日本人に「国」のことを考えさせない政治家たち 参院選は最後のチャンスか
国民に憲法のことを考えさせたくない!
その思いがほとばしるような、立憲民主党・泉健太代表の発言が話題を呼んでいる。
「「憲法改正に賛成ですか。反対ですか」という質問が来たら「その質問、アホじゃないですか」と言ってあげてください。」
「そんなことよりも生活を守ることのほうがどれだけ大事か。生活課題に一生懸命取り組むことの方が大事です。」
憲法論議よりも、生活が大事。
立憲民主党のこれは、予想された態度だ。
いま、ウクライナ戦争で、安全保障への国民の関心がかつてないほど高まっている。
毎日新聞の世論調査では、87パーセントが、日本の安全保障が不安だと答えた。
日本の安全保障を妨害しつづけた、立憲民主党や日本共産党に不利だ。
だから、立憲は、共産党とともに、
「ウクライナ戦争に乗じた改憲論議を許すな」
と声をそろえる。
ウクライナ戦争を目撃した後の、6月の参院選は、安全保障や憲法9条について、国民的議論をするまたとない好機だ。
今のところ、安倍元首相と、玉木・国民民主党代表が、この好機を生かそうと主張している。
しかし、結局は、「憲法より飯だ」の主張が、参院選でも前面に出るだろう。
戦後75年以上、「憲法よりメシ」の野党
「憲法より飯だ」は、戦後初のメーデー(1946年5月)に掲げられた、プラカードの文句だ。
1946年4月、戦後初の総選挙は、GHQの新憲法案に対する、日本国民の「信任投票」の意味があった。
軍備について、天皇制について、国民全体で議論する絶好の機会だった。
しかし、社会党と共産党の民主統一戦線(野党共闘!)は、憲法では票が取れないと判断した。
両党が訴えたのは、「食糧問題」「コメ、寄こせ」だった。
日本史全体を通じても、最も「民主的議論」をしやすい、また、しなければならない場面が、野党によってこうして潰された。
それについては、以前も書いた。↓
そしてこれは、野党だけの問題ではない。
保守政治家も、
「選挙に勝つには、憲法よりもメシ」
だと知っている。
小沢一郎はかつて「国民の生活が第一」という党を作った。
選挙を第一に考える政治家は、憲法や安全保障などの大問題より、「メシ」の生活問題のほうが票を取れることを本能的に知っている。
自民党でも、
「せっかく岸田が高い支持率を取ってるのだから、安倍は黙ってろ」
と思っている者が多いだろう。
それに左派マスコミも加わって、今度の参院選でも、
「憲法よりメシだ」
に世論が誘導される可能性が高いのだ。
しかし、私は本当に、政治家とマスコミにお願いしたい。
今度の参院選では、勝ち負けは、いったん脇に置きましょう、と。
安全保障や憲法について、国民的議論をする機会を持ちましょうよ、と。
これが最後のチャンスかも知れませんよ。
20年後、50年後、100年後のことを考えて、これから生まれてくる日本人のことまで考えて、議論しましょうよ、と。
それは、数年間の議席を争うことより、重要なことなのだ。
そう呼びかける政治家やメディアはいないものか、と思うのだ。
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