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世界写真紀行 vol.6(タイ/ バンコク)

かつて東洋のベニスと称された東南アジアの雄でタイの首都、バンコク。伝統と先端トレンドを絶妙なバランスで守り続けながら、世界各国の人々から愛されているのは言うまでもない話。バンコクは外国語での名称で、タイの人々はこの様に言う。

"クルンテープ" (=天使の住む都)

かつてこの天使の住む都に留学をしていたのだが、私の全てはここから始まったといっても過言ではないくらい濃厚な時間を過ごさせてもらった。

留学時代、大学から徒歩15分圏内の学生が多く住むアパートに住んでいた。ワンルームでベッド、デスク、シャワーとトイレがあるだけの質素な部屋。タイは、自炊よりも外食の方が安く済むことが多く、街の至る所には胃袋を満たしてくれる食堂や屋台が立ち並ぶ。

中でも思い入れが深いのが、宿舎から徒歩30 秒にあるバミー麺(卵麺の塩ラーメン的なやつ)屋さん。いつも通っていた。タイの屋台はコンビニエンスストアの目の前にあることが多く、2者が共存している姿が実にタイらしい。この店も例外ではなかった。

この屋台は兄弟で経営されていて、私が行くといつも笑顔で料理を出してくれた。人見知りで多くは語らないタイプの亭主等なのだが、その笑顔を見るたびに癒されたし、異国の地のホームにいるようにも感じられた。

留学を終え帰国する時、挨拶に向かったのもこの店だった。

今でも、タイに行って時間がある時はこの店に寄るようにしているのだが、時が戻ったかのようにウェルカムしてくれる。

料理を頼む度に、

"ワンタンも入れとくよ!"

長い間、会っていなくても私の好みを覚えててくれる優しい亭主等。

料理が美味しいのは彼らの腕だけではなく、人間性からも来てるのかもしてれない。

胃袋以上に心も掴まれているのだった。


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