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白の記憶

いつの間にか枯葉舞う街に漂う
風車はカタカタと回り
秋の色彩がいよいよ寂しい
孤独の文字が家々の灯を遠ざけ
哀しい調べだけが冬の予感と
白の記憶を呼び起こす
冬の調べを知らない旅人は
その調べの厳しさの意味も知らず
薄い上着に夢を隠して冬をみる
秋は密かに憐みの葉を旅人に託し
気づかぬふりの旅人は
静かに冬を目指す

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