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ボヤキ漫才はドツキ漫才より好き~詩と雑録

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つぶやき、ヘボな詩の、はきだめです。はあ~
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2024年4月の記事一覧

小詩集~錆びた藤棚の下で、枯れ葉のごとき人(再構成含む)

小詩集~錆びた藤棚の下で、枯れ葉のごとき人(再構成含む)

まだ寒い

弥生のそらにこぬか雨

街はいまだ

成熟の時代を知らず

人は老い衰える

春はただ

惰眠の予感

それもまた楽し

断酒会ではいつも

アルチュウで糖尿病と

自己紹介をする

大酒呑みで糖尿病で死んだ

父と兄の思いでを語る

脳梗塞から片足をえそで喪い

静かな五年の闘病で亡くなった父

いつもベッドに寄り添い

老いを迎えた三毛猫

生への疑念に沈んでいた

私は父のように

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トイレの花子さんと水の女神~学校の怪談は精霊の伝説

トイレの花子さんと水の女神~学校の怪談は精霊の伝説


トイレの花子さん

昔から、家の三ヶ所に御札を貼って神祀りしました。

玄関、台所、便所。

台所には三宝荒神、あらみたま。

便所には、みずはのめ、水の女神。

便所の女神には花を絶やさない。

赤い花の少女はいつもやさしい、にぎみたま。

便所ではみんなおちついていられる。

赤い花の少女が笑ってくれる。

便所で泣いても、わかってくれる。

だのに、御札がはがされてしまった。

女神は花の

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宇宙背景放射とアルコール依存症の記憶

宇宙背景放射とアルコール依存症の記憶

宇宙背景放射。

130数億年前のビッグバンの痕跡だと考えられている。

断酒継続四半世紀。

依存的痛飲の自滅感が、フラッシュバックすることがある。

あの悪酔いの混沌のなかでしか生きられなかった。

それは、肯定も否定もできない、私の年代記です。

克服するなんて不可能な痕跡です。

宇宙にはとんでもない破滅的なエネルギーが偏在しています。そのなかで、地球という奇跡はかろうじて存在しています。

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破壊神のいた70年万博

破壊神のいた70年万博

見出し写真は岡本太郎『海辺』

1970年の万博は、なぜ成功したのか。

破壊神がいたから。

岡本太郎と小松左京。

それはまだ、共通体験として、戦争の記憶が生々しい時代だった。私の父も中国をさまよい、消息不明になりながら、ある日ひょっこり帰ってきたという。父は私たちには何も語らず、無言で酒をのみ、酔うほどに子煩悩な優しい男になり、酒で糖尿病をこじらせて亡くなった。思えば何の野心もない男だった。

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終日の雨がやみ
大阪の夜は春の寒波に
空の底がぬける
ああ暗いね宇宙は
人類の叡知も凍りつく
物理学の百年の定説がくつがえるかも
重力と時間の理論が懐疑に震える
老人の心は嬰児のごとく
うつろな虚空に遊ぶ
そうね
亀井水の亀形水盤の姿を見定めた
二十年まえのように
時代は再生する

雀とお稲荷さん~わが街の息吹き

雀とお稲荷さん~わが街の息吹き

人間は理性があるから、エライのだ、と人間は思い込んでいる。しかしまあ理性とはなにか、哲学者は恒に悩んできた。

かしこい、には悪賢いも含まれる。古い知識にしがみついて、融通のきかない人。まあ色々、ある。

学習能力は雀にもある。桜の花が散るのではなく、丸ごと落ちているのを、よくみかけるようになった。犯人は雀である。むかしから、花の奥の蜜を吸うため、花の根本をついばんでいたのは、メジロである。ある時

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