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世界写真紀行 vol.8(オーストラリア/ サンシャインコースト)

オーストラリア東部、クイーンズランド州、 サウス・イースト・クイーンズランド地区にある海岸沿いの地域。美しいビーチを始めとする豊かな観光資源は来る人に癒しを与える最高のスポット。

私にとってここは人生で初めて訪れた"海外"。13年前に遡るが高校2年生の夏に学校の修学旅行として参加した。海外も初めてなのに、ましてやホームステイなんぞ未知の世界。期待よりも不安が多かった。

ホスト先は当時、60歳くらいのおじちゃんMaxと息子のAndrewの二人だけだった。ホームステイと聞くとなんだか、家族団欒なイメージを持っていたが、家庭によって全く異なる。そして、その出会いは何かしらの縁があるものだと今になってようやくわかる気がする。

二人とも全く私に干渉せず何か私が喋りかけたら答える、そんなスタンスだった。

日々の生活だが、午前中はクラスの全員で観光地へ、午後は現地の大学で英語のレッスン。そして帰宅。ゲスト扱いされず、昼ごはんの弁当も自分で作らされ、なんだか自立した生活を送っているよう。

それが不思議と居心地がよく、家族の一員になっているかのようにも感じた。

今でも忘れられない一夜がある。

Maxおじちゃんと二人でテレビを見ていた時、珍しく真剣な顔で話しかけられた。

"日本の戦争を含む今までの歴史についてどう思う?"

"英語で話すこともままならないのに、歴史の話?しかも戦争とか超センシティブなトピックじゃん。。。"

私はそう思った。

そして、

"どんな事情があれど戦争はよくないと思います。"

なんとか単語を並べてそう言った(気がする)。すると、こう返された。

"なるほど。そう考えるのだな。人は歴史から学び、今後の人生に生かしていくものだ。経験や体験から人生観を作っていくのだよ。それを一言でphilosophy(=哲学)というんだ。よく覚えておくといいさhahaha"

当時私は、その単語知らなかった。けど、なんかかなり大切なことな気がして、寝る前に辞書で聞いた音からスペルを探し出してやっとその単語にたどり着いた。

"哲学だったのか。。。"

ホームステイ生活で教えられたのは、単純な英会話だけでなくMaxおじちゃんの"哲学"そのものだった。

それ以来、その言葉を見たり聞いたりする度にMaxおじちゃんの笑みを浮かべた表情がくっきりとフラッシュバックするのだった。


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