「doxxingルール」で追い込まれるイーロン・マスク
昨日から今日にかけて、米メディアには「doxxing」という単語が飛び交い、ツイッターのハッシュタグにもなった。
「doxxing」とは、日本語で言えば「晒(さら)し」。ネットやSNS上で個人情報を晒すこと。動詞「dox」で「個人情報を晒す」という意味になる。
イーロン・マスクは、彼のプライベート・ジェットの位置情報を晒すアカウント@elonjet(20歳の学生が運用しているらしい)を凍結した。
ストーカーに利用され、家族の命が危険だから、という理由だ。
個人情報を無断で晒すことは、世界共通でルール違反だが、マスクは過去に、個人情報より言論の自由を守ることを優先する、という趣旨の発言をしたらしい。
さらに、このアカウントを引用、リンク、ないしアカウントに言及したワシントンポスト記者など複数のジャーナリストのアカウントも次々と凍結したので、「言論の自由はどうなった」と騒ぎになっている。
マスクはツイッターで、
同じdoxxingルールがいわゆるジャーナリストにも適用される
と発言。(journalistsをクォーテーションマークに入れたのは、皮肉の意味と、ジャーナリストだから何だ、特別扱いしない、という意味だろう)
またマスクは、「ツイッタースペース」でワシントンポスト記者とチャットし、
「君は個人情報を晒した。だから凍結。そういうことだ」"You dox, you get suspended. End of story”
と発言した。
ジャーナリストの凍結は1週間程度になる模様だが、マスクが説明不足であるのは否めない。
ツイッター社は使用規則に「個人の位置情報をシェアするアカウントは凍結する」というルールを加えたが、ジャーナリストのアカウントを一方的に凍結したことには批判が多い。
ツイッターの改革を支持していた作家のスティーブン・キングも、
なぜジャーナリストたちのアカウントを凍結したのか。説明を頼む。よっく分かるように説明してもらわないと困るよ。
と苦言を呈した。
<追記>
マスクは16日夜(日本時間17日朝)、新聞などの批判に対して、
新聞が言論の自由への愛に目覚めてくれて嬉しいぜ
と皮肉で応えた。
<追記2>
マスクはツイッター上でアンケートを取り、17日0時過ぎ(日本時間17日午後)、ジャーナリストのアカウント凍結を解除した。
<参考>
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