上原かなめ

レーニンが自然成長的闘争の目的意識的闘争への転化を論じたとき、それはプロレタリアートの…

上原かなめ

レーニンが自然成長的闘争の目的意識的闘争への転化を論じたとき、それはプロレタリアートの闘争の質的転化を求めたものであるだけでなく、指導の自然成長性と決定的に対決することを求めたものである(藤本進治)/Twitter(上原要)→@llw_ryudo

最近の記事

ビラまきについて―向井孝「ビラについて」を読む

補足・昔、ミニコミに書いた文章。向井孝についてはちゃんと読みたい。  詩人・活動家としてしられる向井孝(1920-2003)は、「ビラについて」において、「文字」が印刷されている紙切れにすぎないものがいかなる意味において「ビラ」なのかと問うた¹。そして、その「文字」が意味する①「内容」と、形象化の②「技術」、そのようなビラの③「まき方」の3点の完全な具備がビラをビラたらしめるとした。このような意味をもつビラについて考察する視点はいくつかある。例えば、すでに行動している人に自

    • 越年越冬報告ならび桐島聡さんのこと

      一支援者として関わる釜ヶ崎の越年越冬闘争報告を市民運動のニュースレターに頼まれ書いていたら、いつのまにか東アジア反日武装戦線・さそり部隊の桐島さんのことも述べていた。以下転載。 釜ヶ崎・旧あいりん総合センター越冬闘争報告  年末年始(12/29-1/4)、旧あいりん総合センター周辺で5回目の越冬闘争を行った。2019年閉鎖のセンターでは、シャッター沿いを中心に野宿の仲間が生活をしている。翌年には立退を求めて府が提訴、下級審では府側の主張が基本通り続け、現在最高裁判決まちだ

      • [転載]釜ヶ崎(大阪)・越年越冬闘争(12.29-1.4)支援にぜひ来てください

        「釜ヶ崎に連帯する学生の会」の越年越冬ビラからの転載。あいりん総合センターにおける越冬は5回目となる。①釜ヶ崎の歴史と現在、②日雇労働者運動の経験や思想の野宿者運動における継承(困難さ)についての学習会は期間中にやる。以下転載。 ■越年越冬闘争とは、年末年始に仕事が減り、また各種行政機関が閉まることにあわせて、日雇労働者・野宿者・支援者で助け合おうという試みで、全国各地、長い歴史があります。布団しき(野宿者等が寝る場所づくり)や炊き出し・共同炊事の他、映画上映会や餅つきなど

        • 映画『月夜釜合戦』上映会にいって

          以前宣伝をした映画上映会の感想を市民運動のニュースレターに書きました。以下。 5月28日、釜ヶ崎が舞台の喜劇映画『月夜釜合戦』(佐藤零郎/2017年)上映、併せて、監督の佐藤零郎さんと女性史研究者の村上潔さんの対論企画を、野宿者支援に関わる学生有志が主催し、私も手伝いつつ参加した。 ヤクザの跡継儀式に必要な盃(釜)がなくなり、それを探して街中の釜が漁られる争奪戦が本作の軸となる。ヤクザという限られた共同体内でのみ通じたコードが失効し、金銭、あるいは(争奪の最中に死んだ父親か

        ビラまきについて―向井孝「ビラについて」を読む

          [転載します]5/28映画『月夜釜合戦』上映会

          再開発下の釜ヶ崎を舞台にした喜劇映画『月夜釜合戦』(佐藤零郎監督/2017)の上映会とトーク(佐藤監督と女性史研究者の村上潔氏)が京都で行われる。釜ヶ崎支援の有志(釜ヶ崎と連帯する学生の会)で企画。以下、ビラ文章を転載する。 日雇い労働者の街として知られる大阪・釜ヶ崎――近年は福祉化・高齢化の進む「あいりん地区」として有名――は、エネルギー産業の転換に伴う炭鉱からの離職者や、都市化の進む農村を離れる者、諸々の事情からこの地に流れ着いた者までを、流動的な労働力として集約し、高

          [転載します]5/28映画『月夜釜合戦』上映会

          渋谷区の野宿者排除と再開発

          補足:知人が関わっている『都構想パンフ訴訟を支える会ニュースレターvol.11』(2023年1月15日発行)に書いたものに誤字等修正し写真を追加。渋谷区による再開発のための野宿者追い出しに対して、多くの仲間が抗議電話をしたり現地行動に参加しており、私も昨年12月に少々現地へ行った。なお、本文中で言及される神宮通公園では、年末年始の越年越冬闘争を貫徹、また、昨年12月14日以来の「利用禁止」は2023年2月1日付で解除された。渋谷の状況については、野宿当事者団体「ねる会議」、野

          渋谷区の野宿者排除と再開発

          [転載]キム・ミレ『狼をさがして』上映会+トークのお知らせ

          知人・友人たちと共同で映画上映企画をやります。以下、関西コミュニズム研究会のブログより引用します。 キム・ミレ『狼をさがして』上映会+トークのお知らせ ☆キム・ミレ『狼をさがして』上映会+トーク企画 1970年代に爆弾闘争をもって戦争/戦後責任、新植民地主義といった日本の現在と過去を問うた東アジア反日武装戦線。そのメンバーと周囲の足跡を追ったドキュメンタリー映画である『狼をさがして』(キム・ミレ/2020)の上映会を、『狼をさがして』上映運動事務局の提起するミニ自主上映会

          [転載]キム・ミレ『狼をさがして』上映会+トークのお知らせ

          [転載]2021-2022越冬闘争へのよびかけ

          2021-2022年の釜ヶ崎ー大阪の越年越冬闘争への参加・協力をよびかける「2021-2022大阪越冬闘争に連帯する学生の会」(有名?な「学生企画ネットワーク」ではない)のビラから転載する。「2021-2022大阪越冬闘争に連帯する学生の会」は、小規模ながら釜ヶ崎のセンターやその他大阪各地の越冬闘争に連帯、また、各地の野宿者支援・運動に関わる学生の理論的実践的交流をするかたちで展開する。 2021-2022越冬闘争への呼びかけ 再開発下の釜ヶ崎 日雇い労働者の街であり、

          [転載]2021-2022越冬闘争へのよびかけ

          重層的な革命運動史学習の一助に ――風間竜次『でくのりゅうの釜ヶ崎無宿―挽歌とノスタルジー』(2021年2月)を読んで

          ■「大阪環状線新今宮駅に降り立った。一九七一年五月のことだ。まず目の前の光景に圧倒される。」からはじまる本書は、山谷や釜ヶ崎といった寄せ場をはじめとする運動――担った人々は「流動的下層労働者」という概念を生成させたといえるだろう――で闘い、この本の完成直後に亡くなった風間竜次氏による1970年代前半から80年代前半の釜ヶ崎時代回想録である。「「現状打破」のエネルギーが満ちており、こうした民衆の主体的行動が「世直し」の根本だ」と「興奮しながら確信」する暴動との出会いから、立場

          重層的な革命運動史学習の一助に ――風間竜次『でくのりゅうの釜ヶ崎無宿―挽歌とノスタルジー』(2021年2月)を読んで

          1985 山谷から 2021 釜ヶ崎へ―――『山谷 やられたらやりかえせ』によせて

          ●寄せ場の共同性  昨年から今年にかけて、ドキュメンタリー映画『山谷 やられたらやりかえせ』(以下『やらやり』)を何度かみる機会をもった。日雇い労働者の街・山谷で支援活動を担っていた佐藤満夫が 1984 年に撮影をはじめた矢先に右翼暴力団に殺され(冒頭はそのシーンである)、翌年に山岡強一を中心とした有志が佐藤を引き継ぐかたちで制作・完成させ上映運動を続けている作品が「やらやり」である(山岡も完成後に殺された)。山谷を中心に横浜の寿、名古屋の笹島、大阪の釜ヶ崎、福岡の築港と

          1985 山谷から 2021 釜ヶ崎へ―――『山谷 やられたらやりかえせ』によせて

          学費・奨学金・学生運動についてのノート

          <このノートについて> 少し前に大学問題の学習会をやったときの資料から抜粋する。雑すぎる、というのが今ふりかえった感想(何が雑かもまとめたい)。私はいくつかの論点の担当者で、栗原康の『学生に賃金を』完全版=『奨学金なんて怖くない』と『国際労働運動』誌(今年8月号で休刊)の大学改革批判特集に大雑把な論理を依拠して2日間くらいで急づくりしたのは懐かしい。「コロナ情勢」において全国的に登場した「学費減額運動」をあまり追うことはできていないが(ただしいくつか注目すべき動きはある)、

          学費・奨学金・学生運動についてのノート