米中貿易摩擦の落としどころ

米国と中国の貿易摩擦はいつごろどのような落としどころがあるのか、とよく質問されます。結論はこれから5~6年程度は横ばいだと思います。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35754940W8A920C1MM8000/

まず貿易摩擦はトランプ政権の思い付きではありません。米国はオバマ政権も含め過去20年以上にわたり、中国に知財権保護や国営企業と米国企業の平等な扱いなどを中国に要求し続けていました。関税という手段をとったのはトランプ政権が初めてかもしれませんが、解決するかどうかに関しては中国側によります。

中国はそう簡単に国営企業改革など進めるわけにはいきません。プラザ合意や1990年前後の日米構造協議をきっかけにバブルとその崩壊、長期低迷へと進んだ日本経済を手本とすると、とにかく時間をかけたいはずです。中国の会社が知財権を守りたくなるくらい他には真似のできない商品を作り、世界から付加価値を獲得できるようになれば良いのです。「中国製造2025」などの政策が成功したとしてもまだ5~6年では不足ですね。

とすると、仮に2020年の米大統領選挙でトランプ大統領が再選されたとして、政権が続く2024年までの間、おそらく中国はちょっとずつしか米国の要求に応えられないでしょう。中国が世界に誇るブランドを持つ日には解決に向かうでしょうが、それまではこれまでの20年と同じというわけです。中国が緩やかに開放を進めながら、こじらせないようにすることを期待します。

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