memorandum-3
memorandumというのは、備忘録のこと。最近、うひゃー(驚)となった事を書き留めておく日記のような感じの小話。今回は小話2つ。今回は最近、というか先週の話。
暮雲春樹
「最近さぁ、ナイジェルどうしてんの?」
ナイジェルというのは夫アルゴの友人であり、車の整備士さんである。アルゴはバイクに乗る人でナイジェルはそのバイク仲間なのだけど。車がパンクしたり、車のトラブルであわわわ……となった時に頼りになる人である。AAA(いわゆるJAFのようなロードサービス)より迅速である。
何で唐突に私がナイジェルのことを思い出したか。それは近々、アルゴの親友の命日が来るからである。バイク乗りだった友人は3年前に車の事故で亡くなった。アルゴとナイジェルをつないだのが、その亡くなった友人。
ここいらの秋はとても美しい。紅葉が綺麗で、すぐに来てしまう極寒豪雪の季節を前にバイカーたちはよくツーリングにいく。亡くなった友人が生きていた頃。この時期は毎週末、やっかましいバイクで亡友、ナイジェルがやってきてはアルゴをツーリングに連れ出していたからだ。
親友が亡くなって以来、アルゴはツーリングに行くことは無くなり、ナイジェルとの連絡も滅多にしなくなっていた。アルゴは「う~ん、いやもツーリングとかでバイク乗る気になんないし。ナイジェルからも連絡来ないからまぁいっかなぁなんて思ってるとこよ」などと答えたので、ほ~ん、そっか、と流したのだが。そんな私とのやり取りが心に引っかかったらしく、アルゴは翌日になってナイジェルに電話をしたのだという。
こんにちは、IRS(税務署)です。ってか、俺の番号消してない?ぎゃはは、と、そんな風なジョークで電話をかけてみたアルゴ。ナイジェルもばっかじゃねーの、アルゴ!なんてぎゃはぎゃは笑って答えたんだけど。次の言葉にアルゴは言葉を失った。
「いや、8月に片足になっちゃってさ。左足、ひざ下からないんだわ~」
え、は?はぁぁぁぁ?!アルゴは叫び、その話を後から聞いた私も同じリアクションだった。どうやら、8月の頭に他のバイカーの事故に巻き込まれ、左足、膝から下を切断する怪我を負ったらしい。ナイジェルは、2か月たってだいぶ落ち着いたからなのか、いつものようにがははと笑いながら、『びっくりだろ~、いや、落ち込むことはあったけど、俺は元気だよ』なんて、『魔女の宅急便』のキャッチコピーみたいなことを言ったのだという。
虫の知らせ、ではないけど。何だろう。私が不意にナイジェルのことを思い出したことで、アルゴが約半年ぶりくらいに電話をかけた。私は電話嫌いで、めんどくさがりやなので、自分の友人たちにもすぐご無沙汰をしてしまうのだけど、こんなこともあるので、これからはもっと頻度を上げて友人たちと連絡をしようと思った次第。
ちなみに、ナイジェルだが。来週、義足が届くらしいのだが、整備士の仕事もやっているし、ついでに片足でバイクにのっているのだという(どうやって……)アルゴには、アンタがどんなに気を付けても、運転スキルのあるライダーでも、こんな風に巻き込まれたりする事故だってあるんだから気を付けなよとくどくどと改めて説教をしたのだった。
暮雲春樹 ぼうんしゅんじゅ
遠くに離れている友を思う情のこと。▽「暮雲」は夕暮れの雲の意。「春樹」は芽吹いた春の樹木の意。「春樹暮雲しゅんじゅぼうん」ともいう。
腸内洗浄
この「備忘録」と」「後日談」の小見出しタイトルは四字熟語にしようと決めていたわけですが。いうて、腸内洗浄だってそら四字熟語なのかもしれませんが。というわけで、腸内洗浄に行ってきた話。シモ的なお話なのでご注意ください。
Colon Hydrotherapy。近年、話題になっている腸内にぬるま湯を入れて腸を綺麗にしてデトックスしよう、というのもの。体にいいとか、悪いとか諸説あり、科学的な根拠は乏しいらしく、やるなら自己責任というやつ。やってみたという友人の話を聞いた夫アルゴが非常にやりたがったため、行った次第。
ちなみに、セラピーの人は「カップルで来られる場合は奥さんがノリノリで旦那さんはシブシブみたいな感じが多いからびっくりだよ」と言っていた。上のお話に張り付けたあのとてもきれいな風景、紅葉のドライブ……うんこを出しに……ひどい字面、だが真実。
とはいえ、どうやらアレルギーだとか、アトピーだとかの症状回復に良く、デトックスに良いらしいので試してみるのも悪くないな、と。ちなみにこちらが、日本語での腸内洗浄の記事。(1) (2)
アルゴは、ダイエットのため。体をいったん、リセットして食べ物とかコントロールしていきたい、らしい(いつだって形から入る男なのである)ともあれ、私たちは最近、ダラダラと飲んでばかりいるからこれではいかん!と思ったらしい。たしかにいかん!だって、うちの晩酌、ワイン大瓶、一人1本なのだもの。そらいかん。
施術法は、部屋にマシン(パイプとか、水とかなんかもろもろ)があり、ベッド的なものがある。私のつたない説明ではなんのこっちゃわからんので写真を入れてみる。
この写真には写ってないけれど、棚の中にはパイプがあって、きれいな水が溜まる。あとぬるま湯なので温度パネルもある。上半身の服は着たまま、下だけ脱ぎ(カバーで常に覆ってある)横たわり、穴のある部分におしりをつける(斜面?になってるところに太ももをつける)
で。チューブをつなぐ。穴の開いてる奥の部分には水が出てくるホールがあり、そこにチューブをつける(これはセラピーさんがセットアップ)。そして、自分につける用(つまりはおしりにぶっさす用)のチューブを渡され、それを自分でつける。えぇぇ、自分でかよ!って思ったけど、自分でやるんでよかった…で、チューブとチューブをつなぎ、ゆっくりとぬるま湯が出てくるのである。
で、湯が出る→ためる→排出する→湯が出る→ためる→排出する、というサイクルを50分繰り返し、終了。溜める、というのは、もちろん腸内にである。排出されたものは、チューブ(写真には写っていないけど、ベッドの下にある)から排水溝に行くのだけど、色の確認も大事?らしく、チューブは透明。あと多分、患者さんへの視覚的効果も狙っているのだと思う。『ほら、ほら、ほら!あなたのおなかの中にあった!老廃物なんですよ!これ!』的な。
大腸検査をしたことのある方限定での説明になるが入れる方チューブは大体、大腸スコープのサイズくらいであった。ちなみに、水をいれると同時に、排泄物を出すことになるので、差し込んだチューブが出てくるのではないかとソワソワしたが、あら不思議。差し込んだチューブは出てこなかった。
施術中の詳細は省略。最初は恥ずかしいのです。そりゃそうだ。でも、腸に水をじゃんじゃん入れていくわけで、そもそもそれが目的でやってるわけなので気にしている場合ではない。でるものは出るのである(いわば、機械仕掛けの巨大な浣腸をしているのである)常に水が流れている状態なので臭いや音なども気にならない。なので慣れていく。セラピーの人がおなかマッサージしたり、足つぼをマッサージするので、そのたびにじゃんじゃん出てくる。透明のチューブを通り、下水に流れゆく老廃物?を見たかったが眼鏡をはずしていたのでちっとも見えなかった。(夫曰く、最初はびっくりするぐらいの真っ黒なものが出てきて、だんだん薄くなるといっていた)
ちなみにセラピーの人は、チューブセットの完了後はずっとそばにいて、声をかけてくれたり、いい感じですよ~とか、がまんしないで~とかそんな風に応援?してくれたり、マッサージをしてくれたりする。もちろん、水の調整も。
結果。体重に変化はなかったけれど、すごくすっきりした(当たり前である)のと、体が軽い感じになった。アニメのジョジョの人(億安)の口調で「かぁぁぁるぅぅぅい~~」などと言ってみたくなるほどに。
だがびっくりしたのは翌日。まずぐっすり眠れた。むくみがない。朝、すっきり起きられた。これは単に晩酌をしていなかったというのもあるかもしれない。我々はたいてい、だるい、寝たけど疲れているという状況で起床していた。
そして、肌がつるっつる。くすみがとれて、潤っている(まぁ大量の水を直に体に入れたわけだからそらそうだ)夫の肌なんて私より効果?が出ていたっぽい。
というわけで、まぁ腸の中も空っぽにしたことなので、しばらくは酒は禁止(11月のサンクスギビングまで)そしてベジタリアン寄りの食生活(野菜がメイン、牛肉なし、グルテン控えめ:私は完全グルテンフリー)で生活してみようと思った次第。12月にまた行くことになりそうなので、またその折に諸々の結果を書いていこうかと。
(終)
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