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Sequel-2

A sequel to the story。後日談。これまでに書いたNoteの後日談もろもろ。過去Note記事は、文中クリックで読めます。今回は、Tatooの記事、Olde Englishという我々のなれそめ記事、そしてお犬の記事の後日談。

比翼連理

Tattooの記事を書いた後、私たち夫婦のTattooを入れてくれているTattooアーティストの友人(新郎)の結婚式へと出席した。

とはいえ、彼と新婦の間にはすでに2歳になる子供がいる。アメリカあるあるなのだが、子供ができてもすぐに入籍せず、数年してから入籍したり、式を挙げるケースが割と多い。子供ができたから結婚する(注:それが良いとか、悪いとかの話ではない。どんな形にせよ結婚というのはめでたいものであるべきだ)のではなく、子供を産んで、育ててみて、まぁ一緒にイケそうかなと思ってから入籍、式をあげる、的な気持ちなんだろうか。よくわからんけど。

我々の場合は、裁判所で籍を入れて終了だった。当時はものすごく貧乏だったし、私は日本の家族に絶縁されていた。というのもあるけど、そもそも私は幼い頃から、結婚するとか、結婚式をあげるというビジョン皆無で生きていたから、アルゴと入籍した事は、私にとっても私を知る身近な人たちにとっても、大きなサプライズだった。

ともあれ、結婚式というのはやはり素敵。コロナの影響もあり、式の規模は50人程度。ほとんどが家族で新郎新婦の友人は20人くらい。式の流れだとかは、いわゆるTraditional(伝統的)な感じの式で、新郎新婦の初めてのダンス、花嫁とその父親のダンス、なぞあった。

正直なとこ、見た目も、生き方もワイルドな友人であるので伝統的な結婚式を行ったことに我々は少々驚いた……ので、それを彼に言ってみたら、そりゃぁ、あんた、嫁の希望よ!なんだそうで、式場選びから諸々はすべてお嫁さん主導だったそうだ(納得)

結婚を宣誓する牧師役的な人の新郎新婦紹介がこちら。「新郎は皆さん、ご存じのようにタトゥーアーティストです。この中でタトゥーを入れていない人は速やかに着席してください」という言葉にどっと笑いが出て、座ったのは5人ほどのおじいちゃんたちだけだった。

新郎新婦を始め、カップルの友人らはすべてタトゥー入り、ボディピアス入り。ちなみに新婦はヨガの先生である。

友人は、数年前、子供ができたとわかる(教えられる)3日前くらいに我が家に遊びに来ており、その時「まぁ、俺も結婚するかわかんないし、てか、子孫なんて作れると思わないからねぇ」なんて言っていたのに、その時にはすでに子供ができていたのだから、人生というのは本当にわからないものである。

そんな彼に、式の前に何か漢字のタトゥー入れたいんだよね。夫婦円満的な、永遠のパートナー的なさ、と言われて教えたのがこの言葉。「え~漢字とかやめときなよ!」とは言ったのだけど。

ちなみに何故私が、ここまで頑なに反漢字タトゥー派なのかというと。学生の頃、学内で唐突に聞かれた。ねぇ、あんた、この漢字の意味わかる?そう聞いてきたごっつい白人の男の子の首には、『悪亀』と彫ってあった。

……悪い亀とは?……

これ、バッド・ドラゴンって意味?と聞かれ、すまん……いや、言い難いけど、悪い亀ってかいてあるよ……と、答えた。彼は瞬時に泣きそうになっていた。いや!その!私は日本人だから!もしかしたら中国語ではバッドドラゴンかもしれん!と必死にフォローしてみたけど、悪亀の彼のあのショックに泣き出しそうな表情を私は一生忘れないだろう。悪い亀。それ以来、意味の分からん漢字をタトゥーはやんないほうが良いよ派なんである。

ともあれ、悩みに悩んで、調べに調べて教えたのがこの言葉。比翼連理。これからも夫婦仲良く、幸せな家族であってほしいものである。

比翼連理 ひよくれんり
夫婦の情愛のきわめて深いことのたとえ。男女のちぎりの深いことのたとえ。「連理」は連理の枝のことで、根元は別々の二本の幹でも枝が一つに連なっている木。


阿吽之息

Olde English800にて我々夫婦の出会いを書いた数日後のこと。家でだらだらと飲んでいたら夫アルゴが突然、「ねぇねぇ、初めて会った時の事、覚えてる?」と聞いてきた (注:備忘録3で書いたデトックスより前のこと。ちなみに飽き症な我々夫婦にしては珍しくデトックス、ダイエット、続いています)

なんぞ、この人。私のNoteの存在を知っているのか…?(驚)いや、知っていても読めないだろう。アルゴはある程度の日本語を話すし、ひらがな、かたかな、漢字はいくらか読み書きできるが、さすがにまだ小説とかこういったブログ的な記事をすらすら読めるというレベルではない。そんなことを考えていると、アルゴは続けた。

「俺はさぁ、覚えてるよ。髪は明るい茶色のボブで、前髪を小さなピンで何個か止めていて、フープのピアスをしてた。ジーンズ生地のネイビーのワンピースを着てたよね」(うふうふ)

この(うふうふ)はその時アルゴのニヤけ顔を表現してみた。

「覚えてないと思ってたでしょ?覚えてるんだなぁ、これが」(うふうふ)

えらく得意げだった。びっくりした。だって、その通りだったのだ。アルゴは記念日だとかそういうことにあまりこだわりのない人だから、写真もないのにそこまで覚えてること、今までこんな会話をしたことはなかったのに、出会いの話を書いた直後にこんなことを言い出すのにもびっくりだった。

青色のフットボールチーム、ジャージ素材のTシャツ。白いラインと数字入り。黒いジーンズ。髪はギチギチに編み込まれたブレード。足元はティンバーランドの茶色いブーツ。

それが出会った時のアルゴの格好。それを言ったら、え、覚えてたんだ?と言われたので、そりゃぁ覚えてますともさ、と私も(うふうふ)と笑った。

ちなみに出会いの記事のタイトルにしたOlde Englishは、最近はもう飲んでいない。ビール自体をあまり飲まなくなった。最近の我が家の晩酌は、ピノグリージョ、プロセッコ、もしくはHard seltzerというアルコール入りのスパークリングウォーター(ここ2年くらいで人気のアルコール。低カロリー、グルテンフリー)である。


阿吽之息 あうんのいき
吐く息と吸う息。複数の人が共同で作業をするときのお互いの微妙な調子。またそのとき、気持ちが通じ合い、ぴったりと息があうこと。


愉快活発

今月で生後7か月を迎える大五郎さん。相変わらず、でかく、ついに父犬であるリンゴの体格を追い越してしまった。どこまでデカくなるのであろう。

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そんな大五郎さん。去勢手術を受けてきたのです。そもそもリンゴとまめ(母犬)はアルゴに繁殖目的があったので、去勢はしなかった。しかし、大五郎さんは、セラピードッグにしたいので、去勢は条件の一つ。

セラピードッグの資格のことは、自分から言い出したくせに、アルゴは去勢手術に対して複雑な気持ちだった「だって、男じゃん?シンボル取られるのやぞ?かわいそうじゃん。俺のタマまでひゅってなるよ!」という謎の言いぐさ。

去勢をすることで将来的に精巣腫瘍、前立腺ガンなどが防げる。男性ホルモンに影響される疾患、肛門周囲腺腫も。肛門周囲腺腫は未去勢の雄犬に発生する、ホルモン依存性の腫瘍なのだけど、リンゴはそれになりかけて2歳くらいの時に大変なことになったことがある。おしりが真っ赤に腫れあがり、大きな腫瘍のようなものができ、それが破れて大量の膿が出たのだ。治療に3か月ほどかかった。痛そうだし、可哀そうだったし、通院は大変だったし、本当に大変だったのだ。そしてマーキングやストレスが減る、望まない繁殖も塞がなくてはいけない、といった説明を何回も、何回もしてようやく手術日を迎えたのだ。

私だって体はデカいとはいえ、まだ子犬の大五郎さんが全身麻酔をしたりするのは心配である。手術日は祝日で、犬たち3匹をみんな連れて獣医さんへと行った。朝8時に連れて行って、迎えに行ったのは夕方の4時半。

帰宅するとまめはずっと大五郎を探し、いつもは塩対応のリンゴもまめに付き添って1日中、あちこちを嗅ぎまわっていた。

迎えに行った大五郎は、エリザベスカラーをつけられ、くーん、くーんと泣き続け、ぶるぶると震えていた。獣医さんはもちろん、完璧に手術をしてくれたし、一連の経過はスタッフの方々がきちんと対応してくれた。でも怖がっている大五郎を見て、心が痛んだ。手術そのものではなく、知らない場所(病院)にずっと滞在することや、いつも周りにいる飼い主や犬たちがいないことに過度のストレスを感じるのだという。

薬を受け取り、会計を済ませてアルゴの待つ車に戻る。アルゴは、大五郎を抱きしめたが、その間もまだ泣き続け、震え続けていたので「だから!いやだっていったの!可哀そうじゃんか、こんなにおびえて。痛いのかもしれない。どうしよう、ううう」などと言いながら泣き出した。

アルゴは本当によく泣く。180センチ超え、体重100キロ。アルゴは非常に体格のいい人なのだけど、その大男が子犬を抱きしめておいおい泣いていた。ごめんね、ごめんね(日本語)と言いながら。

しばらくはぐったりとしていた大五郎さん。手術の後は何も食べないかもしれないし、ぐったりしているかもしれないけれど、それは普通だからとにかく様子を見て休ませてあげてね、と言われていたのだけど。

大五郎は2時間後には、もりもりごはんを食べ、しっぽをぴこぴこ振りながらリンゴとまめと遊んでいた。しかもおやつまでねだる。おっそろしく回復が早い。なんだこの犬。半日~丸一日くらいは元気がないと言われていたのに、元気がなかったのは2時間ほどであった。

「俺の嘆きと涙は一体……」と、アルゴは茫然としていたが、そろって胸をなでおろした。犬を飼うというのは、本当に色々な責任が付きまとう。去勢の件にしても、人間のエゴかな、でも元気に生きて欲しいという思いがせめぎあった。

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そして翌日。お留守番カメラを見ていたらカラーを外していて、慌てて帰宅。元気ぴんぴんの大五郎さん。

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取れないように2重にカラーをつけたった!犬馬鹿なのだけど、大五郎さんは巨大児だけど、とてもハンサムさんだと思う。これからも元気に楽しく成長していただきたいものである。


愉快活発 ゆかいかっぱつ
楽しく活き活きとしてとして気持ちのよいこと。元気のあること


(終)

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