ハワイ エピローグ
結婚式のあとのパーティーで、スウィフトさんは私のことを「カニちよ」と呼んでくれた。そのあだ名は、姉のチャイナがつけたものである。私のことを家族と見なしてくれたみたいで、嬉しかった。
スウィフトさんとは、チャイナの夫のブライアンさんのことだ。チャイナが、我々カニ家の面々の前では彼のことを「スウィフトさん」と呼ぶので、私もそう呼んでいる。しかし、もう家族になったのだし、チャイナも今ではチャイナ・スウィフトである。父も、以前は「スウィフトくん」と呼んでいたが、今では「ブライアンくん」と呼んでいる。私も「ブライアンさん」と呼ぶべきだろうか?
しかし、もしかしたらチャイナはスウィフトさんと二人でいるときでも、「スウィフトさん」と呼んでいるかもしれない。そうだとすれば、私が「ブライアンさん」などと呼ぶのは、10年早いということになる。いや、むしろ10年経ったら「スウィフトさん」と呼ぶことに完全に慣れてしまい、もっと「ブライアンさん」と呼べなくなるだろう。変更するなら、呼び慣れていない今のうちだ。
そうと決まれば今度チャイナに会ったときに、二人のときは何と呼んでいるのかを聞き出さなければならない。いきなり「ブライアンさん」と呼ぶのは、早計である。
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