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世界写真紀行 vol.4(南アフリカ/ ケープタウン)

アフリカ大陸最南端の国、南アフリカで栄る都市ケープタウン。ヨハネスブルグ=プレトリアについで南アフリカ第2の経済規模を持つ大都市圏であるこの都市は観光資源も豊富。中心部は西欧の雰囲気を残しながらも、アパルトヘイトの負の遺産を至る所で感じ取れるのもこの都市の特徴とも言えよう。

俗にいう"映えスポット"も数多くあるのだが、今回はGroote Schuur Hospitalで撮った一枚を。

あまり知られてないが、実はケープタウンは1960年代に世界で初めて心臓移植手術が行われた場所。Groote Schuur Hospitalがその初の病院なのだが、院内にはThe Heart of Cape Town Museumと呼ばれる博物館がある。
移植手術室がリアルに再現されており、模型で当時の様子を学ぶ事ができる。

これまで、心臓移植に関して様々な議論を繰り広げてきた世界ではあるが、当時、イギリスやアメリカでは倫理的観点から移植に関して反対派が多数だったそう。それでも、クリスチャン・バーナード医師は犬などの動物で実験を重ね、人間でも心臓移植を行った。これを機に、世界でも徐々に心臓移植に対する考え方変わり、賛否両論が飛び交った。(中にはドナーが黒人で移植を受けるのが白人だったことからアパルトヘイトを絡ませた批判が彼に対して起きたもの事実)

もちろん、全て倫理観が解消されたわけではないが、反対をよそに進めた事で今日の医療に大きな前進をもたらし助かっている人がいる事を考えると、簡単に良し悪しを判断できる事ではない。

そして、1960年代の世界情勢・優劣関係を考えると、世界初の場所がここケープタウンだった事は何となく想像が出来てしまう。命が他の命を救う。どの国のどの人種であっても、命の重みは同じであるべきと強く考えさせられる。


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