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漫画「Shrink」を読んで:パーソナリティ障害を見つめる

「Shrink」という漫画をご存じでしょうか?
精神科医を主人公にした漫画で、発達障害・双極性障害・パニック障害など障害と名のつくものから、うつ病やアンガーマネジメントまでさまざまな症例がリアルに描かれています。

私は広汎性発達障害(ASDとADHD併発)と診断を受けていますが、この漫画を読んでみて一番揺さぶられたのは発達障害のパートではなく、パーソナリティ障害にフォーカスした部分でした。
「ちょ、待てよ、これ…私か…!?」と共感の嵐なシーンがいくつもあったからです。

今回は、「Shrink」を通して考えたことや、感じた課題をシェアします。


1. こんなドクターいたらいいな

「Shrink」の主人公として描かれるドクター【弱井先生】は、患者の心に寄り添い、かといって踏み込みすぎもせず、深い理解を示しながら治療にあたっています。

「こんなドクターが現実にもいたらいいのに!!」
・・・って漫画を読んでいて何度も思いました。
このクリニック、スタッフも含めてハコ推せる💪

精神科の診察ではどうしても限られた時間の中で、症状にフォーカスして薬処方して完!となってしまうことも多いのが現状ですが…
「Shrink」のドクターは患者の背景や感情も踏まえたうえで、つかず離れずの適切な距離を保ちながらアプローチしているのが印象的でした。

自分で考える力は奪わずに、でも救いの手を差し伸べてくれる。
最高やないか!!!

2. パーソナリティ障害とは

「Shrink」では、数例のパーソナリティ障害の患者が登場します。パーソナリティ障害とは、大多数の人とは違う反応や行動をすることで仕事や学業、人づきあいに問題が生じている場合に認められる障害です。

代表的なパーソナリティ障害はこんな感じ。「Shrink」で描かれているのは「境界性」「自己愛性」「回避性」の3つです。

1. 境界性パーソナリティ障害 👈漫画に登場
感情が不安定で、衝動的な行動をとることが多い。
・自他境界があいまいで、人間関係にトラブルが生じやすい。
・自傷行為や自殺願望が現れることもある。

2. 自己愛性パーソナリティ障害 👈漫画に登場
自己中心的で、自分が特別な存在であるという強い思い込みがある。
・他者からの称賛を過度に求め、批判に敏感。
・他者への共感が少なく、対人関係に問題が生じやすい。

3. 反社会性パーソナリティ障害
他人の権利や感情を無視し、反社会的な行動を繰り返す。
・法律や社会的規範を無視し、罪悪感を感じないことが多い。
・衝動的で攻撃的な行動をとる傾向が強い。

4. 回避性パーソナリティ障害 👈漫画に登場
他者からの否定や批判に対する恐怖から、対人関係を避けがち。
・社会的状況での不安が強く、孤立しやすい。
・自己評価が低く、他者と関わることを避けようとする。

5. 依存性パーソナリティ障害
・自分で決断することが難しく、他者に頼りがちな行動をとる。
・見捨てられることへの強い恐怖から、過度に従順になる。
・自己主張が苦手で、相手に依存した生活を送ることが多い。

6. 強迫性パーソナリティ障害
・完璧主義で、細かいルールや秩序にこだわる。
・柔軟性がなく、他者との協力が難しくなることがある。
・仕事や課題を効率的にこなすことが難しく、締め切りに遅れがち。

7. 演技性パーソナリティ障害
・注目を浴びたいという強い欲求があり、感情的に誇張された行動をとる。
・外見や態度で他者の関心を引こうとする。
・感情表現が過度で、他者からの評価に非常に敏感。

8. 妄想性パーソナリティ障害
・他者への不信感が強く、常に裏切られるのではないかと疑っている。
・正当な理由なしに他人の言動に対して攻撃的になりやすい。
・他者の善意や意図を悪意と解釈する傾向がある。

このような症状を抱えると、自分自身をコントロールするのが難しく、孤独感を深めてしまうことがあります。私も、「Shrink」を読むことで、自分の中で整理できなかった感情や行動パターンを少し理解できた気がします。
(あと、他にもこういうニンゲンいるんだわって安心しました🤤)

3. SSTを受けたいけれど…

「Shrink」の中で、精神科デイケアでのSST(ソーシャルスキルトレーニング)が紹介されるシーンがあります。
SSTは、人間関係やコミュニケーションのスキルを学ぶための訓練で、パーソナリティ障害の治療にも有効と言われています。

「私もSSTを受けたい!」と思い、主治医や市役所の福祉課、発達障害者支援センターに問い合わせてみたのですが、残念ながらほとんど情報がありませんでした。

📞問合せてみた結果
・知見がありそうなドクターはいそうにない
・そもそも田舎なのでやっている場所が少ない
・子どもが対象のものはある程度あるが、大人が対象のものがほぼない
・あっても、職業訓練の一環で週5で数か月通所した場合に数時間のみ

地方に住んでいるからか、私の情報検索力がなさすぎるのか?
・・・という疑問はとりあえず置いておいて、気軽に公的サポートや医療支援を受けることは現状難しそうです。

4. 自力でどうしたらいいのだろう?

具体的な支援先や方法が見つからない中、症状を緩和し、人間関係を円滑にするために、自分なりに何ができるか模索しました。

その一つが、メンターを持つことです。
ある程度まとまったお金はかかるのですが、背に腹は代えられない…💦
トレーニングと名の付くものではないのですが、認知のゆがみを見つめなおすことができる継続セッションに申し込みました。

もう一つは、安心安全に感情を吐き出せる場を持つことです。
私は、数年前にNVC(非暴力コミュニケーション)というコミュニケーション方法を学んだのですが、NVCでは「感情」とその奥にある「ニーズ」に目を向け体感覚で味わうことを大切にしています。
どんな感情も否定せず味わって、それを誰かと共有する…という体験をすることで、自分の感情に少しずつ向き合えるようになりました。
共感を繰り返すたび自分を大切にしている感覚にもなり、自己肯定感も自然に上がっていった気がします。

5. これから(まとめ)

パーソナリティ障害は、日本ではまだまだ認知度が低く、適切な支援を見つけることがかなり厳しい状況ではないかと思います。
(私の検索力の低さは棚に上げておく)

診断を受けたいとは思っていませんが、自分の特性をクリアにして、手放せるものは手放しつつ、向き合っていくべきものを見極める…そのサポートを受けられる機会や情報にもっと軽やかに繋がれたらいいのに、と感じています。

「Shrink」を読んで感じたことを改めて..。
こんなドクター現実に居たらいいな!!!笑

変わりたいと願った人が、社会と繋がりたいと思った人が、適切な支援に導かれる世界を願っています。


参考に原作者さんのnoteを置いておきます。

🍀七海仁 様
こんなドクターもいるのか…という希望をありがとうございます。
1人で苦しんでいる方(少なくとも私)は、同じように苦しんでいるのは自分1人じゃないという気持ちになれて救われました✨

⬇️ドラマでパーソナリティ障害が放送された回


パーソナリティ障害(境界性)について知見ありまくりなカウンセラーさんがいらっしゃったので、こちらも置いておきます。

🍀伊藤巴(ともえ)@漫画家×カウンセラー 様
解説がすごくわかりやすいです✨
カウンセリングやメンバーシップもやってらっしゃって何とも心強い。

⬇️チェックリスト

境界性の情報は多いのですが、ほかのパーソナリティについての情報があまり見つからないのはなぜだろう…
と思っていたのですが。
こちらの記事を拝見して、ほかの症状と混同されている(とくに身近な人による自己診断)が多いのかも知れないと感じました。

⬇️メンバーシップについて


ほかにも、これは!!と思う情報があれば追記してゆきますね。

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