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大学生|21歳|普段感じていることや思ったことをエッセイ風に、1200字程度でまとめて…

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大学生|21歳|普段感じていることや思ったことをエッセイ風に、1200字程度でまとめています|ときどき短編小説も書いています

マガジン

  • かなり短い小説

    2000字未満の自作の超短編小説をまとめました。

  • 少し長めのお話

    1600字以上の自作エッセイです。原稿用紙だと、4枚分以上の文章量にあたります。

  • 特に好きな記事

    他のクリエイターさんが書いた記事です。特に好きなものを集めました。

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書店という場所

僕は、書店に行くことが結構好きだ。といっても、「読書がめちゃくちゃ好き」とか「欲しい本が山ほどある」というわけではない。「書店」という場所自体が好きなのだ。そこでしか感じられない心の動きを求めているのである。 何気ない日常の中で「ちょっと本屋に行ってみようかな」と思いつき、特に買う本も決めずプラッと本たちが整列する空間に足を踏み入れた瞬間の「非日常に飛び込んだ」ような感覚。 本棚の本たちを順に目でなめまわしているうちに、今まで自分が読んだことのあるタイトルに出会った瞬間の

    • 友との会話【短編小説】

      「ねえ」 隣のベッドから小さな声がした。 「ねえ。ハル、起きてる?」 必死に寝よう寝ようと閉じていた瞼をしょうがなく開けると、常夜灯のやわらかい光が飛び込んできた。 「んー? なにー?」 わざと気だるそうな声で返事をしながら、左手を枕の下に突っ込んだ。 「あのさ、明日の朝、起こしてくんね?」 俺が起きていると分かって安心したからか、いつもの声量に戻っている。 「明日?」 「そう」 「まあ、別いいけど。何時?」 左手を、頭の下で車のワイパーのように動かしな

      • 7月1日、病院にて。【創作大賞2024】

        僕らは今、大学病院の5階のエレベーターの前にいる。 薄橙のランプに照らされる数字が1、2、3……と1つずつ大きくなっていくのをぼんやりと眺めながら、さっき会ったばかりの祖父の姿を思い返していた。 ・ ・ ・ 7月最初の日の昼下がり。夏本番前のやや強い日差しを浴びながら、祖母と2人で病院にやってきた。4月から脳梗塞で入院している祖父に会うためである。 病院の自動ドアを1つ2つとくぐると、そこはまさにオアシス。暑さをしのぐには十分すぎる環境に、病院嫌いの僕でさえ、できるだ

        • Write within 45 minutes

          45分。 この時間の中でnoteを書き切る。 そう決心をしたのが、本日21時10分。 とりあえずタイトルを決めて、それに合う画像を挿入する。 Chromeの新しいタブを開いて「タイマー」と検索。 一番上に表示されたサイトをクリックして「00:45:00」をセットする。 一番左に表示された「スタート」をクリックすると、1秒ずつ1秒ずつ数字が減り始めた。 いつもは時間をかけてnoteを書いている。平均すると2時間くらいになるだろうか。 が、たまには短い時間で仕上げ

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        書店という場所

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          初めてを思い返して

          最初にその「カラオケ店」を訪れたのは、3年前の7月上旬。ちょうど今くらいの、梅雨がようやく明けようかという時期だった。 自動車学校に通い始めたばかりの頃だ。1時間くらいの講習が終了したあと、ふと近くにカラオケ店があることを思い出した。 小さい頃に音楽教室に通っていたこともあって、音楽はもとより歌うことも好きだった。「歌好きはカラオケに行く」みたいなイメージを抱いていた一方で、僕自身はカラオケに行くことはなく、Nintendo Switchの家でできるカラオケを年に数回嗜む

          初めてを思い返して

          書くと、うまる。

          冬と春の境目。道路に積もる雪が解け、日差しの暖かさが徐々に感じられるようになるこの時期は、「式」と付く学校行事がやたらと多い。 卒業式。終業式。離任式。 入学式。始業式。新任式。 一年の終わりと始まりとを告げる式たちは、次の年も同じ順番でやってくる。小学校入学以来繰り返される「式」のルーティーンは、四季の移ろいをも私たちに感じさせる。 そんな「式」と付くイベントや修学旅行、学校祭や運動会といった、学校生活の中で経験する回数が少ないイベントは、「学校の思い出」に残りやす

          書くと、うまる。

          たまには「与えられたテーマ」で書くのも悪くないんじゃない?【1】

          「トークテーマガチャ」というサービスをご存じだろうか? サイトには、以下のようにサービスの概要が記されている。 話のテーマ(話題)がガチャガチャのようにランダムに出現するサイトだから、名前が「トークテーマガチャ」。 完全にランダムにお題を生成することもできるし、「恋愛」や「悩み相談」といったカテゴリを選択してテーマを表示させることもできる。 まだ使ったことのない方はものは試し、ぜひ一度サイトを開いてみてほしい(無料で使えるサービスです)。 前置きはここまでにして、今

          たまには「与えられたテーマ」で書くのも悪くないんじゃない?【1】

          21歳の僕から、21歳の僕へ

          まずは、誕生日おめでとう。 折角の誕生日だから(というのは理由にならないかもしれないけど)、今日は、僕自身に向けた文章を書くことにする。 まあ、noteという「パブリックなサイト」に投稿する性質上、「この文章はこれから誰かに読まれる」と考えながら書くわけだから、本当の意味で「僕自身に向けた文章」にはならないよね。読みやすいように、体裁を整えていくから。でも内容は、内容だけは、自分にしか分からな(くてもい)いくらいの「パーソナルな領域」で展開していくことにしようと思う。

          21歳の僕から、21歳の僕へ

          自宅の中の公共

          普段、自宅で勉強したり、何かの作業をしたりする時には、自室よりも共有スペースにいることの方が圧倒的に多い。 共有スペースとは、家族の誰もが好きなタイミング使える部屋のこと。 広さ10畳ほどの空間には、100冊以上の本が置かれた2mの背丈の本棚、テレビ台と大型テレビ、横になって寝られる大きさのソファ、雑多な物入れと化した扉付きの棚が、四方の壁に沿って配置されている。 部屋の中央に鎮座する脚の短いテーブル。その上には、テレビのリモコン、飲みかけの缶ジュース、読みかけの本、ウ

          自宅の中の公共

          今後の抱負を少しだけ

          いつもnoteを見てくださりありがとうございます! かなりあです。 昨年の誕生日(6月9日)以来、毎週投稿しているnote。 実は、先週でちょうど50週連続での投稿となりました!! 普段は「エッセイ」や「短めの小説」を主に書いていますが、今回ばかりは決意表明というか、読者のみなさんに向けてのメッセージというか、とにかくいつもと違う感じの文章に仕上がっていると思います。 これが51週目の投稿になるわけですが、まずは、毎週それなりにまとまった量の文章を書き続けてきた自分

          今後の抱負を少しだけ

          空き地を巡る考察

          自宅から30mほどの所に、空き地がある。 最寄りのコンビニに行く途中、最初に出くわす十字路の角にそれはある。月に2~3回のペースでそのコンビニを利用するので、往復を考えると毎月4~6回はその空き地の脇を通っていることになる。 テレビを観るときにリモコンを押さなければいけないのと同じように、「コンビニに行く」という目的を遂行するためには、この「空き地を通り過ぎる」ことを避けては通れないのだ。 空き地は、よく見ると綺麗な長方形をしている。目算では、長い辺が20メートル、短い

          空き地を巡る考察

          二人旅の断片 -2-

          2024年5月5日。 今年70歳を迎える祖母と二人で小旅行をした。 その旅の断片的な記録を、ここに残しておくことにする。 ▼前回のnoteをみる 16:10-16:20 p.m.街を一通り散策した僕らが、最初に降り立った駅に戻って来たのは、16時を少し回った頃だった。 「この後どうする?」 駅に入って真正面にある白い時計をみながら、隣に立つ祖母にお伺いを立てた。 すでに指定席券を購入した帰りの列車が来るのは、19時30分。 それまでたっぷり3時間はある。 祖

          二人旅の断片 -2-

          二人旅の断片 -1-

          2024年5月5日。 こどもの日の今日、今年70歳を迎える祖母と二人で小旅行をした。 その旅の断片的な記録を、ここに残しておくことにする。 around 6:00 p.m.今、とある駅の待合室にいる。 市のメインステーションではあるものの、「田舎の駅」には違いないらしく、自分と祖母を除いては、もう一人しかいない。ゴールデンウィークの盛りだというのに、とてつもなく閑散としているのだ。 駅構内に等間隔で鳴り続ける「ピーーン ポーーン」という電子音。 待合室の壁を隔てた外

          二人旅の断片 -1-

          桜の花の散る頃に

          先週の一週間、家族4人のグループLINEは、鮮やかなピンク色に彩られていた。 というのも、父が連日のように桜の写真を送ってきたからである。 自宅のそばの道路沿いの桜並木。 夜になるとライトアップされる、家から少し離れた川沿いの桜並木。 画像のサイズから、どれもスマホで取られたことは明らかだったが、空の色から撮影された時間帯はバラバラ。 車から撮ったものもあれば、歩きながら撮影されたものもあった。 父は、昔から写真が好きだ。 一眼レフカメラも持っている。 最近は

          桜の花の散る頃に

          あなたの価値とわたしの価値 -2-

          今回も、前回に引き続き「人の価値」についての自分の考えを整理していくことにする。内容に目を通しながら、ぜひみなさん自身の考えと比較したり、自分なりの考えを構築したりしていただけたらと思う。 「人の価値」について考えることは、人たる「自分の価値」について考えることに他ならない。このnoteが、みなさんが「みなさん自身の価値」と向き合い、それに気づくきっかけになることを切に願っている。 ▼前回書いた記事はこちら ▼上の記事の(ちょっと長めの)要約 前回は自分の考えを紹介す

          あなたの価値とわたしの価値 -2-

          あなたの価値とわたしの価値 -1-

          高3の冬、知人から借りた本の内容がいまだに忘れられない。 タイトルは忘れてしまったが、「自己肯定感の高め方」に関する本で、英語の原典を日本語に翻訳したものを読んだ。実際にどうすれば自己肯定感を高められるのか。本に書かれたワークに取り組むことで、実践的に自己肯定感を高められる設計になっていた。 実践に重きを置いた書籍ということもあり、教科書サイズの分厚い本の大半をワークが占めていた。僕の印象に残っているのはそのワークではなく、本の最初の方にあった「人の価値に関する話」である

          あなたの価値とわたしの価値 -1-