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渋谷区の野宿者排除と再開発

補足:知人が関わっている『都構想パンフ訴訟を支える会ニュースレターvol.11』(2023年1月15日発行)に書いたものに誤字等修正し写真を追加。渋谷区による再開発のための野宿者追い出しに対して、多くの仲間が抗議電話をしたり現地行動に参加しており、私も昨年12月に少々現地へ行った。なお、本文中で言及される神宮通公園では、年末年始の越年越冬闘争を貫徹、また、昨年12月14日以来の「利用禁止」は2023年2月1日付で解除された。渋谷の状況については、野宿当事者団体「ねる会議」、野宿者支援団体「渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(通称・のじれん)」の発信を参照されたい。なお、渋谷共同炊事では、韓国海苔茶漬けがとくに美味しかった。以下本文。

 昨年12月20日に、野宿者が生活し、また長年共同炊事や越年越冬闘争に使われていた東京・渋谷区の美竹公園で行政代執行が行われた。近年、東京オリンピックをもひとつの大きな名目として(建築物の高さ規制緩和、大量の樹木の伐採も行われようとしている明治神宮外苑再開発など典型だろう)、その前後で次から次へと公園も対象とした再開発が進んでいる。美竹公園のすぐ近くにあり、野宿者を追い出した後、いまや商業施設の屋上に「公園」とされるものがある宮下公園の事例は多くの話題を集めたことだ。今回代執行も東京都と渋谷区の共同による「渋谷1丁目地区共同開発事業」で、私企業(清水建設とヒューリック)に公園をふくむ土地を貸し、新施設=オフィスビルとそのおまけ的な「公園」を建設・運営させるためのものである。

 昨年3月に事業者が公表された後、渋谷区は工事開始は年明け以降と説明していたにもかかわらず、突然10月25日に水道やトイレを使えなくした状態で公園出入口を閉鎖し生活していた野宿者の監禁を行った(当事者、支援者の頑張りで出入口1か所の開錠はさせ、しばらく共同炊事なども行われていた)。その後、野宿者・支援者は代替地提供などについて話し合いを区に求めてきたが、区は行政代執行の手続きをひたすら進め、12月14日には美竹公園で生活していた野宿者が避難していた同じ区内の神宮通公園を急襲し、野宿者・支援者の身体拘束、さらに野宿者の身分証や処方薬もふくむ生活必需品強奪という暴挙をつづけた。

 その後、冒頭で述べた12月20日の美竹公園行政代執行がなされたのだが、その間、10月25日や12月14日のような何の法的根拠もない身体拘束や荷物の強奪をしてきた区が再び神宮通公園を襲撃する可能性が高まっていたため、当事者団体による支援結集のよびかけに応え、筆者も大阪から渋谷へ何日間か行っていた。カジノを典型に、東京と同様、現に生きている人間のためではなく公共空間をたたき売りするような開発を「成長をとめるな」というスローガンと共にすすめる維新・大阪のもとで野宿者排除が進む釜ヶ崎で集めた寄せ書きももっていった(追い出しをめぐる裁判の高裁判決は12月14日であった、これについては本ニュースレターで別の方が書いているとのこと)。なお、私が帰阪する日には、本当に大変ななかにもかかわらず、励ましの言葉、釜ヶ崎への寄せ書きを渋谷の皆さんからいただいた。渋谷区のこれ以上の暴挙を許さないように監視と抗議を!渋谷の仲間に連帯を!再開発より生きる権利!都構想パンフ裁判も維新の開発政治を止めるために重要だと思います。頑張ってください。

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