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Boy meats girl
最初は、意外と食べられるものだなと感じた。
簡単に歯は通るが簡単には噛みきれない硬さと柔らかさの中間にいるような弾力。半分凍ったフルーツのような噛み心地に一口噛んだだけで腰から脳へと登っていく何かで体が支配される感覚に溺れそうになる。ラム肉と牛肉を混ぜたような風味に筋の通った肉質。一口一口に世界三大料理の旨味が詰められたような幸福感に私はロマネコンティを空けて舌鼓を打ったものだ。芳醇な葡萄の風味に
酒と煙草とセックスでしか語れないなんて雑魚
「ではこれで、様子を見ましょうか」
「はい」
「では次の来院は1ヶ月後で、お大事に」
テンプレートな会話を医者と展開し、私は診察室を後にした。
白を基調としたクリアな廊下をふらふらと歩きながら考える。家にエビリファイが23錠、今日処方された分が1ヶ月分と頓服で70錠、次の診察までに2回はODが出来るだろうか。市販のデパス等も含めれば、もう少し出来るかもしれない。自傷の回数を勘定するなんて馬鹿げた話