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[転載します]5/28映画『月夜釜合戦』上映会

再開発下の釜ヶ崎を舞台にした喜劇映画『月夜釜合戦』(佐藤零郎監督/2017)の上映会とトーク(佐藤監督と女性史研究者の村上潔氏)が京都で行われる。釜ヶ崎支援の有志(釜ヶ崎と連帯する学生の会)で企画。以下、ビラ文章を転載する。

日雇い労働者の街として知られる大阪・釜ヶ崎――近年は福祉化・高齢化の進む「あいりん地区」として有名――は、エネルギー産業の転換に伴う炭鉱からの離職者や、都市化の進む農村を離れる者、諸々の事情からこの地に流れ着いた者までを、流動的な労働力として集約し、高度 経済成長期以来のインフラ整備に大きな役割をはたしてきた。
行政は<男性・単身・労働力>供給の場として釜ヶ崎を位置づけてきたが、長い歴史でみると、この地域は家族連れも住むところの「スラム」 であり、また、見えにくいかもしれないが、釜ヶ崎を出たり入ったりしてきた/している人々もいうまでもなく<(日本人)男性・単身・労働力>に還元しえない存在である。そして、ときには行政・資本が求めるこうした役割に個人の身体レベルから集合的な共振関係にいたるまで、(目にはみえにくくても)抵抗(の試み)がなされてきたはずである。
労働市場の規制緩和・世界的な資本蓄積行き詰まりから「釜ヶ崎が全国化した」と言われて久しい。行政・資本は、均質的な労働市場から均質的な商業空間へと釜ヶ崎に求める役割の転換をはかり再開発と野宿者排除を進めている。野宿者に大阪府が立ち退きを求める裁判も最高裁にまで至っている。釜ヶ崎で生きてきた人々は存在も記憶も何重にも存在を消されようとしている。
そこで、映画『月夜釜合戦』――再開発下の釜ヶ崎を舞台にした喜劇であり、そこにはセックスワーカーやいわゆるゴロツキにいたるまで雑多な人々がうつしだされ、走り回る――の上映、そして監督・佐藤零郎氏と、ジェントリフィケーションや社会周縁部の女性の自律的実践に焦点をあてた論考がある女性史研究者の村上潔氏のお話を聞く本企画を、野宿者支援などに関わる有志で行うことにした。
先述した釜ヶ崎の事態をとらえ、そこで排除されようとしている人々と共にあるために、そして、かつて「釜ヶ崎から世界が見える」とも言われてきたが、同時に「世界から釜ヶ崎を見る」ために私たちは何をできるかを考える機会としたい。


ビラ


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