まっていけばアイデアは出てくるのです。

企画に必要なものは「情報ストックと意味づけ」つまり「情報力」。そして「あそこの売場で使えるかも」という「関連発想力」、つまり「発想力」。そして「困っているんだけど」と相談を受けた時に「このアイデアが使えるハズ」という判断力です。

「行動から得た情報ストック=情報力」を中心に、「行動しながら、あそこで使えるかも」と「思案」して「意味づけ」して、引き出しにラベルを貼るような「思考力=発想力」。その周りに、判断力=眼力が巻き付いていくようなイメージです。

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