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約30年前の押し花をリメイクしてみた【Kannax Labo】

こんにちは。
あなたの物語を保存するアフターブーケスタジオkannaxです。

8月の終わり頃、一通のお問い合わせがカナックスに届きました。

こんばんは。約30年前になりますが、パレスホテルで結婚式をしました。

その際押し花の額をつくっていただきました。ありがとうございました。地震でガラスが壊れてしまい、押し花ブーケがバラバラになってしまいました。

この押し花をつかって、小さい物で良いのですが、額を作って頂くことは可能でしょうか。古い押し花で色も褪せています。

28年前にカナックスで結婚式のお花をアフターブーケとして残してくださった、東北にお住まいの方からの修理のご依頼でした。
地震でガラスが割れ、最近まで押し花をそのまま保管されていたため変色が進んでしまったようです。

変色してしまった約30年前の押し花

カナックスは1987年に創業し、今年の11月で36周年を迎えました。
現在は東京港区芝浦にスタジオがありますが、28年前の1995年当時は創業から間も無く、北品川で極少数規模で「アフターブーケ」という未開拓分野に挑んでいる真っ最中でした。その頃のお客様に、カナックスのアフターブーケを長らく大切にしていただいていることに、スタッフ一同大変胸が熱くなりました。

押し花・ドライフラワーの可能性を広げる、実験的な試みをご紹介しているKannax Lab。今回は、お客様の人生に寄り添ってきたあるひとつのアフターブーケの修復の様子を、アフターブーケが見守ってきたお客様のストーリーと共にご紹介させていただきます。

これまでのKannax Laboはこちらから↓


アフターブーケの劣化が進んでしまう要素として、直射日光湿度密封加工具合などがあります。
カナックスの押し花は特殊技術でガラスとアルミを専用機械で真空加工しているだけでなく、その上からUVカットの透明アクリル板が重ねられ、また押し花の下には乾燥剤が入っています。
「思ったより重い!」という感想をよくいただくアフターブーケですが、みなさんの日々に少しでも長く寄り添うための技術の重さなのです!

カナックスに到着時の押し花

カナックスに到着した押し花は、確かに変色が進んでしまっていましたが、このままでもアンティーク調で可愛い……ですが、お客様のご希望通り、当時の鮮やかさをできる限り取り戻していきます!

今回は特別な補色を施させていただき、変色前の鮮やかさを再現しました。

補色後の押し花

特殊な補色技術を研究しているスタッフの手によって、まるでタイムスリップしたように鮮やかに!

レイアウトの様子

もとのアフターブーケのクロスが淡いブルーだったとのことで、今回は近いミントをご用意。小さめの額をご希望だったので、コンパクトサイズのクリームに額全体にお花を散らすリバティレイアウトになりました。

そして、完成したリメイク額がこちら!

約30年前の押し花を使ったアフターブーケ
使用額:クリーム クロス:ミント

爽やかなミントを背景にお花がエレガントに映えています。
刻印も、2行目と3行目にはもとのアフターブーケと同じくイニシャルと記念日を刻印。
1行目は、現在の刻印メッセージのオプションの1つである「TWO FOR THE STORY」に。ご夫婦の30年にわたるストーリーを見守ってきたお花にぴったりなフレーズです。


中国地方出身のお客様(Hさん)と、東北出身の旦那様。
北と南の間をとった東京でご結婚式を挙げられたそうです。

実際のブーケ

アフターブーケにしていただいたお花はお色直しのブーケでした。
結婚式後にアフターブーケの存在を知ったHさんは、すぐにご注文いただいたそうです。
届いたアフターブーケは家族の憩いの場であるリビングに飾り、Hさんは目に入るたびに、結婚式の日に想いを馳せていました。

壊れる前のアフターブーケ(Hさん撮影)

しかし、数年前の地震でガラスが破損してしまいます。真空状態でなくなってしまったもののお花は無事で、その数年間Hさんはこの押し花をどうしたらいいか迷われていました。

地震で割れてしまったアフターブーケ(Hさん撮影)

ある日ふと額の裏を見てみると、「kannax」と書かれたシールが。
そこでカナックスにご連絡いただき、今回のリメイクが実現したのでした。

ご自宅に飾られている様子(Hさん撮影)

新しく生まれ変わったアフターブーケは、前と同じくリビングに飾られ、再びご家族と時を刻み続けます。「娘がいるので、機会があったらアフターブーケをおすすめしたい」と語ってくださったHさん。以前にも、二世代でそれぞれご結婚のお花をアフターブーケとしてのこしてくださったご家族がいらっしゃいました。

アフターブーケがこのような形でお客様それぞれの人生に寄り添うことができていると知るたびに、筆者は「この仕事があってよかった」と心から感じます。私たちの生活に必要不可欠ではないけれども、お客様の想いを形にできる、他にはないサービスかもしれません。


今回は約30年前の押し花リメイクの様子をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
30年も前となると、お花の加工方法やブーケそのもののトレンドも大きく違い、今回の記事作成を通して筆者自身様々なことを学ばせていただきました。
36周年という長い年月をカナックスは重く受け止め、これからもお客様に寄り添うアフターブーケの制作に力を入れてまいります。


カナックスのアフターブーケ

アフターブーケは、お客様の想い出の花をお預かりし、「プレスフラワー(押し花)」または「フレッシュドライフラワー」に保存加工するオーダーメイドのサービスです。カナックスの独自の製法で、花びら一枚一枚、茎一本一本を丁寧に乾燥させ、熟練のデザイナー職人の手でアフターブーケとして想い出を形にしています。
※AFTER BOUQUET アフターブーケは株式会社カナックスの登録商標です。


カナックスのSNS

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■カナックスのアフターブーケInstagram:@kannax87

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@kannax87

【ドライフラワー】 花びらのキズを丁寧にカットしていきます🌹#アフターブーケ #kannax #kannax #ドライフラワー #ハンドメイド

♬ FEEL THE GROOVE - Queens Road, Fabian Graetz

■カナックスYouTube:kannax


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