#12 KJR物語 ~Origin~
私は自転車が好きだ。
車の免許も手に入れた。
原付もある。
人はいつの間にか文明の力にあやかり、その凄まじいまでの快適さにまるで理性を失ったかのように身を委ねる。
気に食わない。
まるで当たり前のように、それが正解であるかのように。
腹立たしい。
他人の決めた当たり前なんてクソくらえだ。
人々は忘れてしまったのだろうか。
涼しい風に吹かれ、時に猛暑にさらされながらも、自らの足で車輪を回し、車体に推進力を加えながら見る、朝日や夕焼け、星空の美しさを。
快適であることよりも