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【演劇/読書】ルール〜「十五少年漂流記」より〜

 2024年5月16日(木)、よみうり大手町ホールで、『ルール』を観劇しました。この作品は『十五少年漂流記』を題材としています。観劇と読書の感想を残します。
 公演日程は以下のとおりです。
・東京:2024年5月16日(木)〜26日(日)
・大阪:2024年6月1日(土)〜2日(日)

■ストーリー(イントロダクション)

帆船で 2 ヶ月の訓練生活を送るために集まった学生たち。
原始的な船上生活に向け、希望と夢に溢れている彼らであったが、帆船は遭難し、8 名のみが孤島にたどり着いた。
彼らは生き延びるための集団生活を始める。
集団のルールとして、リーダーを 1 名選出する。
住む場所を作り、食料を確保し、冬の寒さに耐え、救助の訪れを待った。
だが、救助は現れないまま、1年が経過。
そして、2 期目のリーダーを選出する前に、学生たちの間で対立が起こる―――。

公式HPより抜粋。

■メモと感想

(1)「ルール」(法や秩序)と演劇

 公式HPやチラシに、あらすじ以外に以下の記載がありました。

ルール―――それは生き延びるための
ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』をテキストに、極限状態に置かれた学生たちが、自主的にルールを定め、生き抜く姿を舞台化する!

公式HPより抜粋。

 私は、この「ルール」(法や秩序?)というテーマに関心を持って観劇したのですが、やはりテーマとして難しいなぁ、と思いました。
 人間が集団として生活するとき、「政治」が問題になるのは分かります。どのように集団の意思形成をしていくかという点です。
 他方、「ルール」は、そのための「手段」なのでしょうか?「正義」などと結びつけられて語られることも多く、より概念的で難しいように思うのです。

 「演劇」の記事の中で「政治」について言及している箇所を見かけることがあります。どのような文脈で語られているのか、(「ルール」との関係も含めてなのかはまだ分かりませんが、)もう少し勉強が必要だなと思いました。

(2)物語の雰囲気

 私は、原典の『十五少年漂流記』を未読だったこともあり、舞台では、少年たちの対立や相克が激しく描かれるのかなぁと思って観劇に臨みました。

 しかし、対立する場面はあるものの、少年たちは、割と無人島での生活に前向きというか、和やか(ここまでは言い過ぎかもしれませんが)というか、明るい印象を受けたのです。

 帰宅して、児童書版を読んだり、インターネットで検索したりして、自分が受けた印象はそれ程間違っていなかったのだな、と思いました。

 比較として、ウィリアム・ゴールディングの『はえの王』をあげると、こちらは対立や暴力がもっと激しいようです。
 『十五少年漂流記』と『蝿の王』は、原作版をきちんと読んでみたいと思います。

(3)ブリアンとドニファン

 物語の中身について、少しだけ触れます。舞台では、少年たちは(原作の15人ではなく)8人で、年齢は20歳前後なのか、少しあげられていました。
 特に、ブリアン(フランス人)とドニファン(イギリス人)の対立が面白かったです。一番年上のゴードン(アメリカ人)も存在感がありました。

■最後に(とおまけ)

 冒頭の写真は、「漂流」で検索し、ムラサキさんの写真を使わせて頂きました。ありがとうございました。
 私の観た回では、フォトコールがありましたので、そちらもアップしておきます。

フォトコールにて

■公演概要

  • 【原作】ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』

  • 【上演台本・演出】鈴木勝秀

  • 【音楽】大嶋吾郎

  • 【出演】荒井敦史、嘉島陸、田中雄飛、飯原僚也、 瀬谷直矢、 翔、大友至恩、富栄ドラム、駒田一

 本日は以上です。

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