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【イギリス留学のいろは①】海外留学をより身近なものに!

プロフィールを見て頂いた方ならお分かりだと思いますが、自分は2022年9月からイギリスのロンドンにあるロンドン政治経済学院(MSc Political Theory)への修士留学が決まりました。それを機に、自分が留学計画からオファー獲得、そして実際に留学するまでのプロセスで得た(今後得る)ノウハウ・情報や経験をベースにした記事シリーズを書くことにしました。これを通じて、自分の経験や情報収集と失敗を知って頂き、より多くの方にとってイギリス留学がより身近な存在になり、実際に留学を検討する上での手助けになればいいなと思ってます!

【イギリス留学のいろは】シリーズの目的①:自分が得た情報の提供と共有

【イギリス留学のいろは】シリーズを書くことに至った理由はいくつかあります。第一に、自分が留学を検討し実際の大学申請などのプロセスを行う上で、あまりにも日本の情報が少なかったからです。ブログや記事を書いている方、そして留学関係のカウンセリングを行なっている企業などのホームページはいくつか見当たりましたが、全体のプロセスに関する総合的な情報源は少なかった印象です。なので、自分は海外の情報サイトや各大学のホームページ、英国の大学にいる知り合い数名などを通して情報を得ました。もちろん多くの時間を費やしましたし、大変だったこともありました。

「どうすればいいのかわからない…」、「どこから始めればいいのかわからない…」という方の中では、エージェントやカウンセラーに多額の金銭を支払い、留学までの手助けをしてもらうという場合もあります(特に中国などでは、エージェントを使う方は多い印象です)。ここまで来ると、エージェントを雇って留学に挑む学生と自力で挑む学生との間に情報の非対称性が生まれ、後者が圧倒的に不利になってしまう。

しかし、自分に言わせて貰えば、そのお金…ほぼ必要ない!自分も一時期そのようなお仕事をやらせて頂いてましたが、エージェントやカウンセラーというのは結局のところ情報の非対称性で価値を生み出しているビジネスです。色々な情報を持っている事業者に対して、何も情報のない顧客はその情報を得るために数万円ものお金を支払うのです。裏を返せば、情報さえあれば、そんなもの要らないか、最低限のコストまで抑えられるということです。

*ちょっとキツくエージェントをディスりすぎました、すみません。誤解がないように言いますと、無料でカウンセリングしてくれるエージェントや論文添削・面接練習などのサービスを提供しているエージェントなどもありますので、必ずしも「ただ」情報の非対称性で儲けているなどということはできません。エージェントが必ずしも必要ないということも自分は言い切れません。時と場合によります。

【イギリス留学のいろは】シリーズの目的②:より多くの日本人が海外へ留学できるように

留学を諦めてしまう方に「待ったをかけたい」というのが二つ目の理由です。イギリス留学(または海外)がしたいという動機があるのに、バリバリ英語の大学ホームページを開いて怖気付いてしまったり、多額の学費を見て諦めてしまったり、日本の大学入試・院試とは異なる海外の大学申請プロセスの理解に苦しむ方も多いかもしれません。それらの諸理由故、海外大学への進学を選択肢から省いてしまうという方は沢山います。だが、それでは本当に勿体無い!そのような学生が一人でも多く、海外留学に行きたいと思えるように、自分が実際に経験する・経験したプロセスと得た情報を通じて、留学をより身近なものにできたらというのが自分の率直な願いです。

日本の海外留学生は比較的少ないというのが自分の印象である。例えば、自分が入学するLSEでは、2020年に42人(学部8、院34)の学生を受け入れました。この数は他の国・地域に比べては多いのか少ないのか。残念ながら少ない…2020にLSEが受け入れた海外学生を見ればそれは一目瞭然です。アジア圏で見れば、香港が170人(学部95、院75)、中国が1650人(学部317、院1333)、シンガポール143人(学部92、院51)、韓国90(学部22、院68)、インドネシア38人(学部8、院30)、ベトナム17人(学部8、院9)と日本の人口・経済規模としては少ない。留学生が少ないということが悪いとは必ずしも言えませんが、しかし留学は国際的人材の養成に必要不可欠であると考えた時、日本留学生の少なさは大きな課題であると思います。

これもあり、自分はより多くの人が留学を通じて日本から世界へと視線を広げることが重要であると感じ、このように自分の情報や経験を共有することで、なんらかの手助けになるのではと思っています。

【イギリス留学のいろは】シリーズの目的③:自分の失敗から教訓を得て欲しい

本シリーズを始める機かっけになった最後の理由が、自分の失敗から学んで欲しいということです。例えば、自分の場合まんまと奨学金申請時期をミスり、結果的に申請できる奨学金のオプションが限りなく少なくなってしまいました。それ以外にも、書類準備や英語試験などで色々とヘマをしたりと、留学では失敗がつきものです。今後イギリスに渡った後も数多くの失敗をするでしょう。自分の恥ずかしい失敗談から多くを学んで頂ければ嬉しいばかりです。

もちろん、注意して欲しいのが、このシリーズで得た情報や経験などはあくまで個人的なものである為、その正確性は必ずしも保証できません。もちろんそれに関連する責任も負いかねますのでご了承ください!

修士留学を決めた理由、大学院で何を勉強するのか

修士留学を決めた理由はいくつかありますが、一つ目が英語での研究ができるようになりたいという点だと思います。自分は早稲田大学政治経済学部の英語学位プログラムに在籍してますが、ゼミでは日本語を主要言語として研究を行なってます。まあそもそも自分は英語ができても、政治理論の議論で使うほど高難度な議論を英語行うだけの能力は兼ね備えていません。そういう意味でも、イギリスで自分の英語能力の底上げをして、海外の研究者と同等に渡り合えるぐらいの実力は頑張って付けようと目指しています。

それ以外にも、イギリスにはやはり世界各国から様々な学生(その多くが非常に優秀)が集まってきます(もちろんイギリスだけがそのような環境を兼ね備えているわけではないが)。そのような多様で競争的な環境に自分を置くことで、多様な視点を得れるだけでなく、同時に自分の競争力を上げることもできると思ってます。もちろん自分にとって完全な異国のイギリスで生活する過程でも色々学べることについてもすごく楽しみです。これが二つ目の理由です。

三つ目の理由はより学問にフォーカスしたものですが、自分の研究分野の立場から見た場合、「なぜイギリスか?」ということがより明確に分かると思います。自分は政治理論の中の歴史的不正義論という分野を中心に勉強しています。歴史的不正議論とはすごく簡単に言えば、奴隷制、植民地主義、戦争や犯罪など過去に起こった不正義や過ちが現在の社会にも大きな影響を与える中、その歴史的不正義をどのように考えるべきか(歴史的不正義の責任論)やどのように正義を実現させるのか(歴史的不正義の被害者の権利や彼ら・彼女らに対する賠償・補償の問題など)の規範理論的研究を行う学問です。自分は歴史不正議論を用いて東アジアの歴史問題(慰安婦問題、日本の戦争責任問題など)にアプローチしようと考えいます。特に、今自分が取り組んでいる従軍慰安婦に関する問題では、多くの場合歴史学、法学や地域研究といった方法から取り組まれることが多く、日本や海外にも多くの学問的蓄積があります。しかし、歴史的不正議論というより根本的なところから、東アジアの歴史問題を巡る責任論や賠償の問題と和解の創成を研究している方は相対的に少ない印象です。海外の先行研究でも、ブラック・レパレーション(過去奴隷制度に対する賠償問題)、植民地主義、原住民に対する過去の不正義、戦争、ポスト共産主義社会などは盛んに行われていますが、東アジアの戦争、植民地問題に関連した事例を取り扱っている研究者は比較的に少ないです。

そこで、自分は歴史的不正議論の最先端を学び(特にイギリスでは、植民地主義や奴隷制などの事例を取り扱った理論研究やその道の研究者が多い)、その理論を用いて東アジアの歴史問題の解決(解決方法をすぐに見つけるのはほぼ不可能ですが)と和解の創成になんらかの貢献ができたらと思ってイギリスへ留学することを決めました。以上が簡単な自分の留学の理由に関する説明です。

実際に9月から、ロンドン政治経済学院に入学しますが、そこでの一年を過ごした後に、引き続きイギリスでMPhill(Master of Philosophy・研究修士)またはPhD(博士課程)を取得するために数年間か滞在する予定です(今のところはですが…)。

以上、【イギリス留学のいろは】シリーズに対する自分の思いや目的意識を軽くまとめてみました。自分は文系・大学院留学ということで、学部留学や理系留学に関してはあまり知識はございません。学部レベルではそうでもありませんが、大学院になると専攻毎に色々と細かいプロセスや条件などが異なってきます。ここで共有している大半の情報はあくまで、文系修士(政治理論)である自分の視点や経験からなので、その辺の視点的偏りには気をつけてください。ネット情報だけに頼るのではなく、自分でもリサーチをするよう心掛けましょう!

今後継続的にこのシリーズを書いていきますので、もし少しでもためになると思って頂けたら、是非フォローよろしくお願いします。また質問やコメントも随時受け付けていますので、気軽にどうぞ!

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