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選挙予想 なぜフジと朝日で大きく違うのか さっそく出た高橋洋一「マスコミの陰謀」論

FNNは「自民負けそう」 朝日は「大勝ちしそう」


FNN(フジテレビ系)と朝日で選挙予想が大きく違っていた。気になった人も多いのでは。

FNN   自民”単独過半数”は微妙な情勢(10月23,24日 全国155045人)

朝日 自民が単独過半数確保の勢い(10月23,24日 全国約380000人)


自民と立民の予想だけで比べると、

<自民党>

FNN  自民党は単独過半数(233)は微妙。公明とあわせても絶対安定多数(261)はあやしい。(比例区は堅調だが、選挙区は苦戦)

朝日 自民党は単独過半数(233)を大きく上回り、自民だけで絶対安定多数(261)を狙える。(選挙区で190に迫る勢い。比例で70をうかがう)

<立憲民主党>

FNN   立憲民主党は公示前(110)から30議席ほど伸ばす可能性

朝日 立憲民主党は公示前(110)から横ばい(選挙区では公示前の48を上回るが、比例区は公示前の61を10議席以上下回りそう)


つまり、30〜40議席分ほど見立ての違いがあり、その議席分を、FNNは<立民>が獲ると見、朝日は<自民>が獲ると見ている。

自民党は「233」が勝敗ラインと見ているから、自民から見ると、FNNは敗北予想、朝日は大勝予想だ(といっても公示前の276よりは減る)。

朝日が正しければ自民党はバンザイだし、 FNNが正しければ岸田退陣もあり得る。

同じ調査日でこれだけ予想が食い違うのは興味深い。

大きな違いを生み出しているのは、おそらく選挙区の情勢調査で、インターネット調査の朝日は自民優勢と見て、電話調査のFNNは自民劣勢と見ている。違いが調査方法に由来するのかは分からないが。それだけ激戦区が多いということだろう。比例についても、FNNは立民を「堅調」とするのに対し、朝日は「勢いがない」。

なお、維新についてはどちらも「3倍増」の予想。維新の勢いがヤバイ。共産党もどちらも伸びる予想だ。

公明については、朝日は現状維持と見るが、FNNは「微妙」と悲観的だ。

どちらが(より)正しいか、結果は31日に出る。

高橋洋一の陰謀論(27日朝の追記)


この朝日の報道について、高橋洋一がさっそく26日のYouTube「高橋洋一チャンネル」で、

「アンダードッグ効果(負けてる方を応援する心理)を狙い、反自民層に奮起をうながす狙い」

「読者に反自民票を入れるよう指示している」

と「分析」していました。なぜそう読むか、高橋の答えは

「なぜなら、『朝日』だから」

って、説得力ある〜!

しかし、それならば、フジ(FNN)の報道の方も、

「アンダードッグ効果を狙い、自民支持者に奮起をうながす狙い」

と指摘しなきゃいけない。そっちは言わないわけだから、そもそも党派的なんだよね。

前日に同じチャンネルで高橋が「選挙に行こう」と言い出した時、「若者に多い自民党支持層の投票率を上げる狙いだな」と思いましたよ。ミエミエだよ。みんなそう思うんじゃない?

この日の番組では結局、高橋は自分の予想としてフジと同じ「過半数ギリギリ」の予想を言うわけだから、「高橋もアンダードッグ効果を狙ってる」(自民支持者の危機感を煽ろうとしている)と言われて仕方がない。

今回の報道が、「左」の朝日と「右」のフジで正反対になったら、こういう考えが出てくるだろうなとは思ったけど。

報道に偏向があるのは、これまで私も書いてきた通りで、それは認める。マスコミを常に疑う必要があるのは同意だ。

でも、高橋の言う通りだと、朝日もフジも、自分たちの報道と食い違う結果を望んでいる、結果「誤報」となることを求めていることになるけど、そこまでするかね、と普通に思う。

世論調査は、論説とは別で、「ストレートニュース(客観報道)」の一種だからね。バレない範囲で「色をつける」程度のこと(都合の悪い数字を隠すとか)はあるかもしれないけど、大々的にやると、バレた場合のリスクが大きすぎるでしょう。社長辞任じゃ済まない、会社が潰れかねないんだから。

今ある全国紙・ブロック紙はみんな100年以上の歴史がある。そこまでバカではないから続いているわけで。

高橋は、財務次官のバラマキ批判を不合理だ不勉強だバカだとさんざんいうけど、一方ではこういう陰謀論を平気で言う。それで自分が一番「客観的」だと人が信じると思っている。面白い人です。

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