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夏風/紅すずめ
2024年1月6日 17:04
幾度も増築された病院の迷路の様な細い廊下を歩く清潔で無駄ない空間は冷たい向かう場所へ矢印は続き溜息と不安が低い天井にこだまする生や死はいつも隣にあること遠い地の災害隣家からのSOS無力さを嘆きながらも痛さを封印したこころは実は無感動少しずつ溢れていくいずれ何もなくなるから消えそうで消えない命にへらへらと笑う君と私は双子のように育った悲しくはないんだ私では守りきれない
2024年1月31日 23:20
生きた証って触れてから始まる重くはないよ軽はずみな笑みもないよそう言葉でない想い月がすっと昇るだろうからそこにいるおおよその俗なる愛とか崇高なとか清いとか黄昏が吸い込んでくれればいい私がここにいること気づいてくれたことケラケラとしてそれで消えてしまう澱み生きていく為のカードはいらないよお互いのカードは大事にすればいい生きているからねもうすぐさ消えてしまうじ
2024年1月1日 21:47
広場の石畳みに刻まれた記憶が霧の中で息を吐く遠い汽笛が蘇り失くした靴は旅路の果てに朽ちた思い出と眠りついた やがて広がる漆黒に誰が哀れみを乞うのだろう月は隠れて戸惑う牛は馬車に揺られて広場を横切る 12月1日~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~身を委ねた流れの行き着く先の海原に 静かに漂ういずれ群青に沈み 哀しみは溶けてゆくそんな願い
2023年12月20日 20:14
温もりに澄んでいく 重ねた色に 言の葉が散り明日から私の知らない冬が始まる11月12日————————————————異国の船を見送りながら秋の終わりを君と確かめ白い季節に凍えぬように優しい涙雲に隠して11月14日—————————————————石は丸く、流木は白く波にもまれてここに流れ着いた海を眺めている気の遠くなる時間を波が懐抱する風があらゆる隙間
2023年12月2日 21:19
いつの間にか枯葉舞う街に漂う風車はカタカタと回り秋の色彩がいよいよ寂しい孤独の文字が家々の灯を遠ざけ哀しい調べだけが冬の予感と白の記憶を呼び起こす冬の調べを知らない旅人はその調べの厳しさの意味も知らず薄い上着に夢を隠して冬をみる秋は密かに憐みの葉を旅人に託し気づかぬふりの旅人は静かに冬を目指す
2023年11月13日 20:22
まもなく雨が降り秋を流してしまう季節の終わりを告げるような儀式どうしても感傷的朝焼けの空ピアスを選びながらただ今日を大切に生きようと大袈裟でなく思う見えるもの、見えないもの感じたい透きとおる想いは感傷と比例する濁りない心を確認する朝は言葉にならならい何もいらないんだよきれいな波紋を作りたいそして可愛くいようと思う
2023年9月19日 19:38
時のない街で出会った羊飼い濁った泉になす術もなく 諦めた瞳に諦めた口元静寂の夕暮れはいつまでも暮れる事なくその隙間に羊は草を喰む沈む事も出来ない太陽登ることのない月 夜の来ない街に街灯だけがいつも戸惑いを隠せず羊飼いの姿に俯いている清い流れは何れ訪れる時の足音とワルツを踊る羊飼いは夢を見ない耳を失くしてしまったからそれでも清流は戻り時は鐘を鳴らすだろう羊飼いだけは
2023年8月27日 14:13
かってのあの場所は空虚な空間となり 芝居の終わった舞台はただ静かに次の足跡を追う幾つもの足跡の記憶踊り子の足跡はいつも悲痛の叫びとリズムを取り閉じ込めた醜さは足跡に刻まれていたその足跡に口づけし舞台は幕を引く永遠の幕引きはくるだろう朽ち果てる舞台に観客は見向きもせずいつかの夢は透き通る
2023年8月2日 12:41
砂漠に雷鳴が感傷を集める落雷は覚悟を決めたように叫び悲鳴こだまする砂漠に 激しい雨をもたらす荒れ狂う風の強さになす術もないただ打ちひしがれ重く湿る砂に膝つく祈る姿のように目覚めれば過酷な陽光渇きがどこまでも続く乾いた砂漠は嵐を吸込み落雷の後に閃電岩が生まれる透きとおった感傷を内に抱き不器用な閃電岩
2023年7月9日 15:26
いつだって微妙なバランスどっち揺れても不正解?答えないままとるバランスに意味を下さい振れ幅は風のバランスや雲のバランス星のバランス月のバランスだって影響するだろう。星が泣く夜は雲が隠してくれる風が沈む日は星の仄かな光が風を包むそんな風にしてバランスをとりながら世界はまわる中心点に行き着くことができるのだろうかバランス取ることに疲れてしまわないだろうか
2023年7月5日 20:54
ある夢の中街灯に出会ったぽつりと淡く深夜にふさわしい街灯だった街灯は一冊の詩集を差し出した街灯と同じように淡くそっと灯る詩集だった私は大切に受け取り今は寝室を灯してくれている急いる気持ちを抑え毎夜1ページをあじわうその詩集は星物語感傷を帯びた文字が 優しい眠りに誘うこの詩集の最後のページを閉じたなら私はどこで目醒めるのだろう夢に誘う君がいるといい
2023年7月3日 20:05
草原が青い炎に揺らめいている覚悟でなく衝動だった ごめんごめん…もう動かない風車 大好きな楠木暖かい洞ごめんごめんね僕はずっと透き通る世界に抱かれていたのだこの痛みは通過儀式だけど僕は呆然とした朝に衝動の炎を焚べてしまったそれが正しい行いであるといつか納得するのだろう覚悟に逃げたのは僕だ僕はもう僕でしかなく五月の頃若葉が芽吹くこの草原に舞
2023年6月30日 06:58
砂漠の灼熱の乾く街狭間から狭間が現れ狭間に消えて季節のない詩(うた)が落ちる微かな死の音感情も感傷も諦めた文字の憂愁だけがけぶり空がない兎に角急がなくては砂が舞うから人の声も遠い畳みかけられた後悔が砂漠の砂に埋もれても辻褄の合わない言い訳は砂に染みた月の影
2023年6月29日 19:28
昔から透きとおるものが好きでした透きとおる色が好きでした君の奏でるギターは透きとおった音でした。眼をつぶると月夜の麦畑が広がりました。揺れる穂のずっと向うで君がギターを奏でいました。宮沢賢治の世界のようでした。君は「温室」が好きだと教えてくれました。私はいつも小さな透きとおるものたちを外側から眺めていました。大きな透きとおったものに抱かれるのはどんな感じでしょう。透きと