おばあちゃんのユニークなショパン「エチュード」
YouTubeのAIが勧めてくれた動画だけど、ちょっと驚いた。
クラシックのピアノが好きな人は、興味をひかれると思う。
Chopin Etudes Op25(RPPF Rebecca Penneys 2024/5/1)
聴き始めて、「このおばあちゃん、うまいな」と驚くというのもあるけど。
第1曲に入る前から、楽譜にない和音を弾く。ショパンのエチュード(作品25)を、すべての曲の前に短い「導入曲」を入れながら、全曲を弾いている。つまり、「編曲」してるわけ。
それによって、全体が「ひとつの曲」のようになっている。
それだけでなく、たとえば「木枯らし」の冒頭には、明らかに音を加えている。つまり「作曲」もしている。
ショパンのエチュードを、このように弾く伝統や習慣があるのだろうか。
わたしは初めて聴いた。
このレベッカ・ぺニーズというアメリカのピアニストは、1947年生まれ。
この動画は2022年の撮影というから、このとき75歳。
Wikipediaによると、彼女はいわゆる神童で、9歳でデビューし、11歳でロサンジェルスフィルと共演。1965年のショパンコンクールに、最年少で出場した、とある。アルゲリッチが優勝し、中村紘子が4位だったときですね。
ピアノはプレスラーに、作曲はクセナキスに習った。
その後は、おもに室内楽と教育の分野で活躍したようだ。イーストマン音楽学校の名誉教授。
日本でもソロコンサートをしたことがあるようだから、知っている人は知ってるのか。
子供のころから弾いて、「エチュード」は完全に掌中に入っている感じだ。自然な呼吸感で聴かせる演奏そのものが素晴らしい。
力感には乏しく、後半に疲れが見えるが、それは仕方ないだろう。最後まで集中力が持続しているのが立派。
彼女はいわゆる「スタインウェイピアニスト」(スタインウェイ社指定のピアニスト)で、この動画でも、スタインウェイのピアノの響きを堪能できます。
それにしても、世の中には知らない、すごいピアニストがたくさんいるものだ。
<参考>