西脇秀之

劇作家、演出家。それに音響の仕事もまだしてます。 文化庁舞台芸術創作奨励賞・全国児童青…

西脇秀之

劇作家、演出家。それに音響の仕事もまだしてます。 文化庁舞台芸術創作奨励賞・全国児童青少年演劇協議会奨励賞 戯曲がBCCKSやiBooksで読めます。無料で。ぼちぼち増やしていきます。bccks.jp/user/140766 劇団回帰線 kaikisen.info

マガジン

  • のらくらの森の満開の下書き

    「ご覧あれ!」となる手前の書き物を放りこんでおきます。なので、誤字脱字、文体の乱れ、思考の乱れありありです。寄り道みち草上等でまいります。でも、楽しく読めるようには心掛けます。あとで自分で読み返して楽しくないと、まとめる気にもならないので。 もし、気になる記事があれば教えてください。まとめたり、深堀するキッカケにさせてもらいます。

  • 演劇のおもしろい 〜 スタジオから

    担当している演劇の基礎クラスのレッスン(全10回)を記録しておく。 おそらくざっくりとしたノートになるだろう。 でも、せっかくweb上で読めるようにするので、オープンにしたいと思う。 そう、演劇に限らず技術はオープンにするほうが、たいてい楽しくなる。

最近の記事

  • 固定された記事

はじめましての方へ

特定のメンバーと演劇についてのノートを共有したくて、noteを使いはじめました。 使っているうちに、なんだかおもしろくなってきまして、少しこの場を使って演劇について書きためてみようと考えています。 よろしければ、たまにのぞいてやってください。 ぼちぼち増やしていきます。 プロフィール 西脇秀之 現在、札幌市東区に在住。息子と奥さんと三人家族。 もともとは舞台の音響さん。なりゆきで劇作、演出にも手を出してしまう。2004年より、札幌市の劇場、養成所、学校、また市民参加の舞

    • あらためて『喜劇の手法』の目次をながめてみる。

      あらためて『喜劇の手法』の目次をながめみる。 各パートの見出しだけを拾うと。 Ⅰ だます―喜劇と意識 Ⅱ 迷う―喜劇と無意識 Ⅲ 間違える―喜劇の状況 Ⅳ 語る―喜劇の言葉 Ⅴ 考える―喜劇についての喜劇 となる。 さて、ここから前回仕分けた構造、構成、仕掛けといった言葉に意識的になりながら、メモしていくことにする。 まず気づくのが、どうやらⅠとⅡが対になっているということ。 登場人物の主体性、その喜劇的な状況に対して「能動的」か「受動的」か、ということが問題のよう

      • ねばって「仕掛け」のまわりをウロウロしてみる

        気づけばクリスマスもお正月もすぎている。 しばらくnoteする時間がなく、間があいてしまった。 ので、 ここまで「仕掛け」について書いてきたところを改めて読み返してみた。 流れとしては、今回は「主題」「テーマ」についてかな…とも思ったが、ねばって「仕掛け」のまわりをウロウロしてみることにしたい。 (ほんとはもっと『喜劇の手法』しゃぶり尽くしたいところなんですけど。そのくらい、今回読み返してみて、「この本は、すばらすぃー!」とあらためて思いました。 この本、それほど古くない

        • 世界たまたま宣言

          わたしはたまたま生まれ たまたま誰かと出会い たまたまの場所で生きている 地球は丸く玉のようだ 生まれてきたあの子は玉のようだ この世界は、たまたまである わたしの人生もまた、たまたまの繰り返しだ たまたまのことで私は、強者となり弱者にもなるだろう たまたまのことで私は、その世界の王様にもなるだろう たまたまのことで私は、この世界からいなくなるだろう そんな世界に、私の立つ場所はあるか? 私の持ち物は、どこにある? 私はだれに話しかければいい? 誰がこたえてくれるだ

        • 固定された記事

        はじめましての方へ

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        • のらくらの森の満開の下書き
          9本
        • 演劇のおもしろい 〜 スタジオから
          11本

        記事

          『夏の夜の夢』の仕掛け

          戯曲の仕掛けについて、まだ続いています。 井上ひさしは仕掛けについて、こう語っていました。 《主題と渾然一体となって全編にみなぎり渡る舞台上の知恵ある仕掛け。そのことによって観客に新しい体験をさせる手段》 「主題と渾然一体となって」というところが、なかなか大変です。でも、ここが肝ですね。では、主題があって、そこから知恵を絞って仕掛けを考え出すかというと、そうでもない。井上先生はこうも言ってました。 《小説ですと、まずテーマがあって、それに沿って書き出すのは当たり前の方法

          『夏の夜の夢』の仕掛け

          『喜劇の手法』をひらいてみよう

          今回は、喜志哲雄先生の『喜劇の手法 笑いのしくみを探る』を読みます。 「読む」といっても、ニシワキが解説できるわけもないので、「ひらく」くらいになりますが。気になったところに付箋を貼ったり赤線を引く作業を、note上でやってみるといった程度です。 まず、取上げられている作品と、ヒントになりそうなカ所を少し抜き出してみましょうか。 Ⅰ だます―喜劇と意識 1【変装】 「十二夜」「ヴェローナの二人の紳士」「じゃじゃ馬ならし」 2【一人二役】 『主人二人の召使アルレキーノ』

          『喜劇の手法』をひらいてみよう

          戯曲の「仕掛け」について

          仕掛けの話です。 前回の最後にも書きましたが、この「仕掛け」という言い方は、井上ひさしさんからの受け売りです。 演劇は「一に仕掛け、二に仕掛け、三四がなくて、五に仕掛け」とどこかで仰っていた…ちがったかな。とにかく、井上さんは「仕掛け」を強調していたと記憶しています。 今、不安になって、ネットを検索してみましたが、「一に仕掛け、二に仕掛け」なんて…ひっかかりませんね。 …ですが、こんなのが出てきました。 ネットからの孫引きになっちゃいますが。 なんだか、もう、これで

          戯曲の「仕掛け」について

          「人」と「場所」の間には、そんなトランジスタ回路のようなものがある、きっと。

          先週めずらしく北海道を出て、秋田にいました。 僕が、津軽海峡を越えることは滅多にない。おそらく5年ぶりかな。 その時も「あれ…飛行機ってどうやって乗るの?」「考えてみたら、もう十年以上北海道を出ていないな…。」などと思った記憶がある。今回も案の定、空港の手荷物検査機の前で立ち往生して「ごめんなさい」を連発してしまった。 そんな出不精(とも、ちょっと違うのだけれど)については、いくつか思うところもあるけど、今は措いておく。 秋田へ行ったのは、ある合宿があったのでした。 その

          「人」と「場所」の間には、そんなトランジスタ回路のようなものがある、きっと。

          ヴィジョンの話でした。

          なんだかキーワードは《ヴィジョン》だといったかと思ったら、前回の最後ではまた《核》に戻ってそうな…ほんと行ったり来たり寄り道みち草ばかりのノートの続きです。 で、なんだか二週間前のニシワキ君によれば、その核の中には二つのもの《記憶》と《仕掛け》がありそうだということでした。(と、伝聞調の語りになっているのは、このお盆の間に温泉や花火やバーベキューなどをして、すっかり頭がリセットされているからです) あせらず、一つずついきます。 まず《記憶》。 これは、これまでのニシワキ

          ヴィジョンの話でした。

          ヴィジョンの話です。

          前回、これから書く戯曲の核になるものを《ヴィジョン》と呼んでみることにしたのでした。 でね、それはつまり…と話を急がず、そのヴィジョンがどのようなものか、書き連ねることから、今日ははじめてみようかなと。 ●そのヴィジョンは、視覚的なイメージのことだけではない…これは前回も書いたな。 ●作品の密度や温度といった全身で感じる空気感のようのもの。 ●その戯曲から舞台上に生まれる仮想の時間の一瞬、空間の断片のようのもの。 ●その断片から、頭がパカッと開かれちゃうようなもの。 ●パ

          ヴィジョンの話です。

          noteにとりあえずノートすることにする

          noteにとりあえずノートすることにする。 今日から8月。 先月までかかっていた台本もひと区切りついたのでね。 ぼちぼち次のことを考えとります。 春以降、ようやくニシワキのもとにも演劇の話がちらほら戻ってきた。といっても、まだ「ちら」くらいで、なにも具体的なことは決まっていないし、このところの感染拡大で公演中止の案内が毎日のように流れてくるのを見ていると、どうなるか分からないよなとも思う。 とはいっても、仮に来年公演ができたとしても、ニシワキは台本を書かなければならない

          noteにとりあえずノートすることにする

          演劇のおもしろい 第10回 まとめ

          今日は最終回、このシーズンのまとめです。 それにしても、このnote。毎回お終いに「また来週!」とか言いながら、ちっとも毎週更新できずにきた。実際のレッスンは毎週行っていて、その感覚で書いているだけなのだが、書き慣れないのもあってなかなか進まなかった。メモに毛が生えたくらいの文章でいいと思ってはいても、慣れないことはやはりむずかしい。 「慣れない」というのは、作業のポイントが掴めないということでもあって、そうすると限りある集中力はあちこち散らばり、こうやって「さあ、3ヶ月分

          演劇のおもしろい 第10回 まとめ

          演劇のおもしろい 第9回 集団について

          今日のテーマは「集団」。 実際は、このテーマを立てたレッスンはできなかった。 「集団」について、みんなで考えてみたいことは多いのだが、オンラインでの参加が多くなってくると、どうにもむずかしかった。 集団って、それこそネット上で名前も顔も知らない人たちが集まっても「集団」なのだろうけど、ここでは実際に集い「時と場を共有する人たち」としておく。実際にその時その場に人がいることによって働く力があって、なにをするにしても人が集まると互いに影響し合うよねっていう、ものすごく当たり前

          演劇のおもしろい 第9回 集団について

          演劇のおもしろい 第8回 「サブテキスト」

          このシリーズも残り3回。 実際のレッスンでは、この第8回以降、「サブテキスト」をテーマとして扱った。 オンラインでの参加でも、なるべく学びを得られるように考え、テキストを中心に扱うほうが有効だろうと判断した。 その3回分のポイントを今日はまとめて書いておこうと思う。 残りの2回は、このシリーズで扱い切れなかったこと、それからまとめのようなことに当てたいと思う。 まずは前回のおさらい、「テーブルの二人」 そこは喫茶店。テーブルをはさんで向かい合う二人がいる。片方はこの「

          演劇のおもしろい 第8回 「サブテキスト」

          演劇のおもしろい 第7回 オンラインの稽古って、みんなどうしてる?

          このシーズンも今日で第7回目。 後半に入って来た。 お盆休みをはさんで、前回から2週間ぶりのレッスン。その間にコロナの感染拡大が進む。北海道はお盆を過ぎると、夏休みが終り学校が始まる。この基礎クラスは学生も多い。 まずは安心して演劇活動を続けるのが第一。オンラインで参加して欲しい。 レッスン内容も、よりオンラインで可能なものを中心に据えてみる。軌道修正。 とはいっても、簡単ではない。 みんなどうやって稽古してるのだろう? いや、稽古だと少し違うのかもしれない。特に経験

          演劇のおもしろい 第7回 オンラインの稽古って、みんなどうしてる?

          演劇のおもしろい 第6回 「場」を支える

          毎回レッスンが終わると、その日の流れから次回はこんなメニューにしようとメモすることにしている。 一週間後、そのメモと当日の参加者の様子を見ながら、あれやこれやとレッスンを組み立ててゆく。 予めひとシーズン全10回の中で扱うであろうプログラムは一度上げてあるのだが、いつやるかはレッスンの流れの中で決めることにしている。 さてそのメニューだが、ニシワキが独自に考えたものはほとんどない。かつて体験したワークショップで自分が楽しめたものや、本などで紹介されているものが多い。それを

          演劇のおもしろい 第6回 「場」を支える