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公共政策系

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ゼミ生の研究で、公共政策系に分類される研究書評をまとめています。 政治や教育に関心のある方はぜひご覧ください! スキ!やコメントお待ちしております!
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記事一覧

研究書評(2024年度)

4月11日著書名:地域新電力を巡る近年の情勢 著者名:芳賀 普隆 この論文の序盤では、地域新電力に関する近年の情勢が議論されている。筆者は、東日本大震災後のエネルギー政策の変化、固定価格買取制度(FIT)の導入、電力小売の完全自由化など、日本のエネルギー環境がどのように進化してきたかについての概観や地域新電力の概要が述べられており、さらに、自治体と公民協働の視点から、地域エネルギー政策の研究に焦点を当てた上で、地域新電力の重要性とその背景について語られている。 地域にお

2024年度研究書評-自発的な賃上げを促進する方法

7/17参考文献:青山悠「スト軸に労組主導の24春闘を」労働戦線NOW 〈選択理由〉 今回取り上げた文献は、青山悠の「スト軸に労組主導の24春闘を」だ。選択理由は、今回の春闘で労働組合はどのような働きを行ったのか、またどういう立場を取っているのかを理解するためである。 〈要約〉 連合の芳野友子会長は、岸田政権に対して「国際水準の政労使対話として、感謝し評価」と賛意を示した。一方、全労連は12月岸田政権の「金権腐敗」「戦争国家づくり」など「悪政の数々のすえ国民の信頼を失っ

研究書評

所属しているゼミの課題です。 これまで読んできた論文を要約して書評します。 【6/27】 志水宏吉(2005)「エスノグラフィー - 私と世界との対話 -」『教育研究のメソドロジー - 学校参加型マインドへのいざない -』東京出版会. 第II部第4章. 139p~背景:エスノグラフィーについて理解したい!序論 これまで、アクション・リサーチとオートエスノグラフィーの方法論について資料にあたってきた。今回はエスノグラフィーそのものの方法論をあたろうと思う。この章は、これか

研究書評

4/11事業法上の競争ルールはいつまで必要か https://www.jstage.jst.go.jp/article/nextcom/2015/23/2015_1/_pdf/-char/ja 〈内容総括・選択理由〉 今回取り上げた文献は、 神戸大学名誉教授である根岸哲の書いた「事業法上の競争ルールはいつまで必要かー通信自由化30年に寄せてー」である。日本では、1985年のNTTの民営化という通信業界の市場構造の変化により更なる競争政策や規制の適切なあり方が重要視されてき

研究書評

2024年4月11日 八代尚宏,島澤論,豊田菜穂(2012) 八代尚宏、島澤論、豊田菜穂(2012)「社会保障制度を通じた世代間利害対立の克服 シルバー民主主義を超えて」『NIRAモノグラフシリーズ』34巻p.1-20 (選択理由) 今回選択した文献は、NIRAが政治的な存在感を増している高齢世代の利益に配慮し、高齢者にとって負担増となる制度改革を先送りする政治のあの方を問題意識としてもち立ち上げた「世代間公平性プロジェクト」によって作成されたものである。 選択した理由

研究書評

2024.0411 高野勉(2014)「デジタル教科書の現状と未来像」『来るべきデジタル教科書時代に向けて』36巻、25ー29頁 〈内容総括・選択理由〉  デジタル教材を用いることにより指示の徹底ができるが、著作権や操作性に関する課題がある。東京書籍はデジタル教材を用いることで実物提示や直接体験が省略されることはあってはならないと考えており、デジタル教材はあくまで補助教材としての位置づけが望ましいとしている。デジタル教材開発者がデジタル教材についてどう考えているのかを

研究書評

4/11 研究書評 大久保智生、 澤邉潤、赤塚佑果「「子どものコミュニケーション能力低下」言説の検討」香川大学教育実践総合研究 29号、93~105頁)2014年 〈内容総括・選択理由〉 今回取り上げた文献は、香川大学で行われた現代の子供のコミュニケーション能力についての研究である。2006年10月に埼玉県、香川県の公立A~E小学校5校の4~6年生874名を対象に子ども(小学生)の社会的スキルを実際に測定し,その結果を過去のデータと比較することで、現在の子どもたちの社会的

研究書評

2024年4月11日分 初瀬龍平, 松田哲, 戸田真紀子(2015)「国際関係のなかの子どもたち」『晃洋書房』p42-52 〈内容総括・選択理由〉 今回取り上げた文献は、ストリートチルドレンの現状を検証し、さらに、子どもを保護し彼らの権利を保障するために、タイ政府やGMS各国がどのような取り組みをしているのかを考察したものである。ストリートチルドレンの解決のためにどのような政策を行っているのかを知るため、タイ政府を取り上げたことが、文献の主な選択理由である。 〈内容〉

研究書評

ここでは、研究書評について書かせていただきます。 2024年4月11日分 2024年4月18日分 〈内容総括・選択理由〉  今回取り上げた文献は、立命館大学総合心理学部准教授である森知晴氏の論文である。当文献では、行動経済学が労働研究に与えうる影響について論じられている。行動経済学の対象は大きく分けると非標準的な選好、非標準的な信念、非標準的な意思決定に分類される。労働における意思決定は長期的で社会的相互作用が多く、また複雑で学習機会も限られていることから、行動経済学

キルギス共和国の法執行機関に関する研究論文(完遂)

中立性(Power)は常に強力な側に在り、 空間(Between)の出入に依り調整する=非民主的存在  序論(完了)   構成: 1-1 研究背景、1-2 研究目的、1-3 研究課題、1-4 研究仮説  ロシア勢力圏の縮小はキルギス共和国を含む中央アジア諸国に於いても、安全保障枠組みの再検討として確認できる。中央アジア諸国における安定化は同地域の経済的発展や国際的な政治・経済活動に有益である。本研究では安定化を担う主体として警察機能を担当する法執行機関に焦点を当てる。

卒業論文(執筆途中)

概要  本論文で提言するのは「京都市への交通特区の導入」だ。繁華街である河原町エリアや祇園、清水寺を囲むように御池通、烏丸通、四条通、東大路通を領域として仮想エリアを設定する。そしてエリアに関して、国内外で打ち出されてきた乗り入れ制限やロードプライシングなどの規制の導入に加え、シンガポールで実験の進む次世代のITS(高度道路交通システム)で道路課金システムの導入により、道路交通の改善と観光客の鉄道への移行の可能性を検討する。  以上の提言を行った背景として、京都市の交通事情

研修書評:今後のドローンの在り方とは

はじめに お疲れ様です。大学3回生のゆーすけです。以前まで「地方間における教育機会格差」についての研究を行っていましたが、秋学期から「今後のドローンの在り方とは」とテーマ変更し、活動を行っていきます。 テーマを変更した理由として大きく2つあります。 1つ目は「テーマの対象者が不明確」だということがありました。研究していく中で「都市部からの大学移転」と「奨学金制度」が課題であると捉えていましたが、対象者の実数が不透明であることなどから今後も研究していくことが困難だと判断し

研究書評:外国にルーツのある子供に対する初期日本語教育に関する研究

2023/07/06 期末発表の内容2023/07/06大学院進学試験を受けて  大学院試験の中で口頭試験があったのですが、その中で先生からご指摘いただいたことを今回はまとめておきたいと思ういます。 ・母語と母国語の定義をしっかりとする ・ゲーム理論について学ぶ ・経済特区を作ることは考えないのかについて これらについて考えていった。 母語の定義:母語とは、その人が子供のころから使っていて、もっともスムーズに感情を表現することのできる言語のことである。 母国語の定義:母

研究書評ツリー           京都市のまちづくりについて

10/5 研究書評 中村吉明「日本版MaaSの現状と今後の課題」 はじめに: 自動車産業はCASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)による大変革の時代を迎えており、これらの要素は相互に関連し進化していく。 自動車産業はモビリティビジネスに進化し、技術の進展やシェアリングの普及により、クルマの「所有」から「利用」への移行が進行中。 日本でもMaaS(Mobility as a Service)が注目されてお