(本質的な)グロースハックは"ロストテクノロジー化"してしまったかもしれない
最近思うのが、「(本質的な) グロースハック」ってもしかして "ロストテクノロジー化" してしまった?ということです。
自分は8年前にグロースハックについての本を出版し、その後2018年辺りまでグロースをテーマにしたコンサル/顧問業をし、企業経営を経て5年ぶりにグロースなども含んだテーマで様々な企業のアドバイザーをしています。
その中で、意外とこの5年間でグロースについて精通している人が市場に増えたであったり、知見が浸透したという感じがしていないというのが正直なところです。
むしろ「グロースハック」という言葉が小手先のテクニックや記事などで消費されて廃れた結果、英語圏のグロースについての記事が翻訳される頻度も減って、当時よりグロースについて詳しい人が減っている、つまり"ロストテクノロジー化"してしまったようにも感じています。
米国でも "Growth Hack" という言葉自体は小手先の印象が強くなりすぎて廃れてしまったんですが、それでも "Growth" は依然として重要なテーマで、それに精通している人材は多いですし、そのテーマの記事もピーク時ほどではないにしてもよく目にします。
しかし日本側でそれを受け止めるバズワードが不在になった結果、そうした記事や知見が日本に入ってくることが少なくなり、それががこの"ロストテクノロジー化"の要因なのではと思っています。
セールス観点での成長論理は「The Model」や「Go-to-Market」などの "言葉の受け皿" があることで結構浸透しましたが、プロダクト観点での成長論理や技術は、日本市場に受け皿となる言葉がなくなったことですっかり浸透度が下がってしまった印象です。
(例えばAmplitudeでのデータ分析や、ユーザビリティテストを回しながら仮説構築してグロース施策のサイクルをガンガン回せる人材が依然少ない)
これはせっかくの良い事業やプロダクトが本来の成長スピードを享受できないという点でシンプルにもったいないなと思うので、グロースについての知見もこれから改めて発信していこうと思います。