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パレスチナとわたし:やめられない背徳の味〈エッセイ〉

夜中の0時に台所が騒がしくなりはじめ、玄関のベルが鳴る。

パレスチナにいた時、毎週あった光景。

いやいやいや、ちょっと待てと最初は思うもの。今から寝ようかというこの頃合い、お腹もすでに仕事を終えて休もうとしているこの時に、いったい何を始めようとしているのかこの人たちは。

ホームステイの初日は木曜日。朝の飛行機が早かったうえ道にも迷い、緊張もあって泥のように疲れていました。私は知らなかったのです。木曜日が、家族の晩餐の日であることを。それで休んでいたら、夕方近くに親戚一同が集いはじめ、食事が始まりました。初対面には多すぎる人数への緊張であまり覚えていないのですが、この日もたしか真夜中のごはんが振舞われました。

さっき食べたでしょ!?なんて言うのは無粋です。思うだけにしましょう。

いいのです、明日は休みの日なのだから!

いいのです、ちょっと太ったって!

背徳の味がする0時のごはんは格別なのです。なんだか、みんなで悪いことをしているよう。

最初は不健康だなぁと思ったこの週末限定の習慣も、慣れてしまえば楽しみになる。ああ恐ろしや、わたしのパレスチナ問題。


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架け箸はこれからも継続的にパレスチナを訪れ、日本に出回らない生の情報を発信したいと思っています。いただいたサポートは渡航費用や現地経費に当てさせていただきます。