へっぽこ紫

家に帰ると認知症の人がいて、未来と、過去を一緒にウロウロしながら暮らしています。

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マガジン

  • 医療のこと

  • 認知症のこと

    科学的な根拠とか医療的なことではなく、我が家のドキュメンタリー作品です。

最近の記事

親は歳をとっている。

帰り道、自転車で親と5分の道のりを ちゃんと一列になって とてもとてものんびりとしたペースで 漕いでいたのに、ふとしかきっかけで 親と接触して、転倒。 こけた、とは言えない。 事故になりそうな血だらけな姿に。 本当に少し自転車がぶつかっただけ。 でも、親は手が出ず、顔から地面に。 家まであと数メートルもない場所で 起きた、この小さな事件に 眠れないほど、ショックを受けている。 誰の責任か。 ということじゃなくて。 まったくスピードが出てなく、 さらには、家のまえだから、

    • デザイナーでいることは悪ですか?

      インハウス(しかもデザインに理解のない職場)で働いている。 そして、年末から「デザイナーだと言うのはやめろ」と言われ続け、少しずつ毎日「自分らしさ」が剥がされて削られていく。 デザイナーとして雇われたわけだし、 デザイン目線を求めてくるのに。 デザイナーが集まる場所や尊敬しているデザイナーさんたちは、必ず「デザイナーとして」「365日デザイナー脳で」といわれる。そりゃそうだ。見てるもの触れるものが明日のアイディアになる。 どちらも正しいんだろう、と思ってい

      • いつの間にか骨折?

        右手の人差し指を…骨折したようです。 テレビで「いつの間にか骨折」なんて言ってますが、33歳は、別の意味で「いつの間にか骨折」をしていました。 ずっと痛かったけれど、寒さの影響で手が冷えた痛みだと…思ってました。さらに折れた場所が中指と人差し指のあいだ、内側。曲げても痛くない場所。 1日休みをもらって、暖房ガンガン入れた部屋なのに「指が痛い」お皿とか握ると痛いんだよなぁ。。←ここで気が付きました。抑えたら「めっちゃ痛い」 指が黒くなってます、、 明日はどうしても仕事が抜

        • 涙のハグはありか、なしか。

          泣いている人を目の前に、 どうすればいいのか…わからない。 小さな子どもだったら、抱きしめて、頭なでなでぐらいは無意識にしちゃうけど、大人の女子が泣いたときはどうすればいいんだろう。 よく、泣かれる。目の前で。 泣かしていないけど、泣かれる。 どうしたの?って声をかけて、少し固まる。真っ赤な目で見ないでほしいと思ってしまう。 だから、どうやってそばにいるのがいいのか分からない。オロオロする。 とりあえず、頭を撫でてみる。 ちょっと、イタイのか?

        親は歳をとっている。

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        • 医療のこと
          5本
        • 認知症のこと
          15本

        記事

          台風の気圧と認知症。

          認知症は「気圧」に弱い。 と、いいますが。 台風のとき、どうなるか。 と、いいますと…うちは 案外、平常運転です。 カーテンを閉めて、早めに寝てしまえば…大丈夫みたいです。雨風が強いだけで被害がないからこんなことが言えるのですが。 一方で、妊娠7ヶ月目の姉は 台風の影響か?お腹の赤ちゃんが暴走しているようです。早く寝る、と言いながらも台風も気になるし、動くお腹具合も気になって眠れないようです。。 テレビをつけると「避難指示」というのが出ていますが、台風のときに認知症の

          台風の気圧と認知症。

          注文をまちがえる料理店

          注文をまちがえる料理店という記事をみた。 真似したい。それを参考に何かしたい。 めっちゃ一緒に酒飲みたい。 …と思った。 マイナスな印象、ネガティブなイメージ、あれこれ全部、ポイ捨てしたい。 羨ましい。行ってみたいな、トウキョー #認知度 #認知症

          注文をまちがえる料理店

          会いたいと思ってもらえる人に。

          今週の不思議なご縁の話。 サ高住で暮らしていたときにお世話になっていた看護師さんと会った。と施設の人から説明を受けた。 …看護師さんは、少し前に退職をして、派遣バイトとして来た勤務先が、、新しく移ったグループホームだったよう。 偶然ってすごいな。 と、思っていたのは、私の狭い考えで、実は、看護師さんの配慮から巡り会えたことだったらしい。 その看護師さんは、配属する勤務先を紙面で見たときにすでに「会えるかな」と思ってくれたらしい。そういえば、転居先も伝えたし、

          会いたいと思ってもらえる人に。

          歩かせるのは、難しい。

          認知症と診断されてから10年以上が過ぎて、目に見える最大の変化は、歩くこと。 もう、歩くことが…難しいみたいで?下手に歩かせて転んで骨を折ったら…と思うと無理に歩かせてたくなくて、歩く機会を減らしてしまう。悪循環。。 認知症になって、少ししてから骨粗鬆症と言われ、背骨が曲がり、小さい身長はさらに小さくなり、、骨粗鬆症を少しでも予防する?薬を服用させた。結果、意味がなさそうなので、やめた。 本人が楽しみにしてくれるほうが、効果ありそうだから、美味しそうなチーズ

          歩かせるのは、難しい。

          忘れていく人がいても、覚えていればいいと思う。

          昨日、親戚がたくさん来て 久しぶりに賑やかなお昼だった。 小さな子どもがいたこともあって 暗い雰囲気にならず、騒がしくお昼ごはんを食べてお花見をして過ごした。 みんなを駅まで見送ったあと、施設まで一緒に帰るときに「来てくれて良かったねー」と言ったら、「誰か来たの?」と言われてしまい、ちょっとびっくり。そして、がっかり。つい10分前にあれだけ笑っていたのに、手を振ったことまでも忘れてしまうところまで、、最近は進んでいるみたい。。 仕方ないよ、病気なんだし。本人だっ

          忘れていく人がいても、覚えていればいいと思う。

          退職宣言と10年前の私へ

          4年勤務した職場を去るまで残り2日。 やっと「わたし、退職します」と仕事で関わる方々に報告しはじめました。 ここまで粘りきった退職宣言を告げたら、人によってリアクションも違えば、言うことも違って驚きでした。 泣く人。 わたしは、泣かれるほど貢献できたのか不安でした。でも、その涙が演技でもわたしの自信になりました。 叫ぶ人。 さっきまで普通に働いてたのに、その反動。衝撃だったようで、「イヤだ。」と言ってくれる人がいて、嬉しかったです。わたしの名前、絶対知らないと思

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          残業4時間目に出会った天使

          昨日、5年ぶりにステキな看護師さんを目撃した。1メートル後ろで、「あぁ、もっと早く出会っていれば」と悔しかった。 病院のデザインをつくるとき、治療法を伝えるとき、医療の知識がやっぱり必要で、その知識を「正しく・優しく」デザインする人に伝えられるかが重要。 その看護師さんは、まさに「微妙な部分」を的確にさらっと症例を交えて教えてくれた。おかげで、難しい資料は、キレイに柔らかく表現できた。 まもなく去る職場には、5000人を越すスタッフがいる。その中で500人ぐ

          残業4時間目に出会った天使

          介護とカイロ

          最近、ずっとカイロを握りしめている。 両方のポケットにカイロが入っている。 今日、カイロを1つ忘れて、 片手しか温められなくて気付いた。 さみしいんだ。 いい歳した大人が「手がさみしい」なんて言えなくて、まさかそんな性格だなんて自分でも思ってなかったけど。 ただ、とにかく手が寂しいみたい。 認知症の進行がひどくなって 家財道具のほとんどを引き払った引っ越しから、1年が過ぎた。 そこに突然決まった、徒歩圏内のグループホームへの引っ越し。毎日がバタバ

          介護とカイロ

          未来の自分を信じる

          3月中旬、所属先を変えることにした。「した」というか「する」。 医療のこと病院のこと、それにまつわることをデザインする仕事は続ける。 だけど、今の場所じゃなくて何もない、畑を耕すところからスタートさせることにした。今の場所で革命を起こすよりも、新しい場所で開拓するほうが奮闘できると思ったから。 こう書き込めば響きはいいけど、 本当は、少し違う。 今の場所に、うんざりしたから。 恵まれている部分をやや多めに見積もっても私の怒りは収まらないところまで沸騰していて、ま

          未来の自分を信じる

          サヨナラを越えていけ。

          車で15分ぐらいの場所にある施設に住みはじめて、1年。 特別困ることはないけど、 認知症が進行したら、ずっといれない。 今でギリギリライン。 ありがたいことに、家の近所にグループホームができて、ずっと入居待ちをしてた。立地や建物に魅力ある施設は、だいたい満床が続く。年末の時点で私の前に6人以上はいると聞いていた。 けど、どんなご縁なのか順番がまわってきて、入居できることになった。ありがたい。家の近所だから自転車でいける。歩いていけるぐらいの近さは、やっぱり助

          サヨナラを越えていけ。

          4歳児を見つめる32歳

          週末、4歳児と過ごすことになった。 ずっと小さい子どもが苦手で、避けてきたけど、ご家族の事情でご一緒することになった。 何でもやりたがる年齢だと聞いていて、「1人でできる!」と豪語するのに、手を洗うと袖がヒタヒタになって、泣いてた。石鹸のポンプが届かない…とまた泣いてた。うまくできなかったことが悔しくて度々泣く。。。という泣き虫だった。 できることの範囲はものすごーく狭いことは理解しているから、やってあげようか?と聞く。すると、当然でしょ?みたいな顔をしてた。

          4歳児を見つめる32歳

          覚えていない、フリ。

          番組名は忘れたけど、家に帰ってテレビをつけたら、中学生が認知症のおばぁちゃんのために、奮闘してた。 「思い出してほしい」と 印象的な出来事を切り取って、 3度目のアタックで、おばぁちゃんの記憶に訴えかけれた、という内容だった。 「忘れられる」のは、つらい。 「なかったこと」にされるのも嫌だし 「他人扱い」を受ける、あの疎外感はハンパない。でも、忘れてしまった、おばぁちゃんの辛さも考えてあげないと。 最近、みとにそう思う。 忘れたくない記憶まで、奪われる。 いつも自分探し

          覚えていない、フリ。